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「別々の道を歩む宿命」だとしても

スランプを脱出したSANADA選手。トーナメント2回戦も突破し、次の対戦相手は同門の内藤哲也選手です。

2011~12年ごろは「新日本の内藤、全日本の真田」と並び称され、両団体のエース候補として期待を集めていました。かつて池袋を代表する書店が「東の新栄堂、西の芳林堂」だったように’。

2016年4月、当時フリーだった真田選手が新日本の両国大会に乱入し、内藤選手の勝利をアシスト。リングネームをSANADAに変更し、内藤選手の率いるロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに加入しました。2021年にはタッグ王座も獲得しています。

しかし私はいまだに彼らの関係性を「仲間」としては捉えていません。もちろん「敵」でもない。たとえるなら「ドラゴンボール」の悟空とベジータ、もしくは「ベルセルク」のグリフィスとガッツでしょうか。

↑は2012年に公開されました。この予告編を見るたびに内藤選手とSANADA選手を連想します。「もうごめんなんだ。あいつの夢の中で、あいつを見上げてるのは」というガッツのモノローグ、そして「彼らは最初から別々の道を歩む宿命」というナレーションが胸に染みるのです。

かつては敵。いまは味方。強さや輝きにジェラシーを抱き、どうしても超えたいと袂を分かつ。何度も繰り返されてきたプロレス界の王道ストーリーです。

そして彼らにもその時が来た。

無論、仲間割れも訣別もしていません。でもそれがいい。敵対することで対等のポジションに立つよりも、同じチームにいながら超える方がずっと難しいから。縦社会のダークサイドが根強く残る日本のプロレス界では(あるいは他の業界でも)なかなか達成されないことだから。

いまでもふたりは「別々の道を歩む宿命」かもしれない。しかしこういうライバルストーリーも悪くないです。前代未聞をやり遂げてこその新時代。SANADA選手、すべてに勝ちましょう!!

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