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「2年目の苦悩」&「臆病な己を振り払う」

かつて雑誌チームのリーダーを務めました。

最初の年の売り上げは、ほとんどの月で前年越え。私が優秀だったのではなく、前任者がやらなかったことをやった結果です。

完売が見込まれるものを、発売日当日に版元へ注文する。あるいは、よく売れている返品期限が迫った雑誌を置き続け、他店からも分けてもらう。客層に合ってそうな漫画誌の配本を取次に頼む、など。

どれも平凡なアイデアです。ただ「こうすればいいのに」と考えていたことを実行しただけ。それで1年間は凌げました。

問題は2年目。前年と同じようにやっても、なかなか数字に結びつかない。かなり苦しみました。

今年の阪神はどうでしょう。

昨年は38年ぶりの日本一。今シーズンは他球団から研究され、特に打線が苦しんでいます。

昨年の岡田監督は基本的にスタメンを固定し、打順もほとんど動かさなかった。しかし今年は頻繁に変えています。16日の中日戦では不動の4番大山選手を外し、代打の切り札である原口選手を起用しました。

故障による育成落ちや大腸がんを克服し、ベンチではいつも声を張り上げ、ミスをした若手へ笑顔で話しかける原口選手。そんな彼がスタメン、しかも6年ぶりに4番を打つのだからチームメイトは俄然気合が入ったはず。

案の定9-4で快勝。原口選手の1号3ランも飛び出しました。

成功体験は大事。でもそれに縛られて「去年はこれで大丈夫だったから」と思考停止し、同じやり方に固執するのは一種の現実逃避です。当たり前だけど今年は去年ではない。にもかかわらず、ついラクをしようとしてしまう。なまじ経験や知識に富んでいるがゆえの落とし穴でしょうか。

臆病な己を振り払うには何か思い切ったことを。それが原口選手の4番起用だったのかもしれません。

見ているだけでヒントをもらえる岡田監督の采配、今年も要注目です。

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