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「選挙が待ち遠しい」と思える一冊

応援したい政党がない。票を入れたい人も見当たらない。だから選挙にも行かない。

こういう人、多いですよね。実は私もそうでした。

だから気持ちはよくわかります。でもこの判断は組織票を持つ巨大政党を後押ししているのと同じこと。もし現状の政治に不満があるのなら、ひとりひとりが投票という形でアピールして積み重ねないと何も変わりません。

とはいえ「はいはい、行けばいいんでしょ」では義務的なやらされ感しか残らない。支持する党の候補者にオートマチックに投票するのも同じです(私の父がこのタイプ)。それよりも各々の公約や経歴を調べて「コイツに託そう!」と腹を決める方が絶対に面白い。でもそんな時間ないという人もいますよね。私も営業マン時代は休みが週一日あればいい方でしたから。

ではどうするか? 答えは↓にあります。

どの選挙にも政党の後ろ盾を持たないユニークな「無頼系独立候補」が少なからず存在します。先日の都議選では生活保護を受給しながら出た人もいたそうです(詳しくは↓の記事を)。興味を惹かれませんか? 

選挙に興味を持てない、政策を調べる気力も時間もない。そういう人は候補者への個人的関心から入ってみてはどうでしょうか? 「無頼系独立候補」の中には確実に面白い人や応援したくなる人がいます。そして彼らの多くは我々がイメージしているよりもはるかに真剣な思いを胸に、勝ち目の少ない戦いに臨んでいるのです。

立候補には高額な供託金が必要です(衆議院小選挙区や都道府県知事選なら300万。都議選でも60万)。しかも一定の割合を超える票を得られないと没収されます。かなりのリスクですよね。それでも彼らは選挙に出続ける。ときには借金までして。この熱意を「目立ちたがり」とか「売名行為」で片づけていいものでしょうか? 

彼らの人間性や考え方を知ったうえで「面白いけど議員を任せるのは」という結論に至ったら、そのときは別の候補者に入れればいい。いちばんダメなのは選挙に行かないこと。次にダメなのは誰が何を訴えているのかを知らずに票を入れてしまうこと。そのふたつを回避するためのキッカケとして、まずは彼らに着目してみませんか、と。

ただ彼らの掲げた政策の中には、のちに勝者が採用したものも含まれているという事実は覚えておいて欲しい。決して馬鹿にしたものではないのです。

最後に本書の中で著者はもうひとつの「選挙に興味を持つ方法」を提示しています。それは「自分が立候補すること」です。私にもできるかもしれない。この本を読むと不思議とそういう気分が沸き上がってきます。

実際に出る出ないは別にしても、そういう選択肢があることを考えてみるだけで選挙に対する意識が変わるはず。満25歳以上で日本国籍を有していれば(参議院選&知事選は満30歳以上)誰でも立候補できるのです。

信じられる政治家も支持できる政党もないのなら、自分がやってしまえばいい。主体的で素晴らしいと思いませんか? 立候補して最後まで戦い抜いたというだけで私はその人を尊敬します。

一刻も早く彼らに会いたいし声を聞きたい。この本を読んでから、俄然次の選挙が待ち遠しくなりました。こういう時代だからこそ、ぜひ。

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