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「32年前の無念」と「10年前の第7試合」

謹賀新年。

といってもプロレスファンの私にとって、真の年明けは1月4日。新日本プロレス・東京ドーム大会を見ることで実感します。

最近は「元日興行」も珍しくないし、全日本プロレスはずっと1月2日&3日に後楽園大会を開催しています。ただお正月ならではのプレミアムな非日常感に浸りつつ、前年の締め括りと新年の幕開けを噛み締めるのは、普段よりも圧倒的に広い空間で楽しむ「レッスルキングダム」なのです。

新日本が初めて1月4日に東京ドーム大会をおこなったのは1992年。テレビ朝日で生放送していたのですが、メインの序盤で終わってしまいました。

ぜひ毎年ゴールデンタイムで放送してほしい。多くの人にプロレスの面白さと奥深さ、何よりも人間臭さを味わってほしいです。

今年の「1.4」で最も注目しているのは、こちらのカード。


「高橋ヒロム vs エル・デスペラード」のIWGPジュニアヘビー級選手権です。

全10試合中の第7試合。悔しい。でも熱と内容で後ろを食ってしまえばいい。そんな事例はいくらでもあります。たとえば10年前の「1.4」で最も会場を沸かせたのは、やはり全10試合中の第7試合に組まれた「後藤洋央紀 vs 柴田勝頼」でした。

彼らは高校の同級生。練習生時代に後藤選手が怪我で退団した際、柴田選手が強く励まし、自分の家に住むように勧めたとか。

一方のヒロム選手とデスぺ選手も同期入団。いずれもメキシコ修行で開眼したレスラーです。

紡がれた歴史の長さ=ドラマの土壌。互いを深く知っていれば知っているほど、好きとか嫌いという単純な一言では語り尽くせぬ感情を抱くもの。それが戦いの中で燃え、弾け、爆発を起こす。その模様をぜひ見届けてほしい。

この一戦が東京ドームのメインに組まれ、ゴールデンタイムで生放送される日がきっと訪れる。32年前の無念を晴らしてくれるのは彼らだと信じています。

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