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合い言葉は「By Myself」

2か月ぶりの復帰戦。諸々の雑念を捨てたかのような真っ白いコスチューム。飛び技で奇襲を仕掛け、遊びやアピールを排除してひたすら攻める。

しかしまさかの3分55秒で敗戦。。。

一瞬の丸め込みでいなしたヒロム選手にまだ余裕ありと映りました。でも相撲でたとえるなら、これは土俵際の突き落とし。YOH選手がギリギリまで押し込んだのは事実です。

一方、メインで勝った元パートナーのSHO選手は「いまのこの世は夢も希望も叶わない。あるのは欲望だけだ」と吐き捨てました。いわば結果が全てだと。

ダークサイドの己が囁きます。「SHOの言う通りだ。全くバカバカしいぜ。真面目に何年間も頑張って、夢を追いかけて、それで何か報われることがあったのかよ」「そんなモン無視してそこそこの会社入って適当に働いていい給料もらってた方が幸せだったんじゃねえの?」と。

もうひとりの己が反論します。「大切なのは報われたかどうかじゃない。夢を追いかけることは行為であり目的なんだ」別のひとりも続きます。「追いかける過程で掴んだものこそ自分だけの財産。サン・テグジュペリも言っている。『大事なものは目には見えない』と」

仲間や反則に頼って最短コースで結果を盗んだSHO選手。真正面から押し込んでまんまと足元をすくわれたYOH選手。

人間は己にないものに惹かれ、憧れる生き物です。なおかつ己とよく似た何かに共感を抱き、励まされる存在でもあります。しかし実はどちらも自分の中の自分。完全な別次元では興味の抱きようもない。彼らが見せた生き様は、憧れと共感が混ざったカオスの息吹を久しぶりに私の中で目覚めさせました。

そのうえでアンカーの己が言います。「YOH選手、それでいい」と。「いちばん効率が悪いルートを選んじゃったね。会社や仲間の力を借りないBy Myself(自分ひとり)な生き方。時間かかるよ。でもそれでいい。いちばん成長できる最高のルートだね」と。お互いやっていきましょう。

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