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「二足の草鞋」ではなく「車の両輪」

少し前の話ですが、元旦におこなわれたプロレスリング・ノア日本武道館大会に、石川県知事である馳浩さんが参戦しました。

新日本プロレスの主力選手だった馳さんが政治家へ転身したのは1995年。翌年の1月4日に佐々木健介選手と引退試合をおこないました。しかしこれが不本意だったのか、同年の暮れに全日本プロレスへ移籍。翌年から国会のスケジュールがない時期に試合をするようになりました。

初戦は1月2日・後楽園ホール大会の第1試合でした。相手は若手の志賀賢太郎選手。膝への一点集中で圧倒しつつ、気迫を引き出す横綱相撲で会場を盛り上げたのを覚えています。

2006年に2度目の引退。以後はしばらくリングに上がりませんでしたが、2017年に復帰。2021年にも試合をしています。

アマチュアレスリングのロサンゼルス五輪代表にして、元・国語科の教員(古典に関する著書を出したことも)。業界の二大老舗団体である新日本プロレスと全日本プロレスで活躍し、さらに参議院議員と衆議院議員を経ていまは県知事。文部科学大臣も務めました。まさに文武両道の極み。

馳さんの生き様を見ていると「やりたいことは何でもやってみたらいいんじゃないか?」と思えてきます。一度しかない人生なのに他人の目を気にしていたらもったいない。

ただし反対の声を押し切って己を貫く以上は、いい仕事を残さないと責任ある大人としてカッコ悪い。その点でも彼は見事です。リングへ上がる際はいつだってコンディション万全。ジャイアントスイングで相手を振り回し、ノーザンライトスープレックスで華麗なブリッジを見せてくれます。

「物書き書店員」として生きるうえで多大な刺激をもらいました。二足の草鞋ではなく、いずれも不可欠な車の両輪。馳さんを見習い、その気持ちで続けていきます。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!