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詩・ポエム

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ぼんじりの詩・ポエムのまとめです。2021年1月までは、詩・ポエムを5作ずつまとめています。2021年12月からは1作品ずつ書いています。
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記事一覧

【詩】サクラサク

【詩】サクラサク

何が足りない?
何を求める?
吐き出す二酸化炭素
酸素を吸いに
低浮上から急浮上
歓笑した日々が薄れ
吐き出す感情
感傷に浸る傾向
そして長考
校長先生に褒められた日記
「何かひとつ良いことをすれば
どこかでひとつ花が咲く」
あの日の僕にかえる
もう何も望まず
もう誰も求めず
どこかで必ず花が咲く
そう信じて
昨日の少年よ
僕は必ずもう一度咲く
明日の少年よ
君にも必ずサクラサク

【詩】暁、待たずに、中指、高くに

【詩】暁、待たずに、中指、高くに

わずか2センチの願望に
思いを閉じ込めたとして
封切られるのはいつだろう
風化されるのが常だろう

かすかに映る残像に
指を挟んで栞して
当てにならない参考に
降参しそうだ、本当は

曇ったガラスではいつだって
灯だけが頼りになった
世界の少年、少女よ
君たちこそがその灯である
だから、世界の少年、少女よ
暁、待たずに、中指、高くに、
心置きなく叫びたまえ

君が泣く前、泣いてた大人
夢の続きは君

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【詩】恋文

【詩】恋文

アンドロギュヌスの彼、彼女は
自分のペニスを
自分のヴァギナに
入れることができずに悩んでいる
性交というのは一人ならず
二人して初めて成るものだ

それでも彼、彼女は
ありとあらゆる自慰行為に長けていた

昨今
インターネットの普及により
スマートフォンの普及により
SNSの普及により

彼、彼女は
ありとあらゆる自慰行為に長けていた

文字を書かなくなって
言葉を探さなくなって
想いを伝えなく

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【詩】シャンディーガフ

【詩】シャンディーガフ

痩せこけた稲妻
ブラックペッパーを混ぜたチーズ
はにかみ屋はいつだって
飛ぶ鳥を落とす勢いで
のし上がっていく

シカゴで彼が成功した夜
覚えているはずのない女が
彼の車のボンネットの上に乗った
携帯を片手に何かを言うけど
彼は両耳がピアスだらけで聞こえない

鋲のついた革ジャンに
スプレーで世界地図を描いた
365日ぶっ飛んでる目ん玉
本当は350と7日
8日くらいはまとも

非常階段の踊り場

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【詩】けして

【詩】けして

途方にくれたフリをして
僅かな段差に腰をかけながら
「どうでもいい」の終末を眺めていた

24年来の親友が壊れたので
ヴィヴィアン・ウエストウッドのライターで
代わりに火を点ける

警告音で弾き出される連続に
いい加減に疲れが隠せない
右端が揃わないでいる
最近の薄っぺらさのせいだろう

そんな日に限って
早く来る人

法廷速度を守る僕の
走行距離は96794㎞
ハイビームに散々煽られて
通りすぎ

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【詩】戦国チック

【詩】戦国チック

戦国チックな感情のむき出し
あらわになった夕立の秘密
遊びほうけて暮らすカラス共
ほら見ろ
あれが俗に言う孤独というやつだ

僕は君の孤独を食べる
むしゃむしゃと
君がもう泣いてしまわぬように

近頃の大人は
孤独を感じたって
部屋の片隅で膝を抱えたりなんかしない
孤独と文字を変換するより先に
いつだって誰かと繋がっていたいのさ
孤独な思いをしているのは
君たちだけなんだ

僕は君の孤独を食べる

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【詩】もうとっくに

【詩】もうとっくに

あと三十分
時計の針
ゴミ捨て
あめが続いていた

風鳴り堂からまっすぐ丘へ
たまに傷とあれ
たまに聞くわたしの声
暴飲暴食
もういいんだと恐縮

晴れた日に
あのこは動物園に
帰ってきたら泣いていた
雨雲がこもる

雀が飛ぶ度、聞こえる足音
そろそろ起きる時間なのか
しびれる右手に
伸びる背中

混じり合わない色の先に
もうわかってくれなど
言わないことにした
君がわからない
僕が君をわからない

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【詩】山茶花とロックンロール

【詩】山茶花とロックンロール

あの日の山茶花は
その身を落とし
僕だけの少女となった

蜜はやがて毒となり
毒はやがて音となり
僕だけの唄となった

盲目の雨に打たれ
野暮な風にさらされ
傍観の鳥につつかれ
模倣の虫に奪われ
しばしばその身を落としても
花はまた咲き
少女となった
唄となった

ピンクの花はいつだって
妖艶に抱きしめてくれる

老いる度に失われていくオイル
湿度を保つ為に僕は
ガソリンを体に塗りたくり
鉄の味が

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【詩】彼は誰時は、なんてブルー

【詩】彼は誰時は、なんてブルー

花が咲いていた
パッパッと咲いていた
一日と、持たず
ポッポッポッと咲いては
枯れていく
その残響が耐えられなかったので
僕は少しうつむいて
遊歩道を歩く
朝方の遊歩道

彼は誰時は、なんてブルー

誰もいない
誰もいないから
心地いい
陽が昇る前なら
花に目をやるものはいない
その形も色も
暗みは隠してくれる
すれ違う人がいたとしても
挨拶を交わすだけでいい
何と気楽か
何と孤独か

彼は誰時は

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【詩】魂の在りかた

【詩】魂の在りかた

いつからか
あの家はカラになった
幽霊屋敷とはよく言ったもので
茂る木々のうっそうとした暗み
錆びた鉄は血として滲み
騒がしい日常であれ
ひとり静寂の中にあり
言葉すら発さないでいる
魂なき者に声は与えられない

危険色が集まり
鮮やかそうで
そうでもない威圧感が
存在価値を証明するように
片っ端から壊し始めた
それは日に日に身を痩せていくが
痛みすら叫べないでいる
魂なき者に声は与えられない

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【詩】パンパカパーン

【詩】パンパカパーン

ピンクのピストルはいつだって
銃口から弾なんぞ出さずに
その引き金を引く度に
世界に「ニャー」とだけ鳴らす

真夜中のセンターライン
死ぬはずないからスピード増して
白線から落ちないように
落ちたら死ぬよ
右は天国、左は地獄

ファンファーレが鳴りやまない
オレの頭蓋骨
ファンファーレが鳴りやまない
貫通する弾
ファンファーレが鳴りやまない

死んだらフリーズ
お願いプリーズ
オレの頭蓋骨を砕いて

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【詩】春夏秋冬

【詩】春夏秋冬

人の中間をした空っぽが
したり顔で仲間を探してる
せっせせっせと閉じ込めて
くるくる回して眺めてる
アブノーマルな綴り葉に
二重丸で道連れに

深呼吸して吐き出した
息なんぞに言葉はのらず

のらりくらりと求めた満月
コーティングされて見えやしない

外気温0℃の表示が足首握り
それでも散らばる昨日を蹴り揃えて
歩く道はパールの北斗七星

デジタル確め忘れても
敷き詰められた六角形の上
繋がる六角

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【詩】クスダマ

【詩】クスダマ

ウマレルということは
クスダマを割る瞬間に似ていた

待ち遠しく、美しく

未だ生まれると産まれるの
区別ができないでいる

僕は区別するより
いつだって供物されたかった
今だってそうだ

昭和に作られたものですら
もはやレトロになった

その窓に夕日が乱反射しながら
顔を照らす

眩しい

雪の結晶のようなお下がりに
美しい、美しいと昼下がり

一人で感動したところで
顔はしかめたまま
どうせ誰

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【詩】輪廻

【詩】輪廻

性別不明の輪廻
冥界にありますこの心身
生きていたことの記憶は残り
惨敗から学ぶレッスン1

悲しく、また哀しい

アメリカンドッグの棒を咥えたまま
指先の渇きを待っている

手に任せている間は楽だった
頭を使うようになってから
色褪せたり
失くしたり

ひっくり返ったオモチャ箱に
足の踏み場を求めても
頭は言うことを聞いてくれない

(ネェ、キイテヨ)

ひとつひとつ拾い集める間も
お腹は鳴ると

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