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今だからこそ気付く「FF15」という唯一無二のゲーム。冒険ではなく、旅をするオープンワールド

「FF15(FINAL FANTASY 15)」と聞くと皆さんはどういうイメージを抱くだろうか。
世界売上1000万本を突破し今でも根強いファンがいる一方、「ストーリーが未完成」、「スカスカのオープンワールド」、「バグだらけ」など世間的には完全にクソゲーのレッテルを貼られてしまっている。発売当初の評価は非常に厳しく、ゲーム史の中でもトップクラスの大規模な炎上だったように思う。
個人的な意見としては、FF15は厳しい評価を受けて当然の酷い出来であったことは間違いないが、FF15にしかない唯一無二の魅力があると思っている。この魅力を上手く言葉にするのは難しいのだが、私はこの魅力にどっぷりハマってしまい、今作を何周も遊んだ。未だにこの魅力を持っている他のゲームに出会ったことがない。
そこで本記事では、この「FF15にしかない唯一無二の魅力」について、上手く言語化しながら話していきたいと思う。


そもそも今ならFF15はオススメできるの良ゲーという話

タイトルの通りだ。FF15が大バッシングを喰らった最大の原因が
・理解不能な未完成のストーリー
・バグだらけ
の2点である。そしてこれらの問題点は、発売後の度重なるアップデートで概ね改善された。
未完成のストーリーに関しては、ストーリーを補完するDLCにより理解可能な形に生まれ変わり、それなりに感動できる話になったと思う。バクに関しては、ほとんど全て改善され、今遊んでバグに遭遇する可能性は極めて低いだろう。
これらの問題が解決されると、FF15は普通に高水準なゲームだ。グラフィックは7年前のゲームとは思えないほど綺麗だし、モブハントやダンジョンなど100時間は優に超えるやりこみ要素、リアルタイムで天気や時間が変化するリアルなオープンワールド、最高のBGM、瞬間移動(シフト)を使った映える戦闘、など楽しめる点は非常に多い。

更に発売後のアップデートで、戦闘中の仲間の操作が可能になることで戦略性が大幅に強化されたり、新しい最強の裏ボスが追加されたり、オンラインゲームが追加されたりと盛り沢山だ。また、値段も格安だ。PSプラス加入者は無料で遊べるし、小売店では500円前後で買うことができる。
正直、最新作であるFF16よりもFF15の方がゲームとして誰でも取っ付きやすいゲームだと思う。FFを遊んだことが無い人には、特に強くオススメしたい。

本題:FF15にしかない唯一無二の魅力

話を戻そう。今作にしかない唯一無二の魅力とは何なのだろうか。大きく分けて、以下の3つあると考えた。
・人間味がある仲間たち
・冒険ではなく、旅をするオープンワールド
・仲間感を演出するAI
一つ一つ解説していく。

・人間味がある仲間たち

今作の仲間は、よくあるRPGゲームでの仲間とは一癖も二癖も違う。仲間というよりは友人といった立ち位置で、プレイヤーの体験を賑やかに彩ってくれる。
まずオープンワールド(or 広めのマップ)で仲間と旅できるゲーム自体が少ないように思う。他のゲームだと、ドラクエ、キングダムハーツ、ドラゴンズドグマ、ドラゴンエイジといったところだろうか。だがこれらのゲームと決定的に違う点がFF15にはある。それは会話だ。先程挙げたゲームたちは、基本的にはキャラがイベントや戦闘中しか話さない。ゲームによっては何も話さず、ただ後ろから付いてくるだけの存在であることも珍しくない。何が言いたいかと言うと、よくゲーム用語として聞くコンパニオン(仲間、連れ、付き添い)そのものなのだ。だがFF15の仲間たちは、常に自然に会話をすることで「コンパニオン」という冷たい言葉で括れない程に人間味があるのだ。

歩いているとき、新しい場所に来たとき、アイテムを拾ったとき、戦闘に勝ったとき…もう会話が発生するフラグはキリが無い程に用意されている。常にプレイヤーが起こしたアクションに反応してくれるし、くだらない話で笑わせていたり、イジってきたり、注意喚起や提案をしてくることもある。この常に会話をしながら旅している感覚は、本当に現実で友達と旅をしている感覚に近い。他のゲームよりも仲間がいることへの安心感や信頼を強く感じられ、気持ちが明るくなる。ゲームを起動し、適当にプラプラ歩いたりドライブしているだけで心地が良いのだ。この心地の良さに虜になり、この感覚を味わえる他のゲームを探してきたが未だに見つからず、結局FF15に帰ってきてしまう程にだ。
たまに「FF15は会話がうるさい」という声を聞くが、この賑やかなゲームを長期間にわたってプレイした後、他のゲームをプレイしたときに感じる寂しさは想像以上だ。この感覚を作り上げることに成功しているのは間違いなくFF15だけだと思う。

・冒険ではなく、旅をするオープンワールド

よく今作のオープンワールドは「広いだけのスカスカなマップ」と非難される。確かに間違っていない。たが少し的はずれな気もする。既存のオープンワールドは、マップを遊び場として提供したり、世界観にリアリティを吹き込むためにマップを作ったりする。だが、今作は仲間との旅を演出するためのマップ、言い換えると、仲間と会話しながらマッタリ旅するマップなのだ。

車で各地を旅していく

今作のオープンワールドの雰囲気を感じてもらうために例を挙げてみる。
・仲間とドライブしながら景色を見て好きな音楽を流す
・綺麗な景色の前で皆で写真撮影
・車のガソリンが切れたから皆で最寄りのガソスタまで車を押していく
・ガソリンを入れるついでに皆でダイナーで食事
・市場に寄って今晩の食料を調達
・チョコボに乗りながら皆で釣り場を探す
・今日の宿泊場所を野宿かホテルかどっちにするか話し合う
・暗くなる前に皆で急いでキャンプ地に向かう
・釣った魚を料理して夜に皆で食べる
・朝型に早起きして朝日を見ながらランニング
…こういうオープンワールドなのだ。こんなオープンワールドは見たことがない。今作のマップは、どこへでも行ける自由度や未開の地を開拓するワクワク感は無い。だがそれでいい。今作のマップのテーマは冒険ではなく旅だからだ。

街の作り込みもピカイチ

FF15のマップはオープンワールドの意味を成していないという声もあるが、旅を演出するには移動時間や長時間のプレイ、時間や天候の変化など様々な要素が必要で、その要素を上手く網羅するためにはオープンワールドが必然だったのだと思う。数あるオープンワールドのジャンルの中に、FF15ライクというジャンルを作ったと言っても良いくらい、今作のオープンワールドは唯一無二だ。

・仲間感を演出するAI

最近、ゲーム開発にAIを導入というニュースを頻繁に聞くようになったが、FF15は2016年の時点で本格的なAIを取り入れていた。
例えば仲間が付いてくるときの動作だ。複数人でマップ移動するゲームによくあることなのだが、仲間がプレイヤーの後ろを付いてくる。ゲーム内では当たり前のことではある。だが現実で考えてみると非常に変な光景だと思う。例えばあなたが何人かの友人と歩くとき、1人の後ろを皆で付いていくだろうか。皆で話しながら自然と横に広がったり、1つのグループを2グループに別れて歩いたりするのが自然だろう。この自然に起こることを今作はAIを使って再現している。プレイヤーがキャラを動かすと、AIがプレイヤーの進行方向を予測し、その進行方向に向かって仲間がプレイヤーより前を進んでいく。この散らばり方が本当にリアルなのだ。

この皆で自然に歩いている感じが心地よい

1人はプレイヤーより前、1人はプレイヤーの横、1人はプレイヤーより少し後ろのように散らばるようにできているのだ。今作を実際に遊んでいると、この散らばり方があまりにも自然過ぎて気付かないが、本当に凄いことだと思う。
他のAIが使われている部分を紹介すると、フォトモードだ。昨今のゲームでは当たり前のように搭載されているフォトモードだが、今作のフォトモードは一味違う。仲間キャラが旅の道中を勝手に撮っておいてくれるのだ。この機能はAIを使って、カッコイイシーンや写真映えする場面を判断し、撮影しておいてくれるのだ。ゲーム内で誰かに写真を撮られるという何とも不思議な体験だ。

仲いいな 笑

更にその撮ってくれた写真の確認方法も特殊だ。キャンプやホテルで寝る前に皆で今日撮った写真を振り返るのだ。そこで「お前らいつそんな写真撮ったんだよ 笑」、「どういうアングル?」、「この写真かっこいい!」みたいに思いながらプレイしてると、仲間キャラが「この写真いいじゃん!」、「何だこの写真は」見たな感じで写真一枚一枚に反応してくれる。まるでゲーム内のキャラと本当に一緒にいるように感じられる。
先程述べた、仲間の会話やリアルに旅をしている感覚というのは、このAIによる支えがあってこそだと思う。最近は、AIが自動で何かを作成しゲーム開発を効率化する方が目立っているが、FF15のようなゲーム体験を向上させる方向にAIを使っていくのも非常に面白いと思う。

まとめ

ここまで沢山語ってきたが、FF15の魅力を感じていただけただろうか。
本記事ではFF15の良いところだけに焦点を当ててお話した。FF15には、大炎上するだけの理由があり、個人的にも大好きなゲームである反面、FFブランドをどん底まで落とした罪深いゲームだとも思っている。
だが、そのデメリットを消し去るくらいに、今作は個性が良い意味で強い。似ているゲームが見当たらない程にだ。そして遊んでいて心地が良く、思い出に残る良いゲームだ。FFシリーズの作品としてではなく、1つの旅するゲームとして発売されていたら、かなり評価は変わっていたのではないかと思う。今なら値崩れもして非常に安価で購入できるので、興味本位で買ってみるのもありだと思う。FF15にしかない魅力を体感していただけると嬉しい。

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最後まで見てくださり、ありがとうございました。

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