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夢中になれるもの【サウナホテルニュー大泉 新大久保店@新大久保駅】(2/2)

 それは「全国サウナ物産展」に立ち寄る前のことだった。せっかく新宿エリアまで行くのであれば、近くのサウナに行かないのはもったいないと思った僕は、GoogleとTwitterを駆使して新宿から一駅隣の新大久保にある「サウナホテル ニュー大泉」に行くことを決めたのだった。

 新大久保には用事ができない限り来ることはないし、そもそも用事ができない。だからこそ、このような機会を作らなければこのエリアのサウナを開拓することはできないのである。
 ニュー大泉の情報はインターネット上にあまり公開されておらず、中がどのような造りになっているのか、サウナ室や水風呂がどのようなデザインなのかが写真では全くわからなかったのだけれど、それが逆に僕の興味をそそった。

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 新大久保駅前には昼の12時前に到着したのだけれど、駅周辺には人が多く行き交っていた。僕はその間を縫うように歩き始めると、1〜2分ほど進んだところに今日の目的地が見えてきた。

「意外とコンパクトなんだな〜」

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 ニュー大泉は僕が想像していたよりもかなり小さく、本当にここで合っているのだろうかと目を疑ったほどだ。しかし、近くに寄ってみると確かにサウナの案内が出ている。12時までに入館すれば120分のショートコースを利用できるらしく、僕は次の予定のことも考えて短期集中で蒸されることにした。

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 店舗の中に入り、下駄箱に靴を預けて受付の女性に声を掛けると、「うちは時間に厳しいですので」と声をかけられた。過去にお客さんとトラブルでもあったのだろうかと勘繰ってしまったが、言われるがまま1,200円を支払い、さっそく奥にある階段を上り脱衣所と浴場がある2階に向かった。ちなみに、階段を上がったところには「当店は丁寧な接客を心がけています」といったアナウンスが掲示されていたのは興味深い。

 ロッカーを開けると、その中にはタオルセットと館内着があらかじめ用意されていた。僕は時間が限られているので早々に準備を済ませ、荷物をしまい、いよいよ浴場へと足を踏み入れた。

「ほぉ〜、なかなか渋いな」

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(公式サイト: 
https://www.ooizumi.info/70552/%E6%96%B0%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D%E5%BA%97/ )

 浴場には大きなお風呂がひとつと少し奥まったところに水風呂がひとつ、そしてドライサウナとスチームサウナの2種類のサウナ室を確認できた。お客さんは僕のほかに2人しかおらず、なかなか快適に過ごすことができそうだ。
 僕はまず身を清めてお風呂で体を温めてから、全身の水分をタオルで拭き取って、さっそくドライサウナの中へと入った。

「めちゃめちゃ良いじゃないですか!」

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(公式サイト: 
https://www.ooizumi.info/70552/%E6%96%B0%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D%E5%BA%97/ )

 サウナ室の中は2段構造で物理的には10人ほど座れる広さがあり、その中段は奥行きがあるため余裕を持ってあぐらをかいた状態で蒸されることができるようになっている。温度は100℃のカラカラ系で、上段に腰をかけて正面に流れるテレビを眺めながらじっとしていると、7分程度で全身からは大量の汗が流れ出し、呼吸が荒れ、心臓の鼓動が激しくなっていった。

ーーそろそろ出よう……。

 僕は立ち上がり、サウナ室を出てすぐ脇にある水風呂に、全身の汗を流してから肩まで沈み込んだ。

「ほぉ〜、ちょうど良い冷たさだ……」

 温度は17℃。広くて深いその水風呂の上には窓から風が流れこみ、そっと僕の顔をかすめていく。そこで30秒ほど身体を鎮め、すぐ脇にある ”ととのい椅子” に腰をかけて、目を閉じた。

ーー気持ち良すぎる……。

 浴場全体をほぼ貸切状態で利用できる優越感と開放感、そして交感神経と副交感神経の狭間を漂う非日常的な恍惚感。この刹那的な快楽を求めて、僕はこの場所にいるのだ。
 僕はそれからもサウナと水風呂に夢中になり、本能のままに快感を追い求め続け、気付いた時には3セットを完璧に終えていた。

ーー最高だ……。

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 結局、僕はそのあとに浴場をいったん出て、3階のリクライニングチェアが並ぶスペースで小休憩をしたのち、再び浴場に戻って最後のセットを堪能してからニュー大泉を後にした。その後は新宿で行われている「全国サウナ物産展」で目当ての商品を無事に手に入れて、帰りの電車の中で今日の出来事を思い出していたのだった。

ーーそういえば、大学受験の時も営業職だった時も、目標を達成した瞬間ではなくて、目標達成に向けて努力をしている過程そのものが、いま思えば「幸せ」だったのではないだろうか。そう考えると、人生とは「夢中になれるものを見つける旅」なのかもしれない。

 今の僕にとって夢中になれるものはなんだろうかと少し考えてみたが、その答えは簡単だった。
 僕は明日以降の仕事のスケジュールを確認してから、Googleで「東京 サウナ」と検索を始めていた。

(written by ナオト:@bocci_naoto)

YouTube「ボッチトーキョー」
https://www.youtube.com/channel/UCOXI5aYTX7BiSlTt3Z9Y0aQ


①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます