パフォーマンスの解釈【ドーミーイン大阪谷町@谷町四丁目】(2/2)
ホテルには21時ごろに到着した。僕の心にはライブの余韻がまだ残っていたけれど、せっかくのドーミーインだ。ここからはホテルに全てを委ねよう。
僕は部屋で小休憩をしたのち、館内着に着替えてタオルセットを片手に浴場がある13階に向かったのだが、サウナの前にまず腹ごしらえである。夕食をとっていなかった僕は、浴場と同じフロアにあるレストランにてハーフサイズの醤油ラーメン「夜鳴きそば」をいただくことにした。
飲食店が時短営業中の状況で夕食を提供してくださるのは本当にありがたい。しかも、夜鳴きそばは大盛りもおかわりも自由で、トッピングの量を増やすことも可能だというのだから驚きだ。お腹を空かせていた僕は注文時に「のり増し、大盛りでお願いします」と声を掛けると、すでに丼に通常サイズの一杯分を作っていただいていたようで、すぐにもう一杯分を追加で用意してくださった。念のため補足をしておくと、夜鳴きそばは何杯食べても無料である。
正直、夜鳴きそばの感想は「これで良い」に尽きると思う。とてもシンプルな醤油ラーメンで、これといって特徴があるわけでもない。でも「これで良い」と思わせる何かが、この一杯に詰まっているのだ。
お腹を満たすことができた僕は、いよいよ浴場へと向かった。その途中には湯上がりの休憩スペースがあり、その棚に並べられた漫画は部屋に3冊まで持ち込んで良いらしい。
それから部屋と同じカードキーをスキャナーにかざして脱衣所に入り、準備を済ませた僕は、ついに浴場へと足を踏み入れた。
「意外と広いな!」
(Relax: https://rlx.jp/24111/ )
内湯スペースには広々としたお風呂がひとつと水風呂がひとつ、そして露天スペースには一般的な露天風呂のほかに壺風呂も用意されていた。ちなみに、お風呂は天然温泉だというのだからテンションが上がらないわけがない。
僕はさっそく身を清め、まずは内湯の温泉に浸かってみると、途端に肌がすべすべとした手触りになっていった。これはなかなか良い泉質だ。しかも、たまたまかもしれないけれど浴場はそれほど混んでおらず、この大きなお風呂もほぼ貸切である。なんという贅沢。
(Relax: https://rlx.jp/24111/ )
それから露天風呂にも浸かってみたが、こちらは内湯よりも高めの温度に設定されていた。この露天風呂と水風呂との温冷交代浴も気持ちが良さそうだ。そして体が温まったところで、僕はタオルで全身の水分を拭き取り、サウナ室へと足を踏み入れた。
「ドーミーインらしいな〜」
(公式サイト: https://www.hotespa.net/hotels/osakatanimachi/spa/ )
サウナ室の中は物理的には10人前後が座れるほどの広さがある二段構成になっていて、比較的明るく、壁に埋め込まれたテレビからは音が流れている日本仕様の造りだ。その温度は94℃と十分に熱く、空いている座面に腰をかけてじっとしていると、7分ほど経過したところで僕の心臓は激しく動くようになり、全身からは滝汗が流れ落ちていた。
ーーそろそろ出よう……。
僕は立ち上がり、サウナ室を出てシャワーで汗を流してから、水風呂に浸かった。
「おおおおおぉぉぉおおお!! これは効く!!」
(公式サイト: https://www.hotespa.net/hotels/osakatanimachi/spa/ )
脚を伸ばした状態で肩までどっぷりと沈むことができるほどの広さがある水風呂の水温は13〜14℃とキンキンに冷たく、バイブラは無いものの30秒ほど経過したところで僕の身体は完全に鎮められたのだった。あとで知ったのだけれど、この日はたまたま通常時よりも低めの温度設定だったらしい。
呼吸が落ち着きを取り戻し、少し寒気すら感じ始めてしまったところで僕は立ち上がり、そのまま露天スペースの ”ととのい椅子” を目指して歩き始めると、そこであるものに気付いた。
「ん? ぬる湯?」
(Relax: https://rlx.jp/24111/ )
先ほど露天スペースに来た時には先客がいたために素通りしていた壺風呂には今は誰も入っておらず、そこに書かれた案内を見ると壺風呂の温度は少し低めに設定されていることがわかり、僕は本能の赴くままに壺の中に吸い込まれていった。
「ほぉ〜、絶妙な心地よさだ……」
水風呂によって冷やされた体を、おそらく38℃程度に設定されたお湯が優しく包み込んでくれた。その壺の縁に頭を預けて深く呼吸をすると、あまりの気持ちよさに僕の表情には笑みが浮かんでいた。
それから一呼吸おき、すぐ近くにある ”ととのい椅子” に身を委ねて全身を脱力させると、僕の心は解放され、幸福感で満たされたのだった。
ーーあー、最高だ……。
13階の高さにある露天スペースに吹く、やんわりと心地よい風を全身で浴びると、もう全てのことがどうでもよくなってしまった。「終わりよければすべてよし」なんて言葉もあるけれど、僕は一日を締め括る今この瞬間に幸せを感じている。ここにたどり着くまでにさまざまな過程を経ているけれど、その積み重ねが今の結果だ。そして、この結果に満足できるかどうかは、それまでの時間を精一杯生きることができたかどうかに懸かっているのだろう。
結局、僕はそのあとに2セット、合計3セットをいただいてから床につき、翌朝6時に起床して朝風呂をいただくことにした。身を清めてサウナに入り、そして人のいない外気浴スペースで静かに休んでいると、早朝の爽やかな風が僕の火照った身体に癒しを与えた。
ーーそうか、やっぱりそういうことなんだ……。
椅子に座ってぼんやりと過ごしていると、いつの間にか僕は昨日のライブのことを思い出していた。彼女はライブ中に何度かミスをしていたけれど、結果としてそこにいたファンたちも、そして彼女自身も心が満たされた状態で家路についたことだろう。事前に想定していた通りに完璧にパフォーマンスをすることが正解とは限らないのである。
そんな彼女はデビュー10周年を迎えたそうだ。これまでの想いをライブ中に語っていたけれど、夜が明ける時が来ると信じてこの10年間を駆け抜け続けて、そしてようやく日が昇り始めたらしい。確かに、今の彼女の活躍は誰もが認めていることだろう。
ーー成功者は、きっと「こうするべき」と考えるよりも、「こうありたい」と願う意志が誰よりも強いんじゃないかな。
一人で考えを巡らせていると、目の前に広がる空が時間の経過と共に徐々に明るくなっていった。
(written by ナオト:@bocci_naoto)
YouTube「ボッチトーキョー」
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