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どこを磨くべきか【毎日サウナ@群馬県前橋子】(1/2)

 肩書きとして「ライター」と名乗ったことがある人、またはライターに仕事を任せたことがある人であれば心当たりがあるかもしれないけれど、これほど人材の質に幅がある職業はないかもしれない。ライターの腕は本当にピンキリで、場合によっては、ごく一般的な大学生のほうが ”ライター” よりも良い仕事ができてしまうケースも少なくない。

 あくまでこれは僕の経験上の話だけれど、「このライターに頼めば大丈夫だ」と信頼できる人材は、ライターの肩書きを持って活動している全人口の1%もいないのではないかと思う。これは、ライターには資格が不要であり、文字を書いたり打ったりすることができれば誰でも仕事を受けられるためだ。肌感覚では、ライターを名乗る人が1000人いるとすると、そのうちの10人前後が「仕事に困らない優秀なライター」で、次の約100人が「条件にこだわらなければ仕事が見つかるライター」、そして残りの約900人が「どこにでもいる一般的な人」、つまり、ライターと名乗っておきながらライターとしての特別なスキルを身につけたり経験を積み上げたりしていない人か、もしくはライターに求められる努力をしたと思い込んでいるだけの人だ。それほどまでに、ライターの世界はピンキリなのである。

 このビジネスは参入障壁が非常に低く、誰でも今この瞬間から名乗ることができるものの、多くのライターが誤解をしていることがある。それは、ライターの仕事の定義だ。
 ライターの仕事とは、文字を書いたり打ったりすることでも、情報を文章で表現することでもない。ライターの仕事とは、文字情報を通じて ”課題を解決すること” だと僕は思う。そしてそのためには、まずは課題をどれだけ理解できるかが最も大切で、ここの解像度が低ければ低いほど最終的に目的を見失ったアウトプットが出来てしまう。文字を書いたり打ったりする行為自体はただの手段でしかないのだ。
 しかし、悲しいことに世の中に溢れているライター志望者向けの学習講座の多くは、この真実を伝えようとせず、「どうすればきれいで分かりやすい文章が書けるか」という表面的なテクニックしか教えようとしない。これでは、ただきれいな文章が書ける人を量産するだけで、本質的な意味でのライターは育つはずがない。ちなみに、その程度の文章力は大学受験の現代文と英語の勉強をすれば十分身についてしまうことも、あまり知られていない。

 このような実態があるからこそ、僕は「1000人のうちの10人」に出会えた時に興奮を覚えるのだけれど、最近その10人の中に入るライターと一緒に仕事をする機会に恵まれた。久々に、というより、ほぼ初めて「この人すげーな」と思えるライターと出会えたのだ。それは仕事ぶりからはもちろん、その人のSNSの投稿からも感じとることができた。
 そのライターは、自分が提供しているサービスの価格と同等の料金のホテルに定期的に泊まるようにしているらしい。それによって、金額に対する満足度の基準を客観視することができて、「自分はこの満足度に見合った仕事ができているのだろうか」と振り返ることができるそうだ。
 僕はこのプロ意識の高さに感銘を受けた。プロフェッショナルたるもの、表面的なスキルやテクニックよりも先に磨くべきものがあることを気付かされるエピソードだった。そして僕は、群馬のとあるサウナ施設でも、ある一人のプロフェッショナルと出会うことになる。

ーー後編に続く

(written by ナオト:@bocci_naoto)

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