4月21日、「アーティスト」という映画を観た。
原題は「The Artist」。2011年のフランス映画で、ミシェル・アザナヴィシウス監督の作品だ。
キャストは、ジョージ・ヴァレンティン役のジャン・デュジャルダン、ペピー・ミラー役のベレニス・ベジョ、アル・ジマー役のジョン・グッドマン、クリフトン役のジェームズ・クロムウェルなどである。
あらすじは、
といった内容。
で、観終わっての感想。
サイレント映画の非常に面白い作品
サイレント映画。ほとんど観たことが無い。
それだけに今回、この映画鑑賞を迷ったが、この機会に観ることにした。
食わず嫌いでなく、”とにかく食べてみよう”という気持ちからである。
で、鑑賞したあとの感想は「おもしろかった!」のひとことが出てきた。
何でもそうであるが、毛嫌いしないで、まずはチャレンジしてからだと感じた。
サイレント映画といっても、全く”無音”ではない。
音楽が場面を引き立ててくれるのである。
映画の世界を通し、時代の移り変わりを感じる
この映画の時代設定は、1900年代前半である。
映画界で言えば、無声からトーキーに変わり目を迎えた時代である。
同時に1929年の世界恐慌が、通り過ぎる等い時代。
まさに時代が、大きく変化しようとしていた。
時代が移り変わるとき、それまで称賛されていたものが、ガラッと逆に変わることがある。この映画の主人公たちも、その時代の変化を生きる人たちである。
時代の流れに乗る人、時代の変化に乗れない人。
最終的に、2人の人物が融合し、新たな時代に活路を見出してゆくのだ。
愛犬ジャックの名演技
この映画の中で、いい味を出しているのが愛犬ジャック。
その演技力たるもの、人間顔負けである。
時々思うのであるが、このような動物が映画に出てくるたびに、人間が中に入っている?と思うほど演技がうまい。
特に犬は、その目が感情を表してくれており、悲しい目などは人間のようにさえ感じるのだ。
とにかく、愛犬ジャックは、この映画の中でも大きなキャストの一員だった。
ペピーの人間的な優しさと可愛らしさ
そして、この映画の中で光っていたのが、ペピーである。
女性としての魅力はもちろん、むしろ人間的な魅力を全身から出している。
ジョージを救いたいという気持ち。少し茶目っ気のある姿。
このペピーに引き付けられる。
彼女の優しさが、最終的にジョージを救うこととなる。
最初は、スターのジョージの一ファンであった彼女が、逆にスターとなったあとでもジョージを思い続ける。
最終的に、ジョージの映画復帰を助け、ミュージカル映画という新たな分野でチャレンジを始め、ハッピーエンドで終わる。
この映画は、アカデミー賞作品賞の受賞作品であったが、サイレント映画ということでこれまで観ることをしなかった。
今回、思い切って観て良かったと、今は思っている。