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映画「アーティスト」を観て

4月21日、「アーティスト」という映画を観た。
原題は「The Artist」。2011年のフランス映画で、ミシェル・アザナヴィシウス監督の作品だ。

キャストは、ジョージ・ヴァレンティン役のジャン・デュジャルダン、ペピー・ミラー役のベレニス・ベジョ、アル・ジマー役のジョン・グッドマン、クリフトン役のジェームズ・クロムウェルなどである。

あらすじは、

1927年のハリウッド。サイレント映画の大スター、ジョージ・ヴァレンティンは新人女優ペピー・ミラーと偶然出会い、『バラエティ』誌などから「あの子は誰?」と報道される。ペピーはまだHOLLYWOODLAND[3]の看板のある時代の「キノグラフ撮影所」のエキストラで入って行き再会する。ジョージはペピーに「女優を目指すには個性が必要だ」と彼女に「つけぼくろ」を付けて印象とはどういうものかを示してやる。互いに惹かれ合うものを感じながらも、2人はそのまま何事もなく別れる。
1929年、映画界がサイレントからトーキーに急激に移り変わって行く中で、サイレント映画にこだわり続けたジョージは瞬く間にスターの座から陥落、落ちぶれて行く。一方、ペピーは時代の波に乗ってスターの座に駆け上がる。再会したが、契約されて同じ会社で働けるとペピーは楽しみにしていた。
ジョージは監督もして映画を製作するが、公開がペピー主演の「つけぼくろ」(Beauty Spot)と重なってしまう。公開前日、同じレストランでペピーは「観客は大げさな演技の古い役者に飽きたの、みんな私の声を聞きにくるの」とインタビューに答える。この日は世界恐慌の日でもあった。
公開後、ペピーは恋人と失礼を詫びにくる。妻も出て行き、落ちぶれたジョージは執事を解雇し、家財道具などの全てをオークションで売り払う。それらを密かに買い取ったのはペピーだった。彼女は愛するジョージを助けたい一心で陰ながら彼を見守っていたのだ。執事も自分の家で働かせていた。
酒に溺れ、荒んだ生活を送るジョージは、ある日、酔った勢いで自分が出演した映画のフィルムに部屋の中で火を放つ。煙にまかれ、焼け死ぬところを寸前で救ったのは愛犬ジャックだった。かつてのスターが火事を起こして焼け死ぬ寸前だったという事件は新聞紙上を飾る。その記事をたまたま目にしたペピーは撮影を放り出して病院に駆けつける。そして、火事の中でもジョージが抱きしめて決して放そうとしなかったというフィルムが、かつてペピーがエキストラとして出演したジョージの主演映画のものであることを知ったペピーはジョージを引き取って自宅で療養させることにする。さらに反対を押し切ってジョージと共演することにする。
ペピーの屋敷で穏やかな療養生活を送り始めていたジョージだったが、自分がオークションで売り払った家財道具などを買い取っていたのがペピーであることを知ってしまう。プライドを傷つけられたジョージは火事の後片付けも済んでいない自宅に戻り、拳銃で自殺をしようとする。一方、ジョージが全てを知って屋敷を出て行ってしまったことを知ったペピーは自ら慣れない運転でジョージの下に向う。ジョージが拳銃の引き金を引く。“BANG!”その瞬間、ペピーの運転する車がジョージの自宅前の立ち木に激突して止まる。ジョージの下に駆けつけるペピー。ジョージを傷つけるつもりは毛頭なく、ただ助けたかっただけだったと涙ながらに謝罪するペピーをジョージは抱きしめる。そして、ペピーはジョージを俳優として映画界に復帰させるアイデアがあると言う。映画会社の社長の前でペアダンスを披露するジョージとペピー。社長は感激し、2人の主演でミュージカル映画を撮ることになる。

出典:Wikipedia

といった内容。

で、観終わっての感想。

サイレント映画の非常に面白い作品

サイレント映画。ほとんど観たことが無い。
それだけに今回、この映画鑑賞を迷ったが、この機会に観ることにした。
食わず嫌いでなく、”とにかく食べてみよう”という気持ちからである。
で、鑑賞したあとの感想は「おもしろかった!」のひとことが出てきた。
何でもそうであるが、毛嫌いしないで、まずはチャレンジしてからだと感じた。
サイレント映画といっても、全く”無音”ではない。
音楽が場面を引き立ててくれるのである。

映画の世界を通し、時代の移り変わりを感じる

この映画の時代設定は、1900年代前半である。
映画界で言えば、無声からトーキーに変わり目を迎えた時代である。
同時に1929年の世界恐慌が、通り過ぎる等い時代。
まさに時代が、大きく変化しようとしていた。
時代が移り変わるとき、それまで称賛されていたものが、ガラッと逆に変わることがある。この映画の主人公たちも、その時代の変化を生きる人たちである。
時代の流れに乗る人、時代の変化に乗れない人。
最終的に、2人の人物が融合し、新たな時代に活路を見出してゆくのだ。

愛犬ジャックの名演技

この映画の中で、いい味を出しているのが愛犬ジャック。
その演技力たるもの、人間顔負けである。
時々思うのであるが、このような動物が映画に出てくるたびに、人間が中に入っている?と思うほど演技がうまい。
特に犬は、その目が感情を表してくれており、悲しい目などは人間のようにさえ感じるのだ。
とにかく、愛犬ジャックは、この映画の中でも大きなキャストの一員だった。

ペピーの人間的な優しさと可愛らしさ

そして、この映画の中で光っていたのが、ペピーである。
女性としての魅力はもちろん、むしろ人間的な魅力を全身から出している。
ジョージを救いたいという気持ち。少し茶目っ気のある姿。
このペピーに引き付けられる。
彼女の優しさが、最終的にジョージを救うこととなる。
最初は、スターのジョージの一ファンであった彼女が、逆にスターとなったあとでもジョージを思い続ける。
最終的に、ジョージの映画復帰を助け、ミュージカル映画という新たな分野でチャレンジを始め、ハッピーエンドで終わる。

この映画は、アカデミー賞作品賞の受賞作品であったが、サイレント映画ということでこれまで観ることをしなかった。
今回、思い切って観て良かったと、今は思っている。

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