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映画「正欲」を観て

4月20日「正欲」という映画を観た。
2022年の日本映画で、早川 千絵 監督の作品だ。

キャストは、桐生夏月役の新垣結衣寺井啓喜 役の稲垣吾郎佐々木佳道役の磯村勇斗、諸橋大也役の佐藤寛太などである。

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あらすじは、

横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。ある日、中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子はそんな大也を気にしていた。
同じ地平で描き出される、家庭環境、性的指向、容姿様々に異なる背景を持つこの5人。だが、少しずつ、彼らの関係は交差していく。
まったく共感できないかもしれない。驚愕を持って受け止めるかもしれない。もしくは、自身の姿を重ね合わせるかもしれない。それでも、誰ともつながれない、だからこそ誰かとつながりたい、とつながり合うことを希求する彼らのストーリーは、どうしたって降りられないこの世界で、生き延びるために大切なものを、強い衝撃や深い感動とともに提示する。いま、この時代にこそ必要とされる、心を激しく揺り動かす、痛烈な衝撃作が生まれた。もう、観る前の自分には戻れない。

出典:Wikipedia

と、いった内容。
で、観終わっての感想。

今の時代”右にならえ”の必要はない

ボクらの時代、完全に”右にならえ”の時代だった。
何か人と違っていることをすると、親から治された。
人から逸れたことをすると、変人扱いされた。
今は、そういう時代ではない。
だからこそ、こういう映画ができると思った。
恐らく、これが20年前に作られていたら、誰も観なかった、いや、制作さえされのではないだろうか。

価値観は人によって違うのだ

価値感は人によって違う。
だから、同じである必要もない。
今は、それを認められつつある時代に、差し掛かっていると思う。
この時代でなければ、「価値観の違い=争い」につながっただろう。
でも、そもそも同じ人など、この世の中にいるのだろうか?
よく考えれば、それは違って当たり前なのだと思う。

でも、理解できない人はたくさんいる

しかしながら、それを理解できない人もたくさんいるのが事実。
特に、価値観の違いを認められず、右ならえをしてきたボクら世代にとっては、理解できない人が多いと思う。
それは、これまでのこの国の教育であり、この国の価値観でもあったからである。
この映画の登場人物は、皆、生きづらさを持っている。
人と関わりるが苦手。人が感じないものに無性に魅力を感じている。
よく考えると、主人公たちの方が正直な生き方をしていると思うのである。
ボクらは、自分の気持ちをグッと押し殺して日々生きている。
ただ、その奥には人とは違う価値観が眠っているのである。

多様性とも、ちょっと違うのだ

今、世の中で盛んに言われている”多様性”。
その”多様性”とも、ちょっと違うのだ。
多様性を叫んでいる人たちは、実は多様性でない人たち。
通りいっぺんの、”多様性”の一言で片づけられない。

映画の中の主人公たち。
”理解してくれとは言わないが、放っておいてほしい”。
まるでそんな言葉が、どの人物からも聞こえてくるようだった。

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