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映画「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」を観て
6月23日、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」という映画を観た。英題は「Demolition」。2015年のアメリカ映画で、ジャン=マルク・ヴァレ監督の作品だ。
キャストは、デイヴィス・ミッチェル役のジェイク・ジレンホール、カレン・モレノ役ナオミ・ワッツ、フィル・イーストウッド役のクリス・クーパー、クリス・モレノ役ジュダ・ルイスなどである。
あらすじは、
デイヴィスは義理の父親(フィル)が経営する投資銀行に務めており、その優秀さは周囲からも一目置かれるほどであった。しかし、自動車事故に巻き込まれ、デイヴィスは妻(ジュリア)を失い、自らも負傷した。入院中、デイヴィスは自販機でチョコレートを買おうとしたが、不具合で買うことができなかった。言いようのない苛立ちを抑えられなかったため、彼は直ちにカスタマーサポートに手紙を送り苦情を申し立てた。苦情をまくし立てているうちに、デイヴィスはいつの間にか妻を失った悲しみを吐露していた。それを聞いていた担当者(カレン)は彼の境遇に同情的になり、彼に私的なコンタクトを取ってしまう。会話が終わる頃には、デイヴィスとカレンの双方が穏やかな心境になっていた。しかし、彼の悲しみが完全に癒えたわけではなかった。デイヴィスは早々に仕事に復帰したが、かつてのように仕事にやりがいを感じることができなくなっていた。通勤中、デイヴィスは顔なじみの乗客に「俺はジュリアを愛していなかったのだと痛感した。彼女が亡くなったのに、俺は悲しみや苦痛を一切感じていないんだ。」と漏らした。
精神的に不安定になったデイヴィスは奇行を連発する。そんなある日、彼は自分のあとを付けているがあることに気付いた。しかし、彼は誰がそんなことをしているのかに興味を持てなかった。彼が興味を持てたのは機械を分解してその内部構造を把握することだけであった。デイヴィスが分解したのは自宅にあるものだけだったが、ついには会社のコンピュータを分解するようになった。
実はデイヴィスのあとを付けていた人物はもう一人いた。それはカレンである。実はカレンとデイヴィスは通勤経路が一緒だったのである。カレンはデイヴィスに自分の正体がバレないように行動していたが、ある日、自宅に郵送されていた定期購読の雑誌を落としてしまった。デイヴィスはそれを頼りにカレンの自宅を突き止めることに成功した。カレンはシングルマザーではあったが、恋人のカールと同棲していた。カールが出張に行った隙を突いて、デイヴィスはカレンの自宅を訪問した。2人は親密な関係になったが、カレンの息子(クリス)は恋人のようでそうではない二人の関係を理解できなかった。やがてデイヴィスが精神的な葛藤に苦しんでいると知った。クリスは、自身の持つ性的な葛藤、社会や家庭環境への戸惑いについて、狂気の中に生きるデイヴィスと交流する中で、自身への肯定感を少しずつ育んでいった。
またデイヴィスはジュリアの名前が冠された奨学金の創設手続きの中で、対象者を選ぶ面接の場で妙な振る舞いをして、義父の怒りを買う。破壊衝動に取り憑かれていたデイヴィスはブルドーザーを購入し、クリスと一緒に自宅を思いっ切り破壊した。その後、デイヴィスは自宅の跡地でジュリアが書いたメモ書きを発見した。そこには予想もしなかったことが書かれてあった。
といった内容。
で、観終わっての感想。
あまりにも突然大切な人がいなくなると、人は悲しみを処理しきれない
映画の中の主人公は、突然の車の事故で妻を失う。
でも、彼は妻の死後も、悲しいという感情がわかない。一見、冷徹で仕事人間にも思われたが、だんだんと蹴れの行動がおかしくなってゆく。
ついには、物を分解し始めたり、自販機のクレーム処理担当の女性に付きまとうところまで行く。
悲しみが、深く、突然すぎて、その事実を落としきる処理ができないように思えた。
度重なる奇行。制御するものを失う。
街中で、イヤホンをして踊りだしたり、防弾チョッキを着た上から発砲させたりする。ついには、妻との思い出の家をブルドーザーで壊す。
もう制御が効かない状態であった。
そんな中で、妻の引き出しから、胎児の写真を見つけることとなる。
あの車の中のメモは、妻のものだったのだろうか?
タイトルでもある、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」というメモを見つける。そのメモの文字は、恐らく妻のものであったと連想させる。
では、誰当てに書いたメモなのだろうか?ここが大きな疑問点である。
夫に対してなのか、中絶した子供に対してなのか、不倫をした相手に対してなのか?
ボクは、恐らく夫へのメッセージのように思えた。
複雑で、すっきりしない映画だった
このように、見解が分かれそうな映画である。
結構複雑で、はっきり言えばすっきりしない映画でもある。
この映画を観て何かを得たかといえば、無いと思う。
何を伝えたかったのか、ボクには今一つ理解できない作品であった。
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