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映画「友罪」を観て

7月8日、「友罪」という映画を観た。2018年日本映画で、瀬々 敬久 監督の作品だ。原作は薬丸 岳。

キャストは、益田純一役の生田 斗真、鈴木秀人 / 青柳健太郎役の瑛太、藤沢美代子役の夏帆、山内修司役の佐藤 浩市などである。

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あらすじは、
元雑誌記者の益田純一は、書き手として廃業していた。日雇い生活を繰り返す中、社員寮のある町工場に職を得るようになる。同時期に鈴木という同世代の男性とともに試用期間に入った益田は、慣れない仕事に悪戦苦闘する。一方、鈴木は多くの技能・資格を持っていて不愛想だが即戦力ともいえる人材だった。益田は学生時代に友人がいじめを受け自殺したことに、罪の意識を感じていた。最後の最後でいじめる側に回ってしまい、その直後に友人は自ら命を絶った。一方の鈴木は、仕事からの帰り道に男から追いかけられている美代子と出会う。彼女はかつて男に騙され、アダルトビデオに半ば強引に出演させられた過去があり、そのことから逃れるために人目を避けるように暮らしていた。
と、いったところから始まる内容。

で、観終わっての感想。

消えることはない「罪」と、人はどう向き合うのか

「罪」。人は、生きていると、大小さまざまな罪を犯したりする。
その罪により、相手を傷つけ、命を奪ったりすることがある。
それらの罪は、決して消えることが無いほど、重いものもある。
その重い罪を犯してしまった本人は、その罪と人生の中でどう向き合ってゆくのだろう。
そんなことを考えさせられた、映画だった。

藤沢美代子は、デジタルタトゥーに追いかけられる人生

一方、罪ではないが、過去の消えない自分への罪もある。
この映画の中では、藤沢美代子の人生がまさにそれである。
過去にAVに出演したものは、今の時代デジタルタトゥとして残る。
世の中に出回ってしまったものは、一生消すことができない。
まさに、自分自身への罪なのかもしれない。

家族が犯した罪でも、人生が変わる父親

この映画の中で、タクシードライバーの山内修司は、自分の罪ではない。自分の息子が起こしてしまった罪に苦しんでいる。人の命を奪ってしまった息子。その償いを遺族にするが、遺族の気持ちは一生収まらないだろう。
そんな中、息子が結婚するということに、「人様が苦しんでいるのに、自分が幸せになることなどあってはならない」と思っている。
彼の心の中で、罪は一生続く。

罪を償うために、人は生き続ける

益田は、友人のいじめに加担し、自殺をさせてしまった罪を持つ。
鈴木は、高校時代に、児童2人を殺した罪を持つ。
そんな2人の間に、友情のようなものが芽生え始めるが、週刊誌に増田の撮った鈴木の写真が載ってしまう。かつての殺人者として・・・。
益田は、ある意味もう一つの罪を犯してしまうこととなる。
それは、また友達に対する裏切りの罪である。
まさにタイトルの「友罪」だ。

人は、罪を償うために、生き続けるのかもしれない。
生き続けることこそ、苦しみを持ち続けること。
「罪」を償うことは、苦しみの中で生きて続けてゆく以外、ないのかもしれない。



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