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私が【漢詩】音声投稿を50日間続けてよかった3つのこと。李白「静夜思」と共に振り返ってみた。

私が【中国語】で漢詩の読み上げ音声を録音し始めた理由。


まず、私が中国語を学んだきっかけは
三国志でした。
「中国語で書かれた本を読みたい!」
ということが初めの目的です。

ある日神戸の三国志ミュージアムに行き、
中国語で書かれた三国志の絵本を見つけました。
これを自分なりに訳しながら、さらに朗読音声をnoteに投稿しようと思いつきます。




投稿することで三日坊主を避けたい
という狙いもありました。

その中で私は
「中国語は声に出して読むと楽しい」
ということに気づきます。
絵本朗読は早々に終わってしまったため、
長く続けられ、
教養になるものを探していたところ
漢詩に辿り着きました。



【漢詩投稿を続けてよかったこと】
⒈中国語を話すことが怖くなくなった。


私は中国語の学習初期から、
「読める」ようになることを目標にしていました。
なので「話す」ことは大の苦手で、
自分の発音が変なのではと考えすぎて
発声するのがとにかく怖かったです。

しかし三国志の絵本の朗読を読み始めた段階で
中国語を話す「楽しさ」に気づきます。
さらに、ひとつひとつの文字が重要な意味を持つ
「漢詩」に取り組み始めたことで、
「ji」「zhi」などの類似した発音の区別を
つけられるようになりました。

私は自分に自信がなく、内向的な性格です。
しかし漢詩を読み上げるときだけは、
心が解放されて、大空を自由に飛び回る鳥のように
雄大な気持ちになります。



【漢詩投稿を続けてよかったこと】
⒉多様な人生観を疑似体験することができた。


私の漢詩投稿は、
読み上げて終わりではありません。
音声投稿とは別に、書き下し文や日本語訳を
調べて記事にまとめています。

書き下し文や日本語訳は書籍で調べたり、
情報が少ない漢詩は
中国語のサイトを見たりするので
記事にするまでに時間がかかります。

なので、まだ読み上げた漢詩すべてを
解説することはできていません。
ですがこの漢詩の意味を調べるという作業が
かなり面白いのです。

漢詩の意味を調べるときは、
作者の生い立ちも合わせて調べています。
なぜなら作者が歩んだ人生が、
詩に反映されているからです。

漢詩の意味を調べることで
私は「漢詩」という媒体を通して、
中国の唐代の人々の気持ちや境遇を
擬似体験することができます。

李白の「静夜思」を例にあげて
読み解いてみましょう。
学校の教科書にも掲載されることがある詩です。


李白:静夜思

李白
静夜思
床前明月光,疑是地上霜。
举头望明月,低头思故乡。


まず作者の李白について紹介します。
李白の人生は自由奔放で破天荒です。

李白の母親が李白を身ごもった際に、
太白星(金星)が体に入り込む夢を見たので
名を「白」字を「太白」と名付けました。
父親が異民族出身で、
緑色の目をしていたとの逸話もあります。

文武両道に秀でた李白は、
山の中で道士の修行をしたり、
人助けのため親の遺産を使い果たしたりという
青年時代を送りました。


朝廷の官吏になってからは、
酔った勢いで玄宗皇帝の腹心(高力士)
に靴を脱がせるなど問題行動を起こして
一ヶ月半でクビになります。

李白の晩年は反逆罪に問われるなど、
波瀾万丈な人生でした。
享年は61歳で、死因は諸説あります。

・病気で亡くなった
・船の上で酒を飲んでいる時川面に映った
月をすくい取ろうとして溺死した


そんな李白が詠んだ「静夜思」とは、
どのような詩なのか、気になりますよね。
書き下し文と日本語訳を見てみましょう。


【書き下し文】

牀前しょうぜん月光明らかなり
疑うらくは是れ地上の霜かと
首を挙げて明月めいげつを望み
首をれて故郷を思う


【日本語訳】
枕辺に明るい月の光
庭いちめんに白い霜が降りたよう
頭を挙げては明月を眺め
頭をたれては故郷を思う

***


眠れぬ夜、遠く離れたふるさとを想う詩です。
自由な暮らしを好んだ李白ですが、
ふと故郷を思い寂しくなる瞬間を切り取っています。

中国語の白文だとわずか20文字ですが、
李白の生い立ちと合わせて詩を読み解くと
ひとりの人生の物語を見ているような
感覚になるでしょう。



【漢詩投稿を続けてよかったこと】
⒊これから挑戦したいことが決まった。

私は漢詩を読み上げるにあたって、
以下の書籍を参考にしています。

参考書籍
中华书局经典教育研究中心:唐诗三百首诵读本(插图版) (Chinese Edition)

「唐詩三百首」という書籍なのですが、
中国は時代によって漢詩の呼び方が変わります。
唐の時代の次は「宋」なので、
もちろん「宋詩」も存在します。

私が「唐詩」を読み上げる中で気づいたのですが、
「詩経」と呼ばれる中国最古の詩篇からの
引用がかなり多いのです。

漢詩を日本語に訳しても、
難しい表現はたくさんあります。
もし、「詩経」に収録された詩を知っていれば
より理解が深まるでしょう。

なので参考書籍の漢詩を読み終えたら、
「詩経」に挑戦したいです。



私の現在の目標は、300日漢詩を読むこと。


今回の記事のタイトルは、
「私が【漢詩】音声投稿を50日間続けてよかった3つのこと。」
ですが、実は現在も投稿を継続しております。

参考書籍に掲載されている漢詩を、
全部読むまでは投稿を続けたいです。

漢詩の読み上げを録音し始めた当初は、
噛んだり引っかかったりすることが多かったので
簡単な漢詩を選んで読んでいました。

その代償なのですが、
文字数が多い漢詩が多く残ってしまい
現在苦戦中です。

それでも、いつの日か、

「私が【漢詩】音声投稿を300日間続けてよかった3つのこと。」

という記事が書けるように、
明日からも頑張っていきたいと思います。



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