見出し画像

(E38) コラボレーションツールから見える「中国式管理」の世代交代?(釘釘編)-2 (2020.2.27) by 藤井直毅 より抜粋加筆しました。

⑶ ツールから見える「中国式管理」の世代交代?

中国において、圧倒的なシェアを握るのが「釘釘(Ding Talk)」。

このアプリは以下のグループウエア的な機能も提供しています。
①遠隔会議システム
②スケジュール管理
③顔認証つきの勤怠管理
④経費精算

釘釘は、早々に1000万社に向けて多くの機能を無償で開放しています。


釘釘は以下を用意している点が他社とは違います。
Ⓐホテルやネット通販、金融など業界別のニーズに対応した便利な使い方
Ⓑ休業期間を終えてスムーズに通常の業務を再開するためのガイド


⑷ 「釘釘」公式サイトで業務再開に向けた様々な情報を提供中

釘釘の開発者は「人間は本来怠惰なもの」という性悪説をベースにアプリを設計したといわれています。

そのため、経営者が従業員の状況を把握・管理するための機能が豊富。


特に悪名高いのが以下です。
①メッセージの既読管理
②催促機能

メッセージを送ってしばらくしても既読にならない場合、
受信者側にはプッシュ通知でのリマインドが来るだけでなく、最終的には自動で電話がかかってきて読むことを促されます。

業務のすべてが1つのアプリで完結することは便利な半面、
従業員側からすると仕事上のすべての行動が上司に筒抜けな上に、その連絡を無視することも難しいわけで、相当な息苦しさです。

しかし、中国ではこうした方法が一定程度、有効とされることもまた無視できない事実です。


⑸ 字節跳動科技(バイトダンス)のアプリ「飛書(Lark)」

中国人ITジャーナリストは以下に言います。
「バイトダンスとアリババは同じIT企業とはいえ、世代が違う。

Larkは比較的若いバイトダンスの経営陣の考え方を反映して、”より従業員間の情報共有促進”などを主眼に置いて開発されているといわれる。

機能面は釘釘と似ているが、この開発理念の違いが全体的な使用感の大きな違いを生んでいる」


サイボウズの製品群もこの考えに近い。
サイボウズ中国の増田導彦氏は以下に話す。
「確かに中国ではマイクロマネジメントを好む経営者が多い。
しかし、リモートワーク環境においては、情報の格差は相互の不信を生みがち。

お互いの状況が可視化されれば以下が期待できます。
①そうした格差が生まれることをある程度防ぐことができる
②従業員同士のチームワークの促進によるアイデアの創発

そうした所から企業としての独自文化が生まれ、
最終的にはその文化にひかれた優秀な人材が集まるといったことも期待できるだろう」。


国土が広い中国では、
国内に複数の事業所を持つ会社も多く、コラボレーションツールが生まれる素地がありました。

「釘釘」は機能的に広く浅く多くの機能を網羅しています。
在中国日系企業の中には、カスタマイズ仕様を施している会社もあります。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp