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長年やってみて感じるマネジメントという仕事のやりがい

マネジメントという仕事は特殊な仕事です。私は偶然チャンスが回ってきましたが、なんだかんだやりがいを感じています。そしてずっと続けていきたいと考えています。

今回はマネジメントという仕事がどんなものなのか、私自身が実感したことを書きます。

マネジメントのスタイルは人それぞれで正解がない

マネジメントの仕事は人対人のやりとりが沢山発生します。自分の仕事だけに専念することはできません。常に色々な人の都合が付きまといます。それゆえにマネジメントの仕事は仕事のスタイルや個性が反映されます。

リーダーシップには様々なスタイルがあるとされています。さすがに最近は俺について来いというスタイルは古くなっていて、メンバーをサポートするフォロワー型やサーバント型のリーダーシップが増えていますが、リーダーが先陣を切るのは変わりません。率先垂範ですね。

人対人のコミュニケーションがマネジメントの仕事の多くを占めます。コミュニケーションのスタイルは人によって違い、個性が出てくるところです。人当たりとか人柄はみんな違いますからね。

どんな手段を使っても勝てばいいという人もいれば、誠実に愚直にやるという人もいます。私は前者の人は苦手で、後者の人です。

意思決定に正解はない

マネジメントの仕事をやっていると、何度も意思決定にぶつかります。何をすべきかはマネージャーが決めるのです。責任者として決めて、決めたからには責任を持つのです。

だから最初は本当にこれでいいのかという疑問が尽きず、決められずに悩んでしまいました。まぁこれは慣れですし、経営者が意思決定は慣れだと語っている記事を読んだこともあります。

意思決定の何が特徴かというと、正解がないことです。この仕事はA/Bどちらのやり方を取った方がいい?どちらもメリットデメリットがあるけどという状況で、絶対にこっちがいいなんてありません。正解はないのです。

だから意思決定において重要なのは、とりあえず決めてやってみて、上手くいかなければやり方を変えること、それからこっちの選択肢を選ぶ理由を明確に示すことです。

この仕事で目指すのは○○だからAの方が適している、顧客の課題はXXだからBの方がより課題解決できると思うなど、説明可能な明確な理由が必要です。

どちらがいいかなんてやってみなければ解りません。だったら進みだすのに必要な説得力のある理由を揃えて関係者を説得し、進みだせばいいのです。最初の一歩を踏み出すのはマネージャーの仕事です。

そして何より、正解はありません。あるのはよりベターな解です。よりベターな解を求めて悩み考え、やってみては方向転換する…正解や計画に囚われず前に進んで行く…こういうことをしっかりやって行きたいですね。

自分が正しいと思うことをやれば結果が出る

おかしなことや不満を感じることに疑問を持とう

世の中にはおかしな常識や慣習が沢山あります。私が仕事においておかしいと思っていることは次のようなことです。

  • 残業すればするほど頑張っている

  • 会社間、部署間の責任の押し付け合い

  • 不都合があれば平気で嘘をつく

  • 自分さえ、自部署さえ、自社さえよければいい

  • 何でも想定以上に上手くいくスケジュール

  • リスクは起きない想定

  • 計画は絶対に死守するもの

  • 立場が上の方が偉い

みなさんいずれも経験していると思います。こういうことで痛い目を見た、あるいは今現在も苦労しているという人はきっと少なくないと思います。

マネージャーには裁量があります。だからこういうおかしな問題に対して、おかしいという態度で臨むことが可能です。自分はこうだと思うということを実践することも可能です。

残業は悪であり美徳ではない

私は残業を徹底的に嫌い、IT業界という残業が多い業界でプロジェクトマネジメントを行い、長年に渡り残業時間10時間以下を繰り返しています。多くても20時間です。定時帰りの日が多いです。「今月10時間も残業しちゃった、働き過ぎだ」なんてくらいです。

自分のマネジメントのスタイルを持つ

責任の押し付け合いや嘘も大嫌いです。自分や自部署、自社さえよければというエゴも違うと考えています。誰に対しても公平に、嘘や裏表なく誠実にが私のやり方です。なぜなら嘘や他責が大嫌いだからです。

関係構築についても記事を書いています。仕事は人間性ではなくスキルと一般的には考えられていますが、私は人間性を非常に重要視しています。

こういうのがマネジメントのスタイルです。人それぞれ違うものであり、人それぞれ大事にしたいことがあるのがマネジメントという仕事だと考えています。

計画は死守するものじゃない

計画の死守も非常に疑問ですし、非常に危険です。慣れた仕事なら予想が付きやすいですが、やったことがないこと、初めての試みなどはやってみなければ解りません。またたとえ慣れた仕事でも状況が変わることもあります。

キッチリした計画も必要ですが、状況に応じた柔軟な対応も必要なのです。マネジメントは1つの方法だけでは通じません。様々な方法を身に付けて、使い分ける必要があります。

計画を死守することにこだわり、順調ですと嘘の報告を挙げて、終電までの残業や休日出勤を繰り返すプロジェクトをいくつも見たことがあります。これは中小のブラックな会社に限った話ではありません。CMでも見かけるような名だたる有名大企業でも平然と行われていました。

そもそも計画を立てろと言われても、やってみなきゃ解らないよというケースも多くなっています。そんなときに使える方法がマネジメントの方法論には用意されています。

マネージャーは偉いんじゃない

最後の立場が上の方が偉いはもう論外ですね。私は人としてこういう人は好きじゃないです。

20世紀の経営では権力をちらつかせて出世競争を煽りました。しかしもう21世紀です。

マネジメントって自分が責任者なのです。自分が責任を持って自分の部署やプロジェクトの仕事を完遂しなければいけないのです。それをメンバーや協力会社に手伝ってもらっているのです。この人たちがいないと一人で完遂するのは困難なのです。無限に働けるわけじゃないですからね。

例えばあなたが5人チームの管理者だとして、メンバーの進捗が今一だとしましょう。使えねぇ!とか足を引っ張るな!と怒る人はいると思いますし、あなたもそう怒られたことがあるかもしれません。

ではここで本当にメンバーの生産性が管理者の半分しかないとしましょう。でもメンバー5人で管理者の2.5倍の仕事をこなしてくれます。一人で自分3.5人分の仕事をしますか?

メンバー5人分の仕事を1人で難なくやるとなると、メンバーの5倍の生産性が必要です。これなら管理者1人でメンバー5人分の働きができます。でも自分の仕事を含めると2人分すなわち16時間/日も働かなければいけません。

ちなみにハーバード・ビジネス・レビューで昔読んで、記憶は曖昧なのですが、世界トップクラスのプレイヤーの生産性は、職種によりますがどんな職種でも大体13~17倍くらい(12~19倍だったかな?)だと読んだ記憶があります。

5倍も生産性があったらかなりのハイスペックでしょう。社内トップクラスはいけそうです。10倍あれば国内トップクラスかもしれません。

こう考えると立場は確かに上だけど、だから偉いわけではないと解ると思います。小さなチームでも一人で24時間365日働くのですかというくらいにメンバーの協力は大きいのです。

一期一会

仕事は同じ人とずっと続けることはあまりないです。何年かすれば自分が異動になるか、顧客側の担当者が変更になります。あるいは顧客側の都合で業者を変更することもあるでしょう。ときには自分が転職してしまうこともあるでしょう。

今まで色々な人と一緒に仕事をしてきました。一緒に仕事をするメンバー、顧客担当者、協力会社の社員、一緒にプロジェクトに参加する他社の担当者など、本当に色々な人と関わってきました。

仕事は色々な会社や部署と協力して進めるものです。だからこそマネジメントをやっていると、関わる人も幅広くなります。

色々な人から学ぶ機会が多く、色々な人に協力してもらえるのがマネジメントという仕事です。もちろん協力してもらえるような姿勢で仕事をすることが必要ですが。

そして多くの人とはその案件限りの付き合い、数年限りの付き合いだったりします。だから関係者に感謝して仕事することが大事だと思います。

終わりに

今回はマネジメントという仕事について書いてみました。

マネジメントはどんな仕事かと聞けば、人によって違う答えが返ってくるでしょう。だから今回の内容は私なりの答えです。

もしマネジメントに携わっている、あるいはまだ携わっていないけど興味があるなら、他のマネージャーに聞いてみるのも面白いかもしれませんね。

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