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母と踊る その2~蜘蛛の糸~/ダンスを読むnote#13

◇story

母と踊る第二弾。母は前回の映像を見て「私って結構手が長いのね」。また「みんなから若いって言われたよ」と告げるとまんざらでもなさそうです。

今回も母からモチーフの提案がありました。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」。えええ~?意表をつかれました。立体的にダンスを創るのなら、高さのあるものが良いと考えてきたそうです。「蜘蛛の糸」の諸行無常さに、母は人生を見ているのでしょうか。
ともあれ、「蜘蛛の糸」に挑戦です。立ち位置、配置、動き。今日も母がリードをとります。私がお釈迦様、母がカンダタ役です。極楽の蓮の池を覗くというのにこだわりがあり、私が指でつくる池の形に「丸くない」と何度もダメだしがでました。踊って、撮影、映像で確認、修正、を何度も繰り返し、1時間後なんとか2分のダンスが出来上がりました。「これがダンスって、私はよくわからないけれどねえ」と母。いいんんです。ダンスです。まさか母親とこんなにがっつりクリエーションをするとは思ってもみませんでした。
休憩しながらに、子育てが段落してから始めた母の趣味の油絵のこと。30年以上にわたり、どんな風に捉えて描いてきたか。構図や表現のことなど。そんなことをつらつら話してくれました。今は描けない、それゆえに「表現したい」そんな思いがふつふつとたまっているようでした。「母」ではない個としての彼女を垣間見た気がしました。

吉福敦子

Shallwedance差し込み画像

shall we dance?

日本ではなかなか難しい一言。
でも、心の中でつぶやいて
相手をダンスのパートナーとして見てみると
ちょっぴり日常がおもしろく見えるかも?

身近な誰か・なにかとのささやかなダンスの映像と
そのダンスにからうまれた物語をつづった
“ダンスを読むnote”を毎週月・水・土に紹介します

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BigFamilyTokyo/BFT
ダンスと社会をつなげるコミュニティダンスに取り組むダンサーグループ。ワークショップの開催、ファシリテーターとしてのスキルアップなどさまざまな企画を通してダンスの力を広げます。JCDN主催コミュニティダンスファシリテーター養成スクールでトレーニングを受けたメンバー達です。
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