よま|mouto

中学生クリエイター。ブログ・ショートショート等を投稿。 Yomba(another a…

よま|mouto

中学生クリエイター。ブログ・ショートショート等を投稿。 Yomba(another account): https://note.com/yomba

マガジン

  • ショートショート

    自作のショートショートをまとめています。黒のサムネイルが完全オリジナル作品、白のサムネイルがパロディや応募作品などです。

  • AIのべりすと

    AIのべりすとで遊んでみた記事。

最近の記事

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--SS|Doppelgänger

「ただいまー」  夫が帰ってきた。  時計を見ればまだ午後6時。最近は帰りが早いので、一緒に夕食を食べる日が増えた。 「何食べたい?」 「何でもいいよ」  そんな掛け合いは日常茶飯事。夫が「何でもいい」という時は、本当に何でもいい時だから、昨日の残りものを出しても満足気。  ご飯をよそって、カレーを盛り付けて、食卓に並べた、そのとき。 「ただいまー」  夫が帰ってきた、再び。心臓が止まりそうになった。私の視界では、二人の夫が顔を見合わせている。驚きと恐怖を隠せない表情で

    • --SS|五月雨と傘

      「もうすぐ梅雨だね。」  靴を履いた彼は、不意にそうこぼした。  気づけばもう春の暮れ、空は冴えない雲に覆われていた。  入学から早2年が過ぎ去ったが、彼がずっと同じクラスにいることもあり、時の変化をなかなか感じない。なんやかんや、僕の中学校生活にはいつも隣に彼がいた。  寡黙でとかく目立ちたがらない彼も、僕の前ではよく喋る。卒業した小学校は違うし、付き合いは短いけれど、僕は誰よりも彼に詳しいつもりだ。 「雨降らないといいな。」  傘立ての傘を抜き、僕らは門をくぐった。ふと

      • --コラム|Philostratos

         フィロストラトス。名が与えられているにも関わらず、存在感の希薄な人物だ。彼の人物像を繙くと、師・セリヌンティウスの救命を諦めた挙句、メロスの説得も失敗していることから、意志を貫徹する精神力や忍耐力が乏しい人物であることが伺える。三日の間友を待ち続けた辛抱強い師とは対照的だ。  少なくとも、彼は石工には向いていないと言えるだろう。師のような忍耐力を持たない彼にとって、石材を削り続けることはもはや苦行。推測だが、彼は直に石工の道を捨てる。しかし、視点を変えれば彼は寛大で臨機応変

        • --SS|めくらの王子

           国王には2人の息子がおりました。  兄の方は盲目の王子です。幼い頃に目を患って以来、王子は家臣に頼りきりでした。着替えも食事も移動すらも、自分でできません。王様は、そんな王子の存在を恥じていました。  一方、弟の方はたいそう壮健な若者でした。自分の部屋には召使一人入れません。自分のことは全て自分でこなします。そんな彼に、王様はしきりに感心しておりました。  ある夏の日には、東西の隣国が手を組んで攻めてきました。すると王様は、2人の王子に戦に赴くように命じます。盲目の兄は西

        • 固定された記事

        --SS|Doppelgänger

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        • AIのべりすと
          4本

        記事

          --SS|irony

          「おぬし、やってみよ。」  国王に指を差されると、若い家臣は視線を落とし、しばらくの沈黙を経て、頷いた。  老臣たちは俯く彼を何も言わずに眺めている。  2週間が過ぎ、彼は王城から追い出された。  王の期待に添えなかったのだ。  その国では治安の悪さゆえ犯罪が絶えない。  国王は犯罪を減らそうと、臣下の者を大臣に任命しては、対策を命じた。  しかし、国王は冷徹であった。すぐに結果が見えてこなければ、その者は2週間足らずでクビ、すなわち王城追放となった。勿論、2週間で結果が

          --AIが綴る『走れメロス』

          みなさんこんにちは! 今回の記事では、お馴染み・AIのべりすとに、太宰治の小説・『走れメロス』の続きを書いてもらいたいと思います! AIのべりすととは、書き出しの文章を打つとその続きを書いてくれるという文章生成AIです。 このサイトでは、デフォルト(AIに好きに書かせます)・セリフ(台詞を優先)・ナラティブ(地の文を優先)など、さまざまなタイプの文章を書かせることができます。 今回は今挙げた3つのパターンで『走れメロス』を用意しました。それぞれを読み比べたりして楽しんで

          --AIが綴る『走れメロス』

          --SS|失恋墓地

           霧が晴れると、そこは墓場だった。  ここはどこなのか。なぜここにいるのか。そんなことを考えるよりもまず、恐怖で頭がいっぱいになった。  すぐにでも逃げ出したくなって、墓地に背を向けると、青白い顔に笑みをたたえた男が立っていた。足がすくんで動けない僕に、男がかすれた声で語りかける。 「ここは、あなたの失恋を葬った墓地なのです」  男に促され、並び立つ墓石に沿って歩いた。  最初の墓標は、20年前のものだった。同じクラスの女子に恋心を抱くも、当時小学生の僕はまともに話しかけるこ

          --SS|失恋墓地

          --科拳

          <おことわり> この記事は共テの誤字について、誇張した表現を含みます。また、本記事の内容について、正確性を保証するものではございません。あくまで、ジョークとしてお楽しみいただければと思います。 科拳か-けん【科拳】 〔意味〕 ①(大事な場面での)くだらない過失。  類-ケアレスミス [例文]明日のテストでは科拳に気をつけよう。 ② 原因のわからない過ち。 〔語源〕  2022年度の大学入学共通テストにおいて、世界史Bの問題に誤字があり、「科挙」が「科拳」になっていた、と

          --AIと考察!最速で2023年の今年の漢字大胆予想[よまログvol.16]

          皆さんこんにちはー。 ご存知の通り、昨年(といっても4日前)の今年の漢字は「戦」でした。ロシア・ウクライナ間で起きた戦争や、北京五輪・カタールワールドカップでの挑戦など、様々なことがあった一年でしたね。 ということで今回の記事では、2023年の今年の漢字を予想していきます。まだ2023年は4日しか経っていませんが、ここではAIの力を借りて予想していくことにします。 ↓今回使用するAIのべりすと↓ AIのべりすととは、書き出しを入力するとその続きを書いてくれるという文章生

          --AIと考察!最速で2023年の今年の漢字大胆予想[よまログvol.16]

          --Tokyo.2(with AIのべりすと)

          これの続きです。 上のものと同じく、全文AIのべりすとに書いてもらい、一切の修正を加えておりません。 「そうだね。全然似ていないもんね」 「いや、それがそうでもないんだよ」 と、男は微笑んで言った。 「実はね、この人は、君のお父さんかもしれないんだ」 「そうなの!?」 「ああ、そうなんだ。そして君たち兄弟は、兄弟かもしれないんだよ」 「ほんとうに?」 「ああ、本当にそうかもしんないぞ」 「わあい、やったあ!!」 子供たちは飛び上がって喜んだ。 「ねえ、早く家に帰ろうよ。お

          --Tokyo.2(with AIのべりすと)

          --SS|記念日

          「婚姻届いつ出しに行く?」  私は、今付き合っている彼に声をかけた。婚姻届を出す日、それはつまり、結婚記念日を決めるということ。これから一生を共にしていく彼との大切な記念日を、軽い気持ちで決めたくない。彼も私の真剣な気持ちを感じ取ったらしい。いつもふざけ合っている私たちには考えられないくらい、真剣に見つめ合った。  私がいくつか候補日を提示していくと、彼は相槌を打ちながら聞いてくれた。そんな彼を見て、私は続ける。「でもやっぱり、一番いいのは私たちが付き合い始めた日じゃない?」

          --SS|記念日

          --SS|矛と盾

           それはいまから一昔前、とある小さな王国での出来事である。  山に囲まれた盆地に広がる小さな集落・南村。そこで、一人の老いた職人が鍛冶屋を営んでいた。  ある日のこと。職人は店の窓辺に、一つの矛を飾った。そして、こんな看板を立てた。 「どんな盾でも突き破れる矛」  そう書かれた看板は、多くの人の足を止めた。そして、それと同時に多くの人が慄きを覚えた。  昔からその国では、嘘をつくことは神への裏切りなのだという教えが伝えられてきた。実際、公の場で偽りの発言をした者は、教会に破

          --SS|矛と盾

          --Tokyo.1(with AIのべりすと)

          「No no, Tokyo now」という、友達とのLINEの中で出てきた謎のフレーズで、AIのべりすとに文章を書いてもらいました。  何一つ辻褄が合わない支離滅裂なこの物語を、どうぞごゆっくりお楽しみ下さい。 「No no, Tokyo now」 と書いてある。 「東京って、何?」 「トーキョーはね、日本の首都だよ」 「へえーっ! じゃあ、日本も首都なの?」 「そうさ。だから日本は世界で一番大きな国なんだぜ」 「すごいねえ!」 子供たちは目を輝かせて言った。 「でもさ、ぼ

          --Tokyo.1(with AIのべりすと)

          "Colorless green ideas sleep furiously" (直訳:色無き緑の考えが猛烈に眠る) という言葉を最近知った。 文法構造は合っているのに意味は通らない。 それを揶揄した、ノーム・チョムスキーという人物の言葉らしい。 それを画像で表したのがこれ。

          "Colorless green ideas sleep furiously" (直訳:色無き緑の考えが猛烈に眠る) という言葉を最近知った。 文法構造は合っているのに意味は通らない。 それを揶揄した、ノーム・チョムスキーという人物の言葉らしい。 それを画像で表したのがこれ。

          --言語学オリンピック解いてみた[よまログvol.10]

          こんにちは、よまです。 今日(11/23)は祝日。暇なので言語学オリンピックを解きました。 今回は、日本言語学オリンピック(JOL)のサイトの「JOLお試し問題集」に載っていた問題を解きました。 まあ、なぜ僕が言語学オリンピックを解いているのかと言えば、先日QuizKnockさんが言語学オリンピックの問題を使った動画を出しており、凄く面白かったので僕もやりたいな、と思ったからです。 お試し問題集には、13の言語の問題があり、そのうち6つ目まで解きました。 1つ目のイ

          --言語学オリンピック解いてみた[よまログvol.10]

          --SS|春暁

          ああ、春の眠りは何で心地いいんだろう。 最近は寒い日ばかりだったから尚更だ。 布団の中から窓の外に目をやると、もう陽は昇っている。 夜明けにも気づかないほど気持ち良い眠りだったんだな。 アラームを止めて静まり返ったこの部屋。 耳をすませば、あちこちから小鳥のさえずりが聞こえてくる。 なんてのどかな朝なんだ。 記憶を辿ると、昨夜のことを思い出す。 毛布にくるまっていても、激しい風雨の音が僕の耳には届いていた。 花はどれほど散ってしまったんだろうか。 そんなこ

          --SS|春暁