緑の携帯

30代社会人/ここに挙げるのは記事やコンテンツではなく、個人の日記のようなものです

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最近の記事

地獄の映画学校時代についての話①

時には昔の話をしようか。 紅の豚の主題歌はこんな歌詞から始まる。 僕はジブリの映画で紅の豚が一番か二番に好きだ。 その理由は、過ぎ去って帰ってこない時間への郷愁があるから。 なんて書いたらそれっぽいけど単純にあの作品世界の雰囲気が好きなだけだ。 紅の豚好きが高じて、僕は映画の専門学校に入った。 なんていうのは嘘だ。 でも映画学校に入っていたのは本当だ。 というわけで、時には昔の話をしようか。 子供の頃、僕はウルトラマンに憧れた。 こんなのよくある話。 で

    • 次期ミドル世代の卵は小説を書くという話

      今日、会社で後輩の女の子から君付けで呼ばれた。気がした。 ただの聞き違いだったんだけど、呼ばれた気がした時にどう感じたのか。 後輩のくせに生意気かよ。 と思ったのか。 あれ、ナメられてるのかな。 と思ったのか。 どっちも違う。 正解は、 爽やかな風が吹いた気がした。 だ。 別に恋が始まったとかそういう話ではない。 ただただ新鮮な感覚を受けたのだ。 純粋なる新鮮さ。 僕は思った。 「歳を重ねるほど、若いお姉さんから君付けで呼ばれることは無くなっていく

      • ガチの本気で小説を書いた話

        10月の下旬、僕はひとつの小説を書いていた。 月末締め切りの新人賞に向けた作品だった。 ところがどっこい。 10月初旬の段階で、物語全体の半分ほどしか進んでいなかった。 これではとてもとても、10月末の完成なんて夢のまた夢。 このままでは間に合わない! 焦った僕は10月最終週の月曜日に有給を取ることにした。 土日月の3日間を使ってラストスパート書き上げようという魂胆だ。 そしてやって来た最終週の週末。 机に向かって書き始めたが、予想していたよりも進まない。

        • でもまた歩き出せるから大丈夫

          ここ数ヶ月間、ずっと悩んでいた。 数ヶ月というか、言ってみればこの数年の悩み。 というのは「この先どうやって生きていくか」という悩み。 今は会社員として一応働いているけど、年齢を重ねていく中で自分の市場価値の低さを知り、40代を迎える今後を生きていける自信がなかった。 会社員として生きるならせめて「好きな業界に身を置きたい」と思い、今年の前半は転職活動も試みた。 少年の頃から憧れていた映像業界の会社へ、転職の挑戦もしてみた。 でも書類で落ちた。 現時点の自分のス

        地獄の映画学校時代についての話①

          もはや時間はない

          宮崎駿の『君たちはどう生きるか』を観た。 面白かったのかどうからよく分からなかった。 ストーリーも描写も完全に理解しきれたとは言えない。 理屈で考えると意味がよく分からない部分がいくつもあった気がする。 でもこの映画に込められたメッセージは大波のように直撃してくる。 一切を隠すことなく思い切り放たれている。 「面白かったのかはよく分からなかったけど メッセージはよく分かった」 見終わった後の感想は率直にそんな感じだった。 家に帰った。 部屋の掃除をして、食事

          もはや時間はない

          手から消えた荷物

          先日、会社から帰る時にたまたま営業部の男性社員と一緒になった。 僕より一年くらい後に入った人だけど、僕と同い年の人だ。 業務以外で話をすることはほぼ無かった。だから道すがら「さて、何を話したものか」と悩むことになった。 ふとした流れから彼の将来の夢についての話となった。 これが熱の籠った内容だった。 彼が何をやりたいのかここでは伏せる。けれど一つ言えるのは、それは少なくとも会社員とは全く別の世界の仕事だ。 その営業社員はものすごくソフトな様子で言った。 「何年後

          手から消えた荷物

          35歳の半分を過ぎたということは、30代の後半に突入したということ

          僕は6月の大体半ばくらいの生まれで、年齢は35歳になる。 ということは、新年を迎えた今35歳の半分が終わったということだ。 30代の真ん中にあたる35歳の半分が過ぎたということは、正式に30代前半が終わったと言っていいだろう。 そうかそうか。終わったか。 思えば、この5年間は変な意味で厳しい年月だった。 30歳になった当時、僕はまだ前々職、つまり2社前の会社で働いていた。 求人原稿を作るライターとして、企業に取材に行くようになったタイミングがちょうどその頃だ。

          35歳の半分を過ぎたということは、30代の後半に突入したということ

          鍛えた技を捧げ、威力の武器を持って

          今日、職場で同じ部署のバイトさんが一人辞めた。 結婚している女性で、僕よりも4コか5コ下の方だ。 とても穏やかで、声を荒げるようなことが全くない、とにかく良い人だった。 入社して1年弱だったけど、社員組では手が回らないところをフォローしていただき、とても助けられた。 ただ、諸々の事情があって、急遽退職が決まった。 既婚者と諸々の事情という言葉が連なると、どうしても不倫関係の連想が浮かびがちだが、そんなことは全くない。 僕とそのバイトさんは隣の席だった。 とても穏

          鍛えた技を捧げ、威力の武器を持って

          前に進むということ

          前に進むっていうのは、どういうことなんだろうと考える。 歩行とかそういう具現的な意味ではなくて、人生を考えた際の比喩的な意味での方だ。 「いつまでもクヨクヨしていてはいけない。前に進むんだ」とか、そういうやつ。 人生を前に進める。 はて、どうすればいい? 明確な結果として何かが与えられるのなら分かりやすい。 例えば試合に勝つとか、賞を取るとか。 「次はもっと高みを」だとか「もっと大きな舞台に」だとか、考えやすい。 でも一般人が日常を生きていて、そんなものは中々

          前に進むということ

          「それが唯一の生き方じゃないわ」ってお前が言った

          最近、久しぶりに小説を書いた。 といってもこの1年間くらいずっと、書いては直し、書いては直し、書いては上手くいかなくて消し、また書いて、、、 っていうのを繰り返していたから、厳密に言えば書いていなかったわけではない。 久しぶりに、書き終わった。というのが正しい。 で、これまた久しぶりに、新人賞に投稿した。 結果が出るのは来春。 果たしてどうなるやら。 思えば28歳で小説家になることを志して以来、7年。 僕の心境も随分変化した。 あの頃は、1年ほどでプロになり

          「それが唯一の生き方じゃないわ」ってお前が言った

          女優を目指してた母ちゃんのこと

          ウチの母は、若い頃に女優を目指していた。 らしい。 外見に恵まれていたようで、高校時代などは同級生から「美人代表」として扱われていた。 らしい。 性格は子ども時代から、おてんば。 男の子と外で駆け回ってばかりいたという。 息子の僕は運動神経が特別良い人間ではないけれど、母は足がめっちゃ速かった。 らしい。 中高と陸上部で、部内でもトップクラスに俊足だったそうだ。 息子の立場からすると、めっちゃ足が速い母親って、なんか面白いんだけれども。 美人で、性格も活発

          女優を目指してた母ちゃんのこと

          半年間悩み過ぎて抑鬱だった

          ここ半年間ほど、ずっと悩んでいた。 仕事のこと、職場での周りの人間関係のこと、小説のこと、将来のこと。 自分に小説の才能が無いことを実感した時、これまでに感じたことのない挫折を味わった気分だった。 「書き続けても無駄だろう」と、そう思った。 それだったらいいかげん心を入れ替えて、仕事を頑張っていけばいいんじゃないか。 幸いなことに、僕には定職がある。会社員としての仕事だ。 いつか小説家になるまでの繋ぎといった気持ちではなくて、この仕事でスキルアップして、ひいてはキ

          半年間悩み過ぎて抑鬱だった

          真っ当な外見?

          最近、職場での所属部署の体制が変わった。 理由、というか原因は、前向きなことではない。 人間関係のゴタゴタや、管理職と経営者のいざこざによるものだ。 体制が変わったことで、業務の見える化が行われるなど、テコ入れが進んでいる。 ハッキリ言って面倒くさい。 僕は環境の変化に強いタイプではない。 ポジティブな性格でもないので、テコ入れを前向きに捉えることが出来ない。 集客や売上の向上に向けた取り組みであると説明されても、「分かりました、頑張ります」とはならない。 な

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          作家の夢を諦めた

          誰が言っていたのかももう忘れたけど、ある作家が作家志望者に向けて話していた言葉がある。 「小説を書くのは、ほかの仕事をしながらでも続けることが出来る。だから”諦める”必要はない」 この言葉を聞いたとき、まさにその通りだと思った。 それでも世の中には作家の夢を諦める作家志望者がごまんといる。 「プロへの道が開けないから」「華が開く気配が無いから」 だから‥‥ 「もう諦める」 こんな言葉を吐いてる作家志望が数え切れない程いる。 僕には理解出来なかった。 例えば漫

          作家の夢を諦めた

          夢への一本道を踏み外した

          小学1年生の頃、僕は夢を持った。 それは、特撮番組や特撮映画を作りたいというものだった。 小学校の6年間、その夢に対する熱は一時も冷めることなく、小さな僕の胸の内で燃え続けていた。 中学に上がると、特撮を作りたいということ自体が何だか恥ずかしくなってきて、周りにその趣味や夢を話すことはなくなった。 でも、自分の中では何も変わることはなかった。 だから、早く大人になりたかった。 大人になりさえすれば、自由に自分の好きな仕事をして生きていけるようになる。学校に通う子供

          夢への一本道を踏み外した

          ロマンに叫ぶな

          今夜、小田急ロマンスカーVSEというのが通常ダイヤでの定期運行を終えるらしい。 ちょうどついさっき、その車両が発車するところに新宿駅で出くわした。 ホームに人が集まっていて、カメラを持つ人達が数百人といる。 高い三脚もあった。 何も知らない僕は、芸能人でも降りてくるのかと思ったくらいだ。 こっちは隣り合わせのホームから、快速急行に乗る。 発車までの時間を待つ。 先に、隣のホームからロマンスカーが発車した。 その瞬間、一斉に「ありがとー」という声がわき上がった。

          ロマンに叫ぶな