紅すずめ

俳句や短歌を少しずつ。。

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皐月 短歌 後半

角砂糖世界における崩壊が紅茶の中に広がっていく 落日の色侘しくて風になりたい語ることなく気づかれもせず 短歌って女々しい歌は好きだけどエモい入るとちょっとうざい…

紅すずめ
4日前
2

皐月 俳句 後半

小満の草の匂いを摘みて朝 甘藍や母の丸みが重たくて 「ほんとうは…」言いだす前に夏の風 こんがりとパン焼けた朝泣かないで 鼻先に天使舞い降り天花粉

紅すずめ
4日前
10

皐月 短歌 前半

微睡にひとりぼっちをかみしめる毛布かぶって朝 雨模様  いつの日かやさしいものになれるかなひとり見上げる星の降る夜 今もまだ君が隣にいるように送電線は夏を迎える …

紅すずめ
1か月前
7

皐月 俳句 前半

青だけがいよいよ濃くて春惜しむ 人魚姫夢見て穿いた鯉のぼり おざなりのキスを残して夏来たる 葉桜に時の風吹き人恋し 鹿の子は交通ルール守ります いつの日か許せる…

紅すずめ
1か月前
4

卯月 短歌 後半

たんぽぽの綿毛舞う空怖くって耳を塞いでしゃがみ込んでた 心地よい風に吹かれてここにいるここにいるけど少し寂しい さらさらとさよならと言う音がする乾いた砂が肺にも…

紅すずめ
1か月前
12

卯月 短歌 前半

ふかふかの草のにおいを染み込ませ夕陽を浴びて溶けちゃいたいな うとうとと水面に揺れて眠りたい泣いて拗ねたり甘えてみたり もの憂げな月を隠して雲になる疲れた海に優…

紅すずめ
1か月前
18

卯月 俳句 後半

父を待つ蓮華の花の秘密基地 春日傘無口なままの昼下がり 腹出して何様ですか桜鯛 水玉の傘をふりふり穀雨かな ハルジオン記憶くすぐり春深む 花影に蜂の死骸の夢うつ…

紅すずめ
1か月前
5

卯月 俳句 前半

四月馬鹿寝癖のままで嘘をつく 桃の花愛でてよ撫でて愛してよ 縁側の沓脱石に虻死せり 雨だれに踊る清明夜明け前 花衣落ちた椿はだれ拾う 若鮎の跳ねる水面に銀の月 …

紅すずめ
1か月前
15

弥生 短歌 後半

最後まで冬は君だけ見送っていつかまたの日ひと匙のジャム ちょこちょこと言葉散りばめセキレイが名残雪にも春のお知らせ いつかねと約束できる今が好き月が満ちても欠け…

紅すずめ
1か月前
18

弥生 短歌 前半

早咲きの桜流れてさよならを口にしそうになるね僕たち モノクロの声なき海に影ふたつ三月春はまだ忍び足 雨が降るあえて言うことないけれど君の唇震えていたね 街灯は寂…

紅すずめ
1か月前
19

弥生 俳句

雉だって頼りになると言われたい 陽に透ける桃の節句の奥座敷 縁側におはじきがあり更紗木瓜 微熱なの。恋は啓蟄のせいなの❤️ 啓蟄に変わらぬ今日も米を研ぐ 永き日…

紅すずめ
1か月前
12

如月 短歌

2月に詠んだ短歌をまとめました。 優しさを折って延ばしてミルフィーユいちご乗せたら紅茶を淹れて 少しずつ解き放たれて糸屑をバッパッパッて払っているの いつだって…

紅すずめ
1か月前
13

如月 俳句

今年に入って詠みはじめた俳句です 二月詠んだ句を選句しました。 君の日にすべてを白く春の雪 閾値を決めかねている紙風船 猟名残格子窓には子守歌 三日月がしっぽ押…

紅すずめ
1か月前
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皐月 短歌 後半

皐月 短歌 後半

角砂糖世界における崩壊が紅茶の中に広がっていく

落日の色侘しくて風になりたい語ることなく気づかれもせず

短歌って女々しい歌は好きだけどエモい入るとちょっとうざいな

ぼんやりと目覚めた朝は雨の音いやだいやだと駄々をこねたい

貝殻を集めてできた携帯にもしもしと波うちかえす声

皐月 俳句 後半

皐月 俳句 後半

小満の草の匂いを摘みて朝

甘藍や母の丸みが重たくて

「ほんとうは…」言いだす前に夏の風

こんがりとパン焼けた朝泣かないで

鼻先に天使舞い降り天花粉

皐月 短歌 前半

皐月 短歌 前半

微睡にひとりぼっちをかみしめる毛布かぶって朝 雨模様 

いつの日かやさしいものになれるかなひとり見上げる星の降る夜

今もまだ君が隣にいるように送電線は夏を迎える

あ、あれ?三首しか選べなかった……

皐月 俳句 前半

皐月 俳句 前半

青だけがいよいよ濃くて春惜しむ

人魚姫夢見て穿いた鯉のぼり

おざなりのキスを残して夏来たる

葉桜に時の風吹き人恋し

鹿の子は交通ルール守ります

いつの日か許せるのかなカーネーション

田代水譜面に響くサクスフォーン

たぼ沙魚が書いた本ほどベストセラー

卯月 短歌 後半

卯月 短歌 後半

たんぽぽの綿毛舞う空怖くって耳を塞いでしゃがみ込んでた

心地よい風に吹かれてここにいるここにいるけど少し寂しい

さらさらとさよならと言う音がする乾いた砂が肺にも積もる

黄昏があなたの声と暮れていく雪の匂いを残したままで

紅色に染まり始めた空に問うもういいのかな悲しむことは

交差点赤信号が点滅しまぁいいかっと愛がすり減る

泣いてるの?今夜は月を半分こ 大きい方は君にあげるね

ひとりでも

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卯月 短歌 前半

卯月 短歌 前半

ふかふかの草のにおいを染み込ませ夕陽を浴びて溶けちゃいたいな

うとうとと水面に揺れて眠りたい泣いて拗ねたり甘えてみたり

もの憂げな月を隠して雲になる疲れた海に優しい雨を

蒲公英の綿毛にひかる雨しずくそんな悲しい顔をしないで

この海をちぎって風に飛ばすからあなたの街に潮風届け 

陽だまりで穏やかな笑み浮かべたらそれだけでいい。幸せですか?

ほろり散る花びらさえも春ならば泣けない涙どこに隠

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卯月 俳句 後半

卯月 俳句 後半

父を待つ蓮華の花の秘密基地

春日傘無口なままの昼下がり

腹出して何様ですか桜鯛

水玉の傘をふりふり穀雨かな

ハルジオン記憶くすぐり春深む

花影に蜂の死骸の夢うつつ

逃げ水に棲む人探す旅路かな

車窓から春田流れて空だけ青い

昭和の日持ち歩けない過去の人

卯月 俳句 前半

卯月 俳句 前半

四月馬鹿寝癖のままで嘘をつく

桃の花愛でてよ撫でて愛してよ

縁側の沓脱石に虻死せり

雨だれに踊る清明夜明け前

花衣落ちた椿はだれ拾う

若鮎の跳ねる水面に銀の月

理不尽な呟きに咲くフリージア

薄墨の空に蝶舞う野辺送り

オリーブはアスパラガスと浮気中

朝のこと。散る音もなく春落葉

弥生 短歌 後半

弥生 短歌 後半

最後まで冬は君だけ見送っていつかまたの日ひと匙のジャム

ちょこちょこと言葉散りばめセキレイが名残雪にも春のお知らせ

いつかねと約束できる今が好き月が満ちても欠けたとしても

まどろみに時間と君を奪い合う勝てなくたって好きが満ちてる 

溜息を水色にして雨の朝ときおり金魚尾ひれゆらゆら

感情の処理が上手にできなくてバネ定数を計算してる

この冬は氷砂糖の海であり青が戻れば風も寂しく

今はまだ

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弥生 短歌   前半

弥生 短歌 前半

早咲きの桜流れてさよならを口にしそうになるね僕たち

モノクロの声なき海に影ふたつ三月春はまだ忍び足

雨が降るあえて言うことないけれど君の唇震えていたね

街灯は寂しげですか海沿いの寡黙な雪の降る街でした

指先で撃たれたふりの子犬より私の方が可愛く死ねる

ふわふわと風に漂い春になる君の助手席空いていますか

ミモザ揺れ小首傾げるすまし顔僕は僕なり君の手のひら

君の冬雨に触れれば溶けるのに

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弥生 俳句

弥生 俳句

雉だって頼りになると言われたい

陽に透ける桃の節句の奥座敷

縁側におはじきがあり更紗木瓜

微熱なの。恋は啓蟄のせいなの❤️

啓蟄に変わらぬ今日も米を研ぐ

永き日のしっぽ捕まえ蝶結び

君子蘭隠しきれない嘘が咲く

靴の紐結び直して春の夢

秘め事をそっと包んで白木蓮

雨降ればはしゃぐ長靴蝌蚪の水

麻疹の子恋愛至上主義だから

春愁や殻のむけないゆでたまご

春の雪消えた街灯消えぬ傷

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如月 短歌

如月 短歌

2月に詠んだ短歌をまとめました。

優しさを折って延ばしてミルフィーユいちご乗せたら紅茶を淹れて

少しずつ解き放たれて糸屑をバッパッパッて払っているの

いつだって青空でいる いたいから君の夜が必要なんだね

ぼんやりと音を失くした朝にいる 冬を惜しんでしとしとと雨

片方の失くした靴を探す日は心許ない雨の始まり

春の音を取り戻したと言う海の君の便りを茉莉花茶と読む

指先が古い書棚の三段目足

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如月 俳句

如月 俳句

今年に入って詠みはじめた俳句です
二月詠んだ句を選句しました。

君の日にすべてを白く春の雪

閾値を決めかねている紙風船

猟名残格子窓には子守歌

三日月がしっぽ押えて猟名残

伊予柑が認定試験合格す

ノースシュアボード抱えて冴え返る

すこしだけやきもちやいて下萌える

雨水には文字の滲んだ懐紙あり

床の間に影を忍ばせ猫柳

パスタ巻くフォークの先にミモザ萌え

魔女だって恋をするのよ春

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