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如月 短歌

2月に詠んだ短歌をまとめました。


優しさを折って延ばしてミルフィーユいちご乗せたら紅茶を淹れて

少しずつ解き放たれて糸屑をバッパッパッて払っているの

いつだって青空でいる いたいから君の夜が必要なんだね

ぼんやりと音を失くした朝にいる 冬を惜しんでしとしとと雨

片方の失くした靴を探す日は心許ない雨の始まり

春の音を取り戻したと言う海の君の便りを茉莉花茶と読む

指先が古い書棚の三段目足穂の本に君を見つけて

淡々と君の背中を見送って僕のこの手にまだ冬がある

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