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紅すずめ
2024年6月16日 19:28
小満の草の匂いを摘みて朝甘藍や母の丸みが重たくて「ほんとうは…」言いだす前に夏の風こんがりとパン焼けた朝泣かないで鼻先に天使舞い降り天花粉
2024年5月19日 22:45
青だけがいよいよ濃くて春惜しむ人魚姫夢見て穿いた鯉のぼりおざなりのキスを残して夏来たる葉桜に時の風吹き人恋し鹿の子は交通ルール守りますいつの日か許せるのかなカーネーション田代水譜面に響くサクスフォーンたぼ沙魚が書いた本ほどベストセラー
2024年5月8日 19:27
父を待つ蓮華の花の秘密基地春日傘無口なままの昼下がり腹出して何様ですか桜鯛水玉の傘をふりふり穀雨かなハルジオン記憶くすぐり春深む花影に蜂の死骸の夢うつつ逃げ水に棲む人探す旅路かな車窓から春田流れて空だけ青い昭和の日持ち歩けない過去の人
2024年5月7日 20:57
四月馬鹿寝癖のままで嘘をつく桃の花愛でてよ撫でて愛してよ縁側の沓脱石に虻死せり雨だれに踊る清明夜明け前花衣落ちた椿はだれ拾う若鮎の跳ねる水面に銀の月理不尽な呟きに咲くフリージア薄墨の空に蝶舞う野辺送りオリーブはアスパラガスと浮気中朝のこと。散る音もなく春落葉
2024年5月4日 23:17
雉だって頼りになると言われたい陽に透ける桃の節句の奥座敷縁側におはじきがあり更紗木瓜微熱なの。恋は啓蟄のせいなの❤️啓蟄に変わらぬ今日も米を研ぐ永き日のしっぽ捕まえ蝶結び君子蘭隠しきれない嘘が咲く靴の紐結び直して春の夢秘め事をそっと包んで白木蓮雨降ればはしゃぐ長靴蝌蚪の水麻疹の子恋愛至上主義だから春愁や殻のむけないゆでたまご春の雪消えた街灯消えぬ傷
2024年5月3日 15:39
今年に入って詠みはじめた俳句です二月詠んだ句を選句しました。君の日にすべてを白く春の雪閾値を決めかねている紙風船猟名残格子窓には子守歌三日月がしっぽ押えて猟名残伊予柑が認定試験合格すノースシュアボード抱えて冴え返るすこしだけやきもちやいて下萌える雨水には文字の滲んだ懐紙あり床の間に影を忍ばせ猫柳パスタ巻くフォークの先にミモザ萌え魔女だって恋をするのよ春