卯月 短歌 後半
たんぽぽの綿毛舞う空怖くって耳を塞いでしゃがみ込んでた
心地よい風に吹かれてここにいるここにいるけど少し寂しい
さらさらとさよならと言う音がする乾いた砂が肺にも積もる
黄昏があなたの声と暮れていく雪の匂いを残したままで
紅色に染まり始めた空に問うもういいのかな悲しむことは
交差点赤信号が点滅しまぁいいかっと愛がすり減る
泣いてるの?今夜は月を半分こ 大きい方は君にあげるね
ひとりでも玉子ふわふわオムレツとコーヒーの朝、お元気ですか?
海の底みたいな街で息をする鯨はゆっくり踵を返す
もう僕は君の背中の夕暮れにいつしか消える空の青だね
ひと匙のハチミツ混ぜるこれからもこの淋しさを隣において
どうしても優しくなれない日もあって甘いケーキを焼いてる。ごめん。
寂しさが溢れ出したら手のひらでコロッとまるめパクッと食べちゃう
少しだけ雨を含んだ風が吹く君の言葉で夏を封じて
今はまだ優しい歌が詠めなくて夜明けの寝息聴いていたいな
ねぇ、おいで、朝焼け色に微睡もう時計のねじは隠しておいた
蒼の空哀しみ色も惜しみなく受け入れていく星屑でいい
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