【歴史から学ぶ】皇帝フリードリヒ2世の生態実験
神聖ローマ帝国の皇帝
9世紀から10世紀頃にドイツ・オーストリア・ポーランド・チェコ・北イタリア他に神聖ローマ帝国という厳かな名称の国家がありました。
この一大帝国にフリードリヒ2世という皇帝がいました。(日本では鎌倉殿13人の時代)
この皇帝は学問と芸術を好み、時代に先駆けた近代的君主としての振る舞いから、中世で最も進歩的な君主と評価されています。
フリードリヒ2世は知的好奇心が非常に強い人で当時の人から見れば、少々変わっている人だったかもしれません。
不思議な実験
実はこの皇帝は少し不気味な実験をしたことで、多少悪名じみた知名度を持ちます。
ある僧侶の記録によると、好奇心旺盛な皇帝は50人の孤児(乳児)を宮廷に集めました。
全く、教育を受けない子供が最初に話す言葉は何か知りたかったそうです。
宮廷での事実上育児ですから、衣食住は完璧に整えました。しかし、以下の条件を定めました。
三つの条件
・乳児には笑いかけない
・話しかけない
・目を見ないなど
人が通常行う、一切のコミュニケーションを遮断して育てたといいます。
このように完全なコミュニケーションを与えられない乳児はどの様な成長を遂げたかと言うと、
ほぼ3歳程度で死んでしまったそうです。一部数名が6歳程度まで生きていたとも。
「赤ちゃん」という存在は衣食住だけでは生きられないということが、フリードリヒ2世の妙な実験により、明らかになりました。(彼の実験は失敗した)
人間はコミュニケーションなくては生きられない
人間にはコミュニケーションが必須であるということになります。フリードリヒ2世は国内統治や周辺諸国との外交にも手を焼いたように、組織の円滑化や組織の発展にもコミュニケーションが必要となってくるでしょう。
コミュニケーションがない組織は乳児と同じように緩やかに死んでいきます。「バーナードの組織の3要素」の一つにはコミュニケーションという要素が最初に現れます。
プライベートも仕事もその秘訣は「コミュニケーション」にあると言っても良いでしょう。
乳児が死んだように、人や人が作る組織も又、没コミュニケーションは危険であると歴史から学べます。