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ココはとうきょう。

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ココはとうきょう。 ある人は憧れ、ココを目指し。 ある人は嫌いながらも、ココに集う。 大きな流れのなかでも、自分がココにあることだけは確かで、それだけを頼りに今日も生きてみた…
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ココはとうきょう。vol.5

ココはとうきょう。vol.5

僕は東京にいるけれど、銀座も新宿もほとんど行かないので、もはや東京に住んでいるのか少しあやしい。最近の東京っぽい体験のこと。

「あのこは貴族」
おそろしい映画だった。こういう世界を東京って言うんだと思った。ちなみに僕だってZ世代にギリギリ入れるぐらいの年なので、ダイバーシティ!インクルージョン!選択的夫婦別姓!と、割と本気で思っている。けれども、それに近しいぐらい血統とか家柄とかそういったものも

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ココはとうきょう。vol.4

ココはとうきょう。vol.4

また桜の季節になった。そして今年も東京にいた。人生は選択の連続だというからには、今日ここにいることも自分の選択の結果だということからは、目を背けられない。

去年と違うことと言えば、住む街が変わったことだ。同じ東京の中であっても、目黒区から足立区に引っ越すというのは、分かる人から見ればものすごく大きな変化だ。吸い寄せられるように選んだこの街が僕は好きだった。相変わらず丸の内サディスティックはBGM

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都立大ブルース

都立大ブルース

街に感謝を告げるのは、3回目だった。

1度目は留学で行ったオーストラリアのサンシャインコーストという田舎町。5ヶ月間現地の学生と寮で暮らした。海と空と、あとはカンガルーだけがある町だった。

2度目は生まれてから22年間を過ごした京都。全てが詰まった場所を、就職で手放した。

そして2020年7月、都立大での2年4ヶ月の生活が終わろうとしていた。
京都からでてきて、最初に選んだ街だった。
縁と運

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ココはとうきょう。vol.3

ココはとうきょう。vol.3

この冬は暖冬だった。 

いい加減だし巻きをしっかり巻けるようになりたいと思い、週2回ぐらいは挑戦するけど、いまだに納得がいく形にはなっていない。

King Gnuの白日が流行って、髭男のPretenderが流行った年だった。僕はMrs.GREEN APPLEの点描の唄が気に入った。

山手線の新駅ができた。渋谷にスクランブルスクエアができた。といっても生活には全く影響はない。

何百回登っただ

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社会人1周年記念エッセイ「ココはとうきょう。」②

社会人1周年記念エッセイ「ココはとうきょう。」②

こちらの続きです。

社会人1周年記念エッセイ
「ココはとうきょう。」①

土曜日の朝、なんとか起き上がった午前10時のからだに、やわらかめの日光を浴びせてみる。
23年も生きていれば、自分のからだが何をすれば喜んでくれるかはよく分かっている。

平日は無駄に油っぽいものを欲するけれど、なんとなく土曜の買い物カゴには、パプリカとえりんぎが似合っている。

心地いい運動の手段がなくて、ジムに通いはじ

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社会人1周年記念エッセイ 「ココはとうきょう。」①

社会人1周年記念エッセイ 「ココはとうきょう。」①

地上駅を出発した電車が、いつのまにか地下鉄に切り替わっていることには、いつもながらに気がつかなかった。目線はずっとスマホで頭はまだ7割ぐらいしか駆動していない。
出勤するときには明るかった外は、帰る頃には真っ暗になっている。夕暮れのありがたみに気づくのは、決まって土曜日の17時だ。

肉体は敏感。肌が荒れたり、首が痛かったり、脇腹に肉がついたりする。ストレスとか疲労とか食生活とか、大事だと教わって

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