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子どもが初潮をむかえたら、トンデモなく大変でした③《140字の日記》

 子どものはじめての生理、ついに予想外の展開に……

 1月20日(日) 生理5日目

 案の定、起きたら布団が犠牲になってました……
 親子ふたりでまたもや分業して下着からシーツまで、朝から一式手洗いです
 夫?あんなやつ、どうせまた「防水シーツで寝ろ!」とか言うので、混ぜてあげません!

 ……ていうか、五百蔵の右目はぼったり腫れてまだまだ全然使い物にならず、頭も痛いし熱っぽいし、家事全般、夫が動かないとにっちもさっちも行かない状況です。
 だから夫にはとりあえず、休めるときに休んどいてもらわないと家中が機能不全になるかもしれず、ヤバイのです。

 

 そして、昨夜に引き続き、あいかわらず子どもは30分に1回くらいの割合でトイレに行きます。
 読書してても、ゲームしてても、ぜんぜん落ち着きません。
 熱でぼーっとしながら寝ているこっちも、ぜんぜん落ち着きません。

 ていうか、五百蔵自身も、眼科で処方された軟膏を1日5回も、まぶたの裏にまでぐりぐり塗らねばならず、また、腫れた目からはつねに涙と目ヤニが滲んでくるので、テッシュを当ててはせっせと交換せねばならず、気ぜわしいったらありゃしない。

 あとになって、毎日、親子で忙しく交換しまくってたねぇ……って、なんであんなに忙しかったんだろう……ってしみじみ思いましたね……

 で、そうやって、がんがんナプキンを替えるうちに、ナプキンが目に見えて減ってきた、ということが子どもにもわかったようです。「節約せんとヤバイ……」なんて、自分から言い出しました。
 もちろん、私も夫も、やむを得ないこととはいえ、毎月の出費が確実に上乗せされるので、冷や汗です。

 

・◇・◇・◇・

 

 夕方、子どもがショーツの汚れに気がついたので、替えるついでに早めに入浴させました。
 五百蔵はショーツを洗うなら洗濯機も回そうと、風呂場のあたりをウロウロしていたのですが、いつもはノーテンキな子どもが、
 「脱衣所から風呂場へ移る途中で血が垂れたらどうしよう……
 と真剣に悩んで、相談してきます。

 それこそ、どうしたコイツ?キャラじゃないぞ?、と心配になるくらい真剣に、です。
 だけど、生理に慣れた大人にとったらありがちなことなので、「戸の前でエイッて脱いで、ぱっと入ればいいじゃん」とかと軽く応じました。

 

 ところで、突然になりますが。
 男性のみなさん、こんなふうに記述が生々しくって申し訳ないです。
 だけど、これが生理の実態です。
 たいていの女性はなにごともなく涼しい顔をしていますが、程度の差こそあれ、毎月、こんな生々しいことで四苦八苦しています。

 自分ごととしては、その四苦八苦は「そんなもの」「しかたない」と思っていました。だけど、子どもの生理に付き合ってみて、初めて「なんて無駄な四苦八苦!」「なにかにつけて時間と労力がもったいない!」とつくづく感じました。
 この生理にともなう時間や手間、心配事やくよくよやメンタルの消耗……一生分を合算したら、どれだけ生産性が上がるだろう、世界中の女性の分をまとめ上げたら、とっくに世界の歴史が変わってるんじゃないか!?ぐらいに感じます。

 今回、その「無駄な四苦八苦」や「時間と労力がもったいない」に夫がだまって協力してくれたのが、ほんとうにありがたかったです。
 男性が黙って、女性の秘密の苦労に寄り添ってくれる。
 それだけで女性は奮い立つことができます。

 

 で、洗濯物をかき集めて脱衣所に戻ってきたら、ほんとに戸の前でエイッ!ってしたらしく、ショーツと「ブツ」が、一緒にボン!っと。
 だけど、そのブツを見て、五百蔵は血の気が失せそうになりました。

 だって、風呂に入る前に替えたばかりのナプキンが、経血をぱんぱんに吸って、全面が真っ赤になっていたんです!
 時間にしたら、せいぜい10分かそこらです。
 ええ、ほんまに10分かそこら。

 マジかこの量……
 ナプキン、白いところが残ってないぞ……

 なんじゃこりゃぁァァァ!? ありえへんッ!

 
 五百蔵も30年以上生理と付き合ってきましたが、ナプキンがここまでくまなく真っ赤になったのって、よほどのときで、ほとんど記憶にありません……

 瞬時に、これは大変なことになった、と悟りました。
 たかだか、脱衣所から風呂場へ移るだけで真剣に困っていた理由がこれでわかりました。
 昨日からずっと、30分に1回、トイレに行っていたのも合点がいきました。

 とにかく、出血量が尋常じゃなく多い。

 栓の壊れた水道、という表現が、まさにぴったりです。
 子どもは昨日からずっと、この大量の出血と、わけもわからないまま戦っていたのです。
 なのに「ナプキンを節約しろ」とかって説教して……もう、ほんとに自分が情けかったです……いまでも涙がじわります。

 だけど、落ち込んだってなーんも解決しません。
 子どもがお風呂から出たとき困らないように、ナプキンを替えといてあげなきゃ。
 ……と、ナプキンを手に取りました。
 手にズシリ、ときました。あきらかに、普段の自分の時と重量が違います。

 いままで経験したこともないような持ち重りです。

 そして、この重みが全部、子どもの経血です。
 コイツ、出血多量で弱って死ぬかもしれん、とホンキで思いました。
 だって、子どもは、背の順だと前から数えたほうが早いくらい、体がちっちゃいんです。

 そして、お風呂から出るときに困らないように、半泣きになりそうになりながら、きれいなナプキンをセットしてあげました。

 

 部屋にもどったら、そっこーで「生理 多い」でググりました。
 ググった結果、わかりました。

 経血が多い症状を、「過多経血」という。
 原因としては考えられるのは子宮の病気。だけど、10代のころは病気でなくとも経血が多くなることがみられる。
 また、ホルモンの影響で量が多くなることがあり、ピルを処方することもある。

 とりあえず、病気とは限らないらしいことに安堵します。
 今のところ、何日も続くなら警戒しないといけない、というおさえでよさそうです。

 メーカーのホームページや個人のブログなんか見てみると、過多経血だとナプキンがぜんぜんもたないとか、まさに子どもの様子と同じです。
 それでも漏れたりしないよう、みんな、涙ぐましい努力をしています。
 そのなかに、ショーツタイプのナプキンが優秀、との記事を見つけました。
 とりあえず記憶です。「最悪、アテントとかの紙パンツで登校するしかない」と五百蔵も夫も思ってましたので。

 しかし、ヘルペスで目が腫れて、つかえるのが片目だけなので、頑張って画面を読んでくれている左目がつらい……
 よりによって、こんな時にこんなに重い生理にならなくても……と、つくづく思います。

 支える家族も楽ではありません。
 ましてや、不調のときにバッティングしてしまっては、ほんとにどうにもなりません。

 

・◇・◇・◇・

 

 さて。
 経血の量が多い、というのは単に「量が多いのが困る」だけではなかったようです。
 子どもの生活に当てはめて想像してみたら、日常生活にたちまち支障がでるようなものであることが見えてきました。

 だってもう、五百蔵の頭のなかは、
 「明日、登校してる間、ナプキンがもつのか(自転車で30分以上)?」とか、
 「この状態で、50分、座って授業受けられるのか?」とか、
 「体育で動き回ると漏れるんじゃないか?」とか、
 それどころか「夜、何回替えにいけばいいんだ?」とか、
 多量の経血を漏らさずにふつうの生活をするために、どう手を打てばいいのかで、いっぱいいっぱいです。

 そして、量が多い=経血が漏れる危険が増える、です。
 だから、日々の洗い物に振り回されて本人も家族も消耗することが容易に予想されます。
 ていうか、いま実際そうです。ショーツとスボンとシーツの3点セット、すでにこの土日で何回手洗いしたことか!(答え、3回)
 さらに、この先何回洗えばいいのか……(絶望)
 そして、こんなことでちまちまと時間が削られていくのが、実にもったいないです。

 夫じゃないけど、「防水シーツ」のひとことが、かなりなリアリティーをもって、頭をよぎります。
 それに、布団に染み込んだ経血に、まだ手が付けれない( ;∀;)ことも、ずっと頭のかたすみに引っかかってます。
 なので、手間と時間が節約できるなら、打てる手は打つべきだと考えを切り替えました。

 

 そして、こんなに血が出て、体力は大丈夫か?……これがいちばん気になります。
 片道30分、往復1時間の自転車通学。
 女の子ではありますが、高校3年生まで6年間、なんの支障もなく通い切れるものと思い込んでいました。が、「生理」という落とし穴があったことに、愕然としました。

 しかも、いまを乗り切ればいいのではない。
 もしかしたら、毎月です。
 毎月、必要以上に心身の負担にならない方法で乗り切らないといけない。
 それから、貧血にならないかどうかも、気をつけといてやらないといけません。

 これがこの先、更年期までずっと続くのだ、というところがかなり絶望的です。中二病な言い方ですが、

 さあ、まさにいま、地獄の道が始まった……!

 ……って、マジで愕然としました。

 

・◇・◇・◇・

 

 子どもがお風呂から出てきて、夕食をとって、翌日の登校に向けて対策をとることにしました。

 

 まずはナプキン。
 50分間何事もなく座って授業を受けるためには、ふつうの日用のナプキンだけでは追いつかないのは明らかでした。夜用も持っていって、休み時間ごとに替えにいくことにして、6時間分、準備。
 だけど、夜用ってデカいので、目立たないように学校に持っていくのが不可能すぎます
 そのうえ、それをこっそりとトイレに持っていくにはどうしたらいいか、皆目見当がつきません。

 うちの子どもは他人の目を気にしないタイプなのでよかったですが、繊細な子どもさんだったら、ナプキンのせいで「学校に行きたくない」となることは、十分にありえます。

 

 翌日は体育もあります。
 だけど、とてもでない、運動をしたら、たちまち経血が漏れてしまいそうな予感がします。
 だから、とりあえず今週は見学することにしました。
 が、月曜日の体育は男性の先生が担当……!
 のんき者の子どもですが、さすがに男性の先生に「生理なので……」と説明するのは無理だといいます。しかも、担任も男性。なので、別の曜日を担当している女性の体育の先生、もしくは保健の先生に相談することにしました。

 とはいえ、大量に出血し始めて、これで2日。翌日は3日目。
 もしかしたら量が減るかもしれない……という一縷の望みがないわけではなかったので、当日の量を見て、子どもが学校で最終判断することに。

 生徒手帳に見学届を書きながら、「とにかく困ったことがあったら保健室」「男性の先生には言いにくいことは言わなくていい」「女性の先生に相談したら、あとは先生どうしでちゃんとしてくれるから大丈夫」とかとか……親心のあまり口を酸っぱくしてくどくど言ってました。

 

 だけど、最大の問題は登校方法です。
 今回は夫が車で送るにしても、来月からはどうするか?
 なかなか頭が痛いです。

 だけど、とにかくいったん保留。
 いまは、いまできること以上のことはできないのですから。

 

・◇・◇・◇・

 

 ホンネではなるだけナプキンは節約してほしい五百蔵ですが、子どもの経血が普通じゃないとわかった以上、QOLが優先です。

 この晩から、夜用と昼用を重ねて吸収力アップをはかり、じゃんじゃん替えながら使うことにしました。
 そうはいっても、どう重ねたら上手に使えるか、ということが、子どもには未知の領域。ていうか、五百蔵だって、この量の経血と対峙するのはまったく未知の領域です

 だから、親子でトイレで何度もあーだこーだしました。
 真剣でしたが、いまあらためて思うと、絵的に笑えます。
 でも夜用のおかげで、子どもがトイレに行く間隔が、少しだけ長くなりました。夜用、迷ったけど買っといて正解でした!

 そして、あーだこーだしたわりには、この晩も、布団がアウトになってしまったのでした……あーぁ……。

 

 

 

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自己紹介的なマガジン、《五百蔵のトリセツ》

いま、病気で家にいるので、長い記事がかけてます。 だけど、収入がありません。お金をもらえると、すこし元気になります。 健康になって仕事を始めたら、収入には困りませんが、ものを書く余裕がなくなるかと思うと、ふくざつな心境です。