![マガジンのカバー画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/137661928/f8fe3f473dc0d45cdc4df6c06488d0a2.jpeg?width=800)
- 運営しているクリエイター
#私らしく生きる
#4 計画性を持って“その日”を仕掛ける
12月、彼の彼女が来た。彼が突然電話してきて、「僕の彼女といっしょにディナーしない?」と言ってきた。「いいよ」と私は出かけ、その時始めて見た彼女に対して、「勝った」と密かに思った。彼女はおとなしそうで、プレインな中年女性、私はまだ若くはつらつとして、彼をいつも笑わせていると勝手に自己評価をして、うぬぼれていた。
彼は私に「クリスマスやお正月はどうするの?」と気を使ったような言い方をしていた。「
#6 まるで愛人ーその場だけの愛の伝達
彼が居ない3ヶ月間、私の貧乏生活は底知れぬものだった。大体OPT(大学を卒業した後に研修として働けるビザ)でコミッションで、1日$1の生活が何ヶ月も続いた。しかしやっと暗いトンネルを抜けたようにビジネスの方法を見出し、スポンサーも取れるようになり、仕事が乗り始めた頃だった。死ぬほど働いて、一日中アパートから一歩も外に出る時間もなく、UPS(配達)もいつもピックアップに来てもらっていた。意識がなくな
もっとみる#7 三角関係のなれの果て、暗い闇に入る
兼ねてから彼と約束をしていた事がある。「私は身を引くから、後釜になる男友達を紹介して欲しい」と。その約束どおり、彼の友達を紹介してもらうパーティーが、その友達の家で開かれることになった。彼のハンガリーの彼女も一緒に。
その時、私に送ってきた場所のディレクション(行き方)を見て少々恐ろしくなった。細かすぎる、長すぎる。その説明はきっと彼の性格そのものなのだろう。
そのパーティーで、私達はもう一つ
#8 突然の愛の告白
一向に解決の出口が見えない中、私達は久しぶりのデートの約束をした。
闇の中にいる彼を連れ出そうとサンタクルーズに出かける企画を立てた。私が好きな海と遊園地がある場所で思い切り海風に吹かれ、ジェットコースターに乗れば気分も変わりそうだと思った。
サンマテオの家(その時はバークレーからサンマテオに引っ越しをしていた)に私を迎えに来た彼は、まだ悩みの底で昨日もほぼ眠れなかったらしい。でも私はこの日のデー
#9 心がどんどん彼から離れていく
そしてその9月、彼はまたハンガリーへ行った。でもその3週間の間、私の心理状態が大きく変わってしまった。私のルームメイトのディスクロージャー(告白)で、私の彼に対する信用が大きく揺らいでしまった。
彼がそのルームメイトの首付近にカジュアルなキスをしたというのが原因だった。「彼女が居るのに私とも浮気をしている彼は外から見て、だらしのない大人に見えた。そういうことをする人だから、今度は私のルームメイト
#10 三角関係から脱却ーー正式な恋人になる
(#9から続く)
それから何週間か経ち、その間彼は、私の心を取り戻そうと大変な努力をした。いつも「おはよう」や「おやすみ」のテキストや「Love」サインを送ってきたり、オンラインで綺麗な花を家に届けたり、プレゼントをくれたりした。そんな彼の努力の甲斐もあって、私の“空虚”は少しづつ回復していった。ガスがなくなった車にどんどんエネルギーが注ぎ込まれた感じだった。その間、「元カノ」の話は一切しなかった