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事件は会議室で起きていない、マウスピースの中で起きている

おはようございます。音楽家、チューバ奏者、指揮者、金管バンドディレクターの河野一之です。

まずはお知らせ、お知らせに飽きている方はお手数ですが、下の目次より本題へお移りください。

目次

お知らせ

①河野一之のレッスン

対面での管楽器レッスン

¥6,000 / 1h

別途、場所により交通費とお部屋料金を頂戴致します。(概算で約¥2,000しない事が殆どです。)

受講者様でお部屋をお取り頂ければ交通費のみです。

指揮、バンド、アンサンブルレッスン

¥10,000~ / 1h

こちらも別途交通費や場所代が必要です。

受講方法

①お好きな方法で河野へご連絡いただく。

(数日経ってもお返事がない場合、恐れ入りますが、他の方法で再度お問い合わせをお願いします。)

②内容やスケジュールを決める。

③ご受講

という流れです。ぜひ、みなさま新年のこの機会に、趣味のさらなる楽しみ方一緒に探しませんか?

ご連絡お待ちしております。

②オンラインレッスン

河野企画では
・金管楽器のレッスン
・指揮レッスン
・スコアリーディング
・各種音楽に携わるご相談
etc
を¥2,980よりオンラインレッスンでもご受講いただけます。これ以外にもみなさまのご希望の内容がありましたらご相談ください。
詳細は以下より

③3/25(土) 午前、午後 何でやねん王国、大阪府

におります

チューバや他金管楽器、パートレッスン、金管バンドレッスン、指導法などのレッスンが可能です。 個人¥6,000 1h バンド¥10,000 1h その他ご用途に合わせて設定 ぜひご検討ください!

事件は会議室で起きていない、マウスピースの中で起きている

レッスン業務をさせて頂き始めてから10年以上が経ちました。時にはチューバだけではなく、他金管楽器のレッスンもさせていただいているのですが、そんな経験と自身の経験のもと気づいたことが一つあります。

それが今日の本題「事件は会議室で起きていない、マウスピースの中で起きている」です。

多くご相談をいただく「高い音、低い音、大きい音、小さい音、ロングトーン、タンギング、リップスラー & etc.」こういった悩みの半分以上は

唇がマウスピースの中で振動がなされていない

のが原因です。
そもそも金管楽器の音が鳴る原理を簡単に説明すると

①息を吸う
②息を吐く
③閉じた唇の上下2枚がマウスピースの中で振動する
④↑この振動がチューバの”中”の空気を振動させる
⑤↑この空気の振動にチューバという金属が共鳴する
⑥この金属の共鳴がチューバの”外”にある空気を振動させる
⑦↑この振動が僕たちの鼓膜を振るわせ、音として脳が認識する

となります。これは初心者であろうと、熟練の奏者であろうと皆変わりません。

さて、では「高い音が鳴りません」という相談を受けたとします。

高い音の鳴らし方

高い音が鳴らないという状況になった際、まず理解しなくてはならないのが、高い音が鳴る条件を満たしていない=唇がマウスピースの中で(その高い音に対して)適切に振動ができていないことです。

では高い音が鳴る条件とはなんでしょうか?ここでは例を取って、チューバにおけるDouble High Bb(以下DHBb)を例に出します。

DHBbを出すには

①唇が、②マウスピースの中で、③DHBbに必要な振動数になっている必要があります。

人によって伝え方や考え方が異なりますので、ここでは河野流の「そのために必要なこと」を書いていきたいと思います。

1、楽器を構える姿勢が、呼吸がしやすく、ふーっと吹いた時にマウスピースに抵抗なく息が通るようになっている。
2、唇がマウスピースの中で振動しやすいようなポジションになっている。
3、DHBbに必要な唇の振動数を生み出す、速い息が出ている。
4、適切なピストンが押せている。

解説をします。

1、楽器を構える姿勢が、呼吸がしやすく、ふーっと吹いた時にマウスピースに抵抗なく息が通るようになっている。

1は、2にも共通するのですが、呼吸がしやすく、息が通りやすい姿勢というのは息のコントロールが最も重要視されるチューバの演奏において2つある最も大事な要点の一つです。(もう一つは音楽性)

これができると速い、遅い、多い、少ない息、またそれらを維持したり、出し方を変えたりなどの息のコントロールがしやすくなります。逆に言えばこれらができないようにするには、姿勢を悪く=呼吸がしにくい、息が通りにくい状態にしてやれば良いのです。

2、唇がマウスピースの中で振動しやすいようなポジションになっている。

「高い音」というと途端に上を向くような顔の向きを取りマウスピースに唇を押し付ける、特に上唇をマウスピース上方に押し付けてしまい、どれだけ息を入れても(吐いても)振動するはずの唇がマウスピースの顔の骨の間で圧迫され振動ができなくなる。(人間は本能的に上や高い、上向するするものを見たり聞いたりすると上を向く習性があります。)

3、DHBbに必要な唇の振動数を生み出す、速い息が出ている。

高い音には速い息が必要です。その速い息には息の量やその息=空気を圧縮し吹き出させるための空気の通り道や呼吸のための筋肉が必要です。

小さい子供に何も言わずチューバを吹かせると、突然超高音域の音が鳴るのを聞いたことはありませんか?あれは子供の口腔内や唇の面積が大人に比べて小さく息=空気の通り道が狭いため必然的に空気がでる速さが速くなり、さらに小さい唇を絞めつけて演奏するので高い音が鳴っているのです。(響きのある豊かな音ではない場合が多いです。)

つまり、
・呼吸筋によって出す息の速さを速くする
・↑これプラス、息の通り道を細くする

これらの動作で息=空気のでる速さをあげる=高い音に必要な空気が作り出せます。

4、適切なピストンが押せている。

Bb管やEb管なら開放、CやFなら1番を根本までしっかり押しましょう。

できなくさせている事を引き算する

多くの場合、唇がMPの中で振動できない状態になっているから、ここでいう高い音であるDHBbが鳴らないという状況になります。

高い音が鳴らない場合の様々な条件を箇条書きにしていきます。

・速い息をだせないような姿勢をしている=呼吸がしにくい姿勢(不必要な力み、体勢、構え方etc)

・マウスピースの中で、唇が自由に振動できないような圧迫を与えている

・マウスピースの中で、唇が自由に振動できないぐらい唇とMPが離れすぎている

・出したい音の音程感=イメージが頭の中にない(ソルフェージュ)

・速い息を出すための筋力が足りない(呼吸筋)

・唇が振動できないぐらい締められすぎている

・マウスピースや楽器が壊れている

・適切なピストンが押せていない

これらです。これらをやめたり、できる条件にあった方法に置き換える事で条件が重なり出るようになります。

高音域のトレーニング

というわけで、原理を理解してもらったところで、実際に出せるようにするトレーニング方法です。これまた箇条書きにしますので、試してみてください。

①半音階の練習
半音階で1オクターブずつ(音を12個)上向し、戻ってくる練習を”一息”で何往復かします。一息が重要なのが、ブレスをとることで各音域用に無意識でアンブシュアや奏法を変えてしまい、音色を変えてしまうからです。

僕はこれで2octほど音域を拡張できました。

②低音域のロングトーン
とにかく呼吸筋を鍛えたい、ばてずに細く長く口輪筋のビルドアップ、息のコントロールをできるようにしたいので、ペダルと言われるような音域で何度も何度もロングトーンを繰り返し、呼吸筋を鍛え、息のコントロール力を上げます。

③プランク
楽器を置いて、プランク、サイドプランクを行います。

④呼吸筋のストレッチ

どれだけ息のコントロールをしようと思っても、その大元である呼吸筋、つまり筋肉が固まっていてはより良い稼働=コントロールが効きません。なのでストレッチやウォーミングアップを行います。

終わり

というわけで、まとめですが、とにかく

マウスピースの中で唇が振動さえしていれば音が鳴ります。

高い音、低い音、大きい音、小さい音、どんな音でも鳴ります。

まずはその状態を作り出し、そこからさらに自分の出したい音色や音程感を出す為に新しい事をしてみたり、必要のない事をやめてみたりしましょう。

おすすめです。

このブログはもちろん文章で書いていますので、おそらく誤解を生みまくっていると思います。なのでもし、わからないこと、実際にみたり聞いてみたいことがあったらぜひお問合せやコメントなどでお知らせください。

それでは良い管楽器ライフを

Thank you

Kazz

PS

明日2/26(日)茨城県水戸駅北口で11:00から指揮振っております!エンタメガッツリですのでぜひお越しください🫡


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