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柚月裕子著「ミカエルの鼓動」

今週末柚月裕子さんの長編を読みました。

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帯に「気鋭の著者が、医療の在り方、命の意味を問う感動巨編」とあり、467頁という長編ですが、週刊文春に掲載されていたのが功を奏したようで、場面の切替えがうまく、読んでいて疲れが出ませんでした。

多くの医療従事者の協力を得たことで、手術の場面が立体的に感じる描写はすごいです。

さらに医療の先端である医療用ロボットの不具合と病院、医療機メーカーの癒着という社会問題を取り上げたことも今の時代なら不思議はありません。

中盤になって、西條の人生と真木の人生を描き、対比しつつ人物の内面へと入っていった

早くに両親を失ったという点も同じ、辛さと悔しさを抱えながら、医師を目指し心臓外科医となった。p446

ここまでは期待通りの展開でした。

しかし、クライマックスとなるべき事象とまとめ方が私にはそれまでの流れから満足できませんでした。

この世で尊いものは、崇高な理念や高尚な信条などではない。生きようとする姿こそが気高いのだ。p466

この一文で物語を締めくくられてしまったのは当たり前すぎて残念でした。著者にはもっと違った形で終わらせて欲しかったです。

大学病院で、手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木が現れ、西條の目の前で「ミカエル」を用いない手術を、とてつもない速さで完遂する。あるとき、難病の少年の治療方針をめぐって、二人は対立。「ミカエル」を用いた最先端医療か、従来の術式による開胸手術か。そんな中、西條を慕っていた若手医師が、自らの命を絶った。大学病院の闇を暴こうとする記者は、「ミカエルは人を救う天使じゃない。偽物だ」と西條に迫る。天才心臓外科医の正義と葛藤を描く。(amazon内容紹介)

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