見出し画像

スモールワールズ

今朝は久しぶりに朝読書をしてこの作品を読み終えました。

画像1

独立した6つの短編が収められていました。

ネオンテトラ
魔王の帰還
ピクニック
花うた
愛を適量
式日

作者の一穂ミチさんの作品は初めてでしたが、とても読みやすかったです。きっと本を読む時間がないといわれるだろう若い方でもすっと物語に入れて、読み終わることができる分量と内容だと感じました。

親として、孫を持つ世代としては「ピクニック」が怖さを感じる作品でしたが、今一番の問題提起をしていると思ったのは「愛の適量」です。

我が子がLGBTだった時、親としてどう行動するのか、考えさせられる作品です。

「理由とか原因を他人に紐づけていると人生がどんどん不自由になる」p237

また大切な言葉を伝えられずにいた先輩と、実父を自殺で亡くした葬儀の日に会い、思いを伝える後輩の物語「式日」は、死が身近になった私の心を揺さぶりました。

誰の人生だって、激動だよなあ。たとえば死に別れること、生き別れること、激動だ。そして誰の人生においても必然だ。p265

ゾクッとする話、心が温かくなる話、作品ごとに雰囲気が異なり、重い題材を扱っているのにスッと読める話もありますが、作品全てに共通しているのは、必ず悲しみが全てという時期があるけれど、そんな中でも必ず喜怒哀楽を感じる瞬間があるという、温かい眼差しが向けられていることです。そういう点で読み応えがあると言えるかもしれません。
久々に1冊をしっかり読んで、充実した気分になりました。

夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。(Amazon内容紹介)

#シニア #いなか暮らし #つぶやき #毎日note #毎日更新 #一穂ミチ #講談社 #読書note #読書感想文 #本のある暮らし #本好きな人と繋がりたい #시골생활 #주부야키 #독서 #고맙습니다

この記事が参加している募集

読書感想文

いつも読んでいただき、ありがとうございます。これからも励みますね。