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「同一生」とは何か

昨夜は青山七恵さんの作品を読みました。以前著者の作品を読んだつもりだったのですが、私のブクログ本棚を検索、初読みであることが判明。記憶の曖昧さに苦笑いしています。

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逃げ出そうとしたときには、もう遅かった。新人賞を受賞したものの小説を一冊も刊行できていない律は、ファンを名乗る女性から亡くなった姉の伝記執筆の依頼を受ける。その姉は、生前の姿形が律と瓜二つだったという。取材を進めるうち明らかになる姉妹の確執、家族の秘密。律が開けたのは、パンドラの箱だった―。予測不能のラストに向かって疾走する傑作長編。(「BOOK」データベースより)

駆け出し作家の律は、ファンだという九鬼梗子から懇願されて、彼女の姉で律と瓜二つの亡き女性百合の伝記を書くことになります。 

梗子の夫青磁、彼らの娘で百合を敬愛している沙羅、彼らの話を聞きつつ、律自身が百合という存在を調べていきます。
そして辿り着いた真実によって、律は窮地に追い詰められていくのです。

作品の中でドストエフスキー「二重人格」などの様々な文学作品に言及し、草花の描写が全編を覆っていたり、サイコ・サスペンス風の工夫を随所に凝らしたり、なかなか文学的には秀逸です。しかし最後の結論があまりに早急で、私は理解するのに時間がかかりました。この辺りは多くの読者が「?」と挙げているようでした。

表題どおり幾重もの「みがわり」を提示し、「同一生」の問題を扱った作品です。と同時に自身の職業である作家という職業の意義を問いかけていました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今週も始まりました。今日という1日があなたにとってかけがえのない1日となりますように。

昨日のnoteは↓

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