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現代アート関連、本、映画などのレビュー

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音楽レビュー以外はだいたいこちら・・更新頻度は低いかもしれません。
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#展覧会

ランドマーク・侵略・アクセシビリティ(バスキア以降、バンクシー前後/ポスト・グラフィティのアーティストについて)

ランドマーク・侵略・アクセシビリティ(バスキア以降、バンクシー前後/ポスト・グラフィティのアーティストについて)

巷ではバスキアの展示がとても評判だと聞いておりますが、グラフィティ・アートというものは現代(といってもかなり前からその呼称ではありますが)では、「ポスト・グラフィティ」などと呼ばれ、今尚発展を見せているジャンルかと筆者は思います。

事実、キース・ヘリングやバスキアのアートはユニクロでTシャツになったり、東京都のバンクシー関連の話題など・・嘗てよりかなり「身近」なものになっているように感じます。

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幽霊としての人間、記号としての生(クリスチャン・ボルタンスキー『Lifetime』レビュー)

幽霊としての人間、記号としての生(クリスチャン・ボルタンスキー『Lifetime』レビュー)

本稿は筆者が2019年8月16日に鑑賞したボルタンスキーの展覧会『Lifetime』のレビューですが、4000字近くありあまり読みやすいものではないので、各チャプターの①〜③の文章を読めば大筋の筆者の考えがわかるようになっています。

また、彼のバックグラウンドについては、文中で触れていたりいなかったりするので、興味のある方はWikipediaなどで調べていただくと幸いです。

氏にとっての「死」

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非・クリムト回顧としてのクリムト(愛知県美術館『クリムト「黄金の騎士」をめぐる物語』レビュー)

非・クリムト回顧としてのクリムト(愛知県美術館『クリムト「黄金の騎士」をめぐる物語』レビュー)

例によって本稿は2013年に筆者が書いたレビューですが、これは実際に世に出しておらず個人的には好きな文章だったので多少の注釈、改行など加えたものの当時の原稿をそのままあげています。

非・クリムト回顧としてのクリムト今回はクリムトの『黄金の騎士』をめぐる展示ということで、内容も単なる図録的な意味合いを持つような作品の羅列というよりは、作品としては全体的にピンポイントでクローズアップされたテーマに合

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マイケル・デュモンティアー『Scribbling Over the Drawn Human Figure』レビュー

マイケル・デュモンティアー『Scribbling Over the Drawn Human Figure』レビュー

本稿はマイケル・デュモンティアーの『Scribbling Over the Drawn Human Figure』という2009年に制作されたインスタレーションについての批評であるが、
2012年時点の情報をもとに書かれているため、情報が現代の視点から書かれているわけではないという点についてあらかじめ留意いただきたい。

また、マイケル・デュモンティアー(Michael Dumontier)につい

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