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おすすめ断髪小説(自分の以外)

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#刈り上げ

断髪小説 ダブルス① 〜母の暴走〜

土曜日から高校最後の大会が始まる。
私とミユは卓球でダブルスを組んで全国大会の出場を目指している。
中学時代からペアを組んでいる私たち。
最高学年になって順当にいけば県大会は勝ち抜けるはずだ。
全国大会に出られれば東京の大学の特別推薦をもらえることになっている。
特段頭がいいわけでも経済的に恵まれているわけでもない私たちが都会の大学に行くためにはまたとないチャンスだ。

しかし2人とも何故かこのと

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夏仕様

夏仕様

「見てくれよ~。うちの姫たち、ほんっと可愛いだろう~」

「ほんとだー。かわいいなー」
聆は、柊羽が見せてきたスマホの画面を見ることなく、棒読みで答えた。
飲み会で繰り広げられる、子ども自慢に、聆は飽き飽きしていた。
独身の聆には、子どもの可愛さもよくわからないし、ましてやよその子どものことなど、どうでもよかった。

「お前、ちゃんと見てないだろう!見てみろよ!ほんと、可愛いんだからさぁ」
今夜の

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女教師のいたずら

舞台は公立高校
理科の授業を終えた安藤百合子は理科室の片付けを行っていた。

コツコツ…ヒールが床を弾く音が聞こえる。

百合子は教師には似つかわしくない格好をしていた。

身長は165cmと高身長で、赤いヒールを履き、黒タイツにミニスカート、その上から白衣を羽織っており、赤縁のメガネをかけていた。

髪は漆黒の前下がりボブ、角度のついたボブで、襟足は思い切り刈り上げられていた。前髪は顎のラインま

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断髪小説 夏休み パターン① (20世紀の情景)

学校の夏休みも折り返しですね。
30年くらい前
夏休みの朝といえば朝のラジオ体操とプールでした。
そして「暑いんだから髪を短くしなさい」「プールで邪魔だから髪を切りなさい」って言われた思い出があります。
今日はそんなお話。

🎵〜 
大きなラジカセのスピーカーから賑やかな音楽が消えた
「はい。みんなよく頑張りました。では一年生から一列に並んでくださーい」
町内会の会長が、集まっている子どもたちに

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【断髪小説】解釈違い

新作の季節限定ラテを飲みながら、道ゆく人を眺める。
人通りがやや少ない気がするが、はじめてくるこの街ではこれが日常なのだろうか。
鎖骨らへんの髪をさわり、くるくると指に巻きつける。

「えっと、サリさん…?」

テラス席でボーッとしている私に、スマホを片手に持った人懐っこい顔をした青年がおそるおそる話かけてきた。

「あ、はい。私です。ゆーさんですよね?」
「よかった。間違ってたらどうしようかと思

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【断髪小説】お似合い

弁護士になりたかった。

きっかけはありきたりだった。
小学生の時に見たドラマに出てくる、長い髪を靡かせた女性弁護士は、私の心を捕らえて離さなかった。
自分もドラマの中の弁護士と同じように、長い髪を靡かせて法廷で颯爽と振る舞いたいと思った。

それから、ずっと弁護士になると言い続けてきた。
憧れは簡単な道ではなかった。
一浪して地元の国立大学の法学部に入り、ロースクールの未修クラスをなんとか4年で

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【断髪小説】放課後の教室で

トランペットのロングトーンの音、野球部のジョギングの掛け声。
オレンジ色の教室に、それらの音が遠くに聞こえる。

みんなの視線は私の後頭部に集まっている。

カースト下位の、目立たない女子の一人である私が、クラスのイケメンの彼と付き合い始めたのは雨宿りがきっかけだった。

雨に濡れた私の髪を、彼が綺麗だと褒めてくれたのだった。髪の手入れが唯一の趣味だった私は、何気ない彼の褒め言葉が嬉しくて、一気に

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『過ちの行方』

【母 真由美】
 私の家族は理容師の夫、20歳と16歳の娘との4人暮らし。専業主婦として頑張ってきたが、単調な生活に飽きていた。妻として、母としての役割をこなすことばかりで、女としての自分が失われつつあった。
 
 そんな時、惹かれる相手が現れた。始めはたまに食事をする程度だったが、気づいたら月に1回のペースで体を求め合う関係になっていた。こんな刺激を私は求めていた。もちろん夫にバレないよう、細心

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『親の意向』

 私、香田結月は、小学生から始めたミニバスにのめり込んでいた。スピーディーな展開が面白いし、サッカーやソフトボールと違ってよく点が入る。母もバスケ部で高校時代に全国大会へ行ったことがあったので、私がバスケをすることに賛成していた。

 中学では迷わずバスケ部に入った。あまり厳しい規則はなく、のびのびとプレイすることが出来た。
 
 両親とも私のバスケには全力で応援してくれた。しかしただ一点、意見が

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断髪小説『猛暑のバリカン』

断髪小説『猛暑のバリカン』

あらすじ小説情報本文 
「ただいま」

 夫の亮介が帰ってきた。妻の紗英は今日はいつもより遅かったなと思い、出迎えるために玄関に向かう。

 「おかえり」といつも通り声をかけた。ふと亮介を見ると、髪がスポーツ刈りまで短くなっていることに驚いた。「ずいぶん短いね」と聞くと、「暑いし、なんかスッキリしたくてな。さっばりしたよ」と頭に手をやりながら答える。

 雰囲気がずいぶん変わった夫にドキドキしなが

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断髪小説「姉妹」

私とお姉ちゃんは似ていない。

お姉ちゃんは美人でスタイルが良くなんでもできる。しかも性格も良い。街に行けば芸能界にスカウトされることなんてザラだったし、芸能人に間違えられたこともある。しかも勉強もスポーツもでき、誰もが聞いたことのある大学を卒業し、一流企業に就職した。

それに反して私はブスでチビでデブ。しかもド近眼。成績はいつも中の下、彼氏いない歴=年齢。高校卒業後2浪したが滑り止めにすら受か

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『敗者髪切りマッチ』

 美人女子プロレスラーのSAYURIは、とある団体のエース格として活躍していた。何度もシングルやタッグのチャンピオンになり、グッズの売り上げも上々だった。人気、実力ともに申し分なかった。

 SAYURIの人気の一つは、長いポニーテールを振り乱して闘う姿にある。激しい試合になると、ポニーテールがほどけることもあるが、これがまた男性ファンのハートを掴む。それを十分に分かっているSAYURIは、髪を短

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断髪小説「デリヘル嬢アリサの選択」

アリサ。デリヘル嬢。29歳、ガケっぷち。

あたしの働いてる店にはルールがある。

店が決めた指名目標を3か月連続で下回ったら、辞めるか下に行くか選ばなくちゃいけない。

下に行くっていうのは、同じビルの地下にあるらしい系列店に移るってこと。

らしい、っていうのは、私も地下に足を踏み入れたことないからあまりよく分からないんだ。上とは出入り口も違うしね。

ただ「下の店」(したのみせ:お店のコたち

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