カットモデルの代償【通常版】
7月。高木沙也加は、新生活に胸を躍らせていた。長い黒髪を風になびかせながら、大学のキャンパスを歩く姿は、誰の目にも美しく映る。
沙也加は今まで実家で生活してきたが、この春から一人暮らしを始めた。
沙也加の部屋は、小さなワンルームマンション。部屋の窓から見える景色は、緑が多く、気持ちの良い風が入ってくる。
部屋にある鏡の前で、毎朝黒髪を丁寧にブラッシングするのが日課だ。その背中を覆いつくす程の長く艶やかな黒髪は、沙也加の自慢だった。
「よし!今日も1日頑張ろう!」沙也加