化粧道具

見える世界と崩れる世界

まわりと別世界を生きているのではないか、と思うときがたまにある。

例えば、典型的なことが恋愛だろうか。いま特定の人がいないわたしは、友だちの恋愛話が別世界の人の話のように聞こえる。

まさに今、カフェで後ろの女子大生らしき2人組が、年上の既婚者と遊んだ話をしているけれど、別世界だ。「指輪してなくて」「このときこう言われてさー」不思議な世界の話が聞こえている。

他にも、百貨店の化粧品カウンターに行ったとき。デパコス(デパートコスメ)を買い慣れている子たちはやっぱりキラキラで、どこか輝いている。そして、もちろん店員さんはめちゃくちゃかわいい。かわいくて、細い。同じ性別で、同じ人間なのだろうか。

服屋のスタッフさんも、美容師さんも、みんなかわいいのだ。キラキラしている。

去年、10kgのダイエットと髪型、化粧、服装のすべてを変えて、いままでの自分とさよならしたけれど、それでもまだ足りない気がする。きっと、このままズルズルと進めば、美容の泥沼(いい意味で)にハマりそうな気もしている。どれだけ追求しても、完成しない。突き詰めても、虚しい。平均に、届かない。

まるで、岡崎京子さんの漫画『ヘルタースケルター』だなあと思う。主人公は全身整形のモデルで、整形によって人並み以上の美しさを手に入れるけれど、作られたきれいさは持続せずに、主人公はどんどん自信を失っていく。ライバルモデルの登場で仮の美人は大きくガタガタと崩れるけれど、その姿はなんだかとても共感できた。

少し痩せただけでも、まわりの扱いは変わる。ダイエットは特に顕著で、どうせ関わるなら、優しくされる方がいい。

最近、タレント(?)のマドカ・ジャスミンさんが10kg以上のダイエットを成功されたけれど、同じようなことをおっしゃっていた。まわりの態度がいちばん変わる。けど、今の方がいいと。(彼女の努力は本当にすごいし、本当におきれいなので、ぜひ見てほしい。)

かわいくてきれいな方が、やっぱり得をして、見える世界は広がる。もちろん、凄まじい努力のうえにそのかわいさやきれいさは、成り立っているのだけれど。

余談だけれど、整形はしていない。でもだからこそ、整形しなくても変われるということを、証明できたような気もする。満足は、していないけれど。

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