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【シンガポール】女性が働き続けられるのはなぜ?

皆様こんばんは。
ちょうど今日、珍しく職場のチームでDinnerに行ったのですが、帰りがけに車で送ってもらった女性と話をして、色々感じることがあったため、忘れないうちに書いておきます。

母と同い年の部門ヘッド

その女性(Sさんとします)は、隣の部署の部門長。58歳の女性です。役員チームとして、CEOにレポートされている方です。
送ってもらっているときにふと「Sさんはいつまで働くの?」という話になり、Sさんはこう答えてくれました。
「いつまでかなぁ~ 夫は10年前にリタイアしてるし子供3人も独り立ちしているからいつ辞めてもいいんだけど。でも、本当に本当に疲れるまでは、続けてもいいかなと思ってる。それが私のモットーだよ」
「うちの会社は仕事のスピードが速いし、ストレスフルだし、夜中にUSとも会議があるし、さすがにちょっと疲れてきちゃったけど、でも、まだ大丈夫かな」
私は、それを聞いてますます彼女に対する尊敬の気持ちが高まりました。
Sさんは、私だけでなく皆から見て大変だと思います。毎日様々な国とひっきりなしに会議をしているし、うちの会社のCEOが本当に厳しいのですが、うまく部下をかばいながらCEOにも的確に進言するし。しかもプロジェクトマネジメントチーム、ガバナンスチーム、品質管理チームの長なので、知見が多岐にわたります。

私は自分のチームの品質管理チャンピオンのため、今週初めてCEOや役員の品質レビュー会議に出席しました。いつものようにCEOが厳しい意見をぶつけてきており私はすみっこで内心ブルブル震えていたのですが、その時も、彼女はファシリテートしている自分の部下をうまく助けていました。
58歳というと、ほとんど私の母と変わらない歳なのですが、切り返しの速さや着眼点等が鋭くて、その会議で彼女のことを改めて尊敬したばかりのことでした。

何より、今日の「辛くなるまでは続けようかな」という言葉で、少し救われた気がしました。なぜなら、これくらいのお年まで仕事を続けられる女性は、経営者とか、よほどの信念を持っているごくごく一部の方しか残れないのではないかと思っていたからです。Sさんのように、嫌になったらいつでもやめる、というある意味自分に高いハードルを課すことなく、仕事が続けられる環境も、マインドセットも、素敵だなと思ったのです。

少し横道にそれますが、最近まで、私は彼女に苦手意識がありました。日本チームの愚痴を話すときはあえて私がわからないように中国語で他の社員と話しているし、私が進めているプロジェクトについて、あからさまに他の社員に「こんなの実現できるわけないわよね!」ってこぼしていたのを聞いてしまったり。
それ以外にもいくつかあったため、仲の良い同僚に相談したこともあったのですが、それはきっと私のボスがSさんと仲が悪いから、私をいじめて間接的にボスに対するうさを晴らしているのではと言われました。
そんな話も聞いてしまい、私はますます彼女と接するときにギクシャクが隠せなくなっていたのですが、最近少しずつSさんへの苦手意識が消えてきたように思います。あまり先入観を持たず、フレッシュな気持ちで敬意を持つようにします。。

当社の男女比は・・・

Sさんもそうですが、今の会社は私が勤めていた日本の会社と比べて、女性マネージャーの比率が高いです。CEOは男性ですが、役員はむしろ女性のほうが多いです。その下のダイレクタークラスは男女比半々くらいです。業界もロジスティクスなので、女性にアドバンテージがある業界というわけではありません。
体感ですが、女性社員の約半数がワーキングマザーな気がします。
ちょうどよい機会なので、シンガポールの社会人が子供を得ても働き続けられると感じた物事を振り返ります。

職場の日常で見かけるもしくは知り得た、ワーキングママパパの光景

  1. 気軽に日中メイドさんを雇い、子供の送り迎えや洗濯掃除、ご飯の支度をしてもらう

  2. メイドさんを雇っていない家庭は、代わりに両親が近くに住んでいて手伝ってくれている

  3. 女性の産休育休は4か月ほど。その間は100%の金額が政府と会社から支給される(最初の2か月は国から、そのあとの2か月は会社から)。4か月後には戻ってくるため、その間は新たに人員は雇わず今いるメンバーに仕事を振り分けてなんとかこなすそう。

  4. 男性の産休は1か月ほど。

  5. そもそも炊事の習慣がなく、4人家族であっても夜ごはんは買ってきたご飯を皆で食べることが多い

  6. よく同僚(男性のことが多い)が、子供の小学校の送り迎えで仕事を早く帰る/遅く来る、もしくは中抜けしているのを見る

  7. 緊急の仕事が入り子供を送り迎えしてあげられなくなったときはタクシー配車アプリを使ってリモートで送り迎えする

  8. 仕事が途中でもとりあえず18時には帰宅する。そのあとご飯を家族と食べ、少しゆっくりしたあと21時くらいから会議やら残った仕事を片付ける

プロコンありますよね

いかがでしたでしょうか。少なくとも日本に居た頃の私の会社では見なかった光景でしたが、私が知らないだけで日本にもそういった会社も多いのかもしれません。
また、このシンガポールの働き方が100%良いとも思っていません。例えば#8は、仕事をきちんと終わらせてかえってオンオフをはっきりさせたい人には良くない習慣なのかもしれません。また、私の会社では女性の生理休暇や、メンタルヘルス系の休職が認められていないので、そういった部分は日本のほうが理解があるのかなとも思います。

いつか余裕があったら、他の国の事情も調べてみたいところです…。
長文お読みくださり、ありがとうございました!


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