見出し画像

リモート学習がなくなった後の不登校は、異常ではなく正常だと私は思う

子供が不登校。テレビ番組に出演する親や会社の同僚が話す。何がいけなかったのか?学校に行かないなんて子供の人格に問題があるのではないか?悪いところ探しが始まる。「おかしい、普通じゃない。」と大人が言う。
ただ私から見ると「学校に行きたくなくなることは、むしろ正常じゃないかなぁ。」と思う場合もある。勿論それは全てではないが。
…………………
会社に行くと話題はもっぱら「在宅勤務日数」について。部署によっては週3日以上の出社義務があり、私の部署も3日以上の出社義務となった。在宅勤務を廃止した部署もある。7人が在籍する在宅勤務を廃止した部署は、20代の2人ともがすぐに退職届を提出した。
多くの人は「なぜ?」ではなく、「そうなるよね。」と言った。
パワハラ気質で卑しい上司と毎日、顔を合わせたい若者がいるだろうか。在宅勤務に慣れた売り手市場の希望に満ちた若手の脱出は、想定内の当然な出来事。
…………………
我が社の在宅勤務廃止部署の従業員で、転職しない選択をした人は、転職が出来ないか、ぶら下がっていたいか。つまり縁故採用者ばかり残った。
「私なら在宅勤務がなくなったら辞めると思う。」多くの従業員が言っている。

今更出社は出来ない。賃金が発生せず通学によってなんの得もない子供にとっては尚更だろう。「学校に行きたくないから行かない」が正常な感覚とも思う。
…………………
同僚の子供の同級生が不登校になったらしい。35人クラスで5人が不登校とのこと。彼女は「不登校なんて、親も親だよね」と言った。在宅勤務を謳歌する彼女が何てことを言うのか、子供相手にマウントを取りたいのかと思った。
「いやいや、うちの会社も在宅なくし始めてたくさん辞めたよ、同じじゃない?」
マウントしたい欲を強くする発言は、彼女の自信に繋がりそれが不登校児童に向かいかねない、危険と判断した。
…………………
あくまで私個人の意見だが、学校に行くことで時間の制限が生じ、やりたいことができなくなるくらいなら行かなくても良いと思う。なぜなら学校に代わる場所で自己実現が出来るなら、人間関係はそこで学べば良いと思うから。

私には恩師はいないが、尊敬する教師がいた。彼は塾の数学の先生。彼を尊敬するのは世の中の真実を伝えてくれたから。
「お前らな、学校で教師の悪口言っているだろう。教師はその百倍生徒の悪口を言っている。間違えなく百倍言っている。職員室は生徒の悪口でもちきり。俺が学校の先生だったときそうだった。」
私は取り繕った事実に興味はない。真実を忠実に話す彼に敬服した。
もっとも全ての教師がそうとは思わない。素晴らしい教師もいらっしゃるとも思う。だが、彼の言葉もまた真実だと思った。

だからいじめも生まれるのだろう。本当にやりたいことがあるなら、心の中に光るものがあるなら、そんな学校で人と闘う時間が勿体ないと思う。
他方で何もないのなら、嫌でも行くべき場合があるとも思う。日本にいる限りハラスメント気質の組織とは一生の付き合いになる可能性があるのだから、若いうちに自分を知って必要な対応力を手にするのが生きていくために必要とも思うから。
………………………
これは私個人の意見で誰かを縛るものではない。
ただ言いたいのは、在宅ワークに縋る身として、「学校に行きたくない」「行かない」は異常とは思えない。何より、行けなくなった子供にマウントを取るのは、悲しい。
私には出社や通学が苦行と感じる人の気持ちがわかる。そして社内の大多数の意見は、在宅勤務を支持し、出社義務発生で退職した人もいっぱいいる。退職を選んだ彼らの人格が異常とは思えない。

だから、もし誰かが「学校行かないなんておかしい」と言っても、「異常なんて思わなくていいんだよ、むしろ私は普通の感情だと思っている。」そう伝えたい。勿論、背景事情にもよることではあるが。
行きたくないことが正常と思っている人間もいることを知ってもらえたら有り難い。

………………………………………………………………………………………


この記事が参加している募集

最近の学び

リモートワークの日常

とても嬉しいので、嬉しいことに使わせて下さい(^^)