【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】「落花生」で活き活き元気に!
千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。
今まで、食材に関する記事の中でご紹介してきたように、千葉県は全国でも有数の農産物の産地です。
キャベツの生産量は全国3位。
にんじん、さつまいも、すいか、そら豆は全国第2位。
そして全国1位を誇るのがだいこん、落花生です。
そう、千葉と言えば、やはり落花生が有名な土地ですね。
当院の近くの八百屋さんにも今年の新豆が並んでいます。
落花生なんてお酒のつまみでしょ、という声も聞こえてきそうですが、
いえいえ、千葉県ではご飯のお供に欠かせない存在なのです!
今回は、この落花生について、東洋医学的な効能を含め、そのヒミツや落花生パワーのすごさをご紹介していきます。
『4.千葉と落花生』では、千葉県に伝わる落花生を使った伝統料理もご紹介します。
では、どうぞ最後までお楽しみください!
1.「落花生」の由来
落花生は南アメリカ原産、マメ科の植物です。
『落花生』という名前は、花が地中に落ちてそこで実をつけるという落花生の成長の様子が由来となっています。
栽培の歴史は古く、古代アンデス文明の遺跡からも落花生が多数出土しているそうです。
アンデス文明とは、紀元前13000年から、16世紀にスペイン人がインカ帝国を征服するまでの約1万5000年にわたって数々の文化が栄えた時代の文明のことを指しますから、はるか昔から落花生が存在していたことになります。
日本では、沖縄県でかなり古くから栽培されていて、『ジーマミ(地豆)』という呼ばれ方をして、有名なジーマミ豆腐の原料として使用されています。
本州には18世紀頃に中国から伝わりましたが、本格的な栽培が始まったのは明治初期以降で、アメリカから新種が取り入れられて各地で栽培されるようになり広まりました。
中国伝来の豆ということで『南京豆』とも呼ばれます。
実は、みなさんがよく目にする『ピーナッツ』も落花生と同じものですが、殻付きが『落花生』、殻を剥いた状態になっているのが『ピーナッツ』と呼び分けられています。
『ピーナッツ』は落花生の英語名でもあります。
???落花生って、マメ科の植物なのにナッツなの???
そうなんです。
英語の『ピーナッツ(peanuts)』は、『pea(豆)』と『nuts(木の実)』を組み合わせた言葉で、「木の実のような豆」という意味です。
言われてみれば確かに、固い殻に入った豆にも見えますね!
2.栄養学としての効果
落花生には、美容や健康によい成分が多く含まれていて、その健康効果が指摘されています。
落花生の約50%は脂質ですが、そのうちの約20%が飽和脂肪酸、のこり約80%は不飽和脂肪酸で、リノール酸やオレイン酸が含まれています。
また、ビタミンB1、ビタミンEや食物繊維などが豊富に含まれています。
コレステロールの抑制、肥満の防止、生活習慣病の予防に役立ちます。
●リノール酸:
植物油に多く含まれている 不飽和脂肪酸の一種で、体内で合成できないために食事として摂取する必要がある必須脂肪酸です。動脈硬化や高血圧、成人病を予防すると言われる一方で、過剰摂取による健康への影響が懸念されています。
いずれにせよ油脂分の摂りすぎはエネルギー過剰になりやすいため、適量とることが大切です。
●オレイン酸:
不飽和脂肪酸の中では安定した脂肪酸で、酸化しにくい性質を持っています。オリーブ油に多く含まれることでよく知られています。比較的吸収されにくく、生活習慣病予防に加え、腸の働きを活性化し便秘を解消するという効果があるとされています。
●ビタミンE:
ビタミンEは、強い抗酸化作用によって細胞の老化を抑えるはたらきがあり、アンチエイジングや美肌効果で注目されています。
また、血管や赤血球の健康維持にも役立ちます。
ビタミンEが、不足すると血行不良になったり、肌を紫外線から守りにくくなったりします。
落花生は脂質や食物繊維が多く含まれているために、消化に時間がかかるという特徴があります。そのため、食べすぎると消化不良を起こして腹痛や下痢になる可能性があります。
身体によいからといって、食べ過ぎには注意が必要ですね。
3.東洋医学的な効能
落花生は『長生果』とも言われ、 ゴマや松の実と並んで滋養強壮や老化防止に欠かせない食品として薬膳料理にも使用されています。
東洋医学的には以下のような属性と効能をもちます。
【性質と味】 甘、平(甘、熱、無毒)
【関連する臓腑経絡】 肺・脾経
①潤肺化痰(じゅんぱいけたん)
肺を潤す効果があり、特に、とまらない咳や痰、痰を伴う喘息を鎮める効果があります。
ちょうど今の時期は、空気が乾燥するため肺も乾燥しやすくなり、空咳などの症状が出やすくなりますので、落花生を食生活に取り入れることで症状の改善に役立ちます。
②健脾益胃(けんぴえきい)
脾胃の機能を整えて消化吸収を促進します。
脾胃が弱りからくる、食欲不振や消化不良、浮腫の解消にも役立ちます。
③瀉下(しゃか)
消化吸収能力を改善することで、便秘を改善させる効果が期待できます。
ただし、ピーナッツを食べ過ぎると消化不良を引き起こしかねないことから、もともと胃腸が弱い体質の人や消化力の弱い高齢の方などは控えめにしましょう。
ピーナッツの赤い薄皮は「花生衣」と呼ばれ、出血を止めたり、血行を良くしてうっ血を解消する効果があります。
薄皮は好き嫌いがありますが、こうした効果があることを知ると、捨ててしまうのはもったいない気もしますね。
こうした東洋医学的な食材の効果は、薬のように即効性を期待できるものではありませんが、身体の不調を改善するための助けとして、食生活の中に取り入れていくことをおすすめしています。
筆者の鍼灸院『鍼灸 あやかざり』においても、鍼や灸で治療した後に、食養生として、その方におすすめの食材、できるだけさけたほうがよい食材についてお話をすることがあります。
鍼灸院へ通っている方で、こうした食養生に興味をもった方は、ぜひ担当してくれている鍼灸師の先生に質問をしてみてくださいね。
4.千葉と「落花生」
ディズニーリゾート、成田山、房総半島など、千葉県の観光のお供に欠かせないのが落花生です。
千葉県の落花生生産量は全国の約83%を占めていて、特に生産が盛んなのは八街市や千葉市です。
その落花生にも種類があって、千葉県では5つの品種が生産されています。
最も甘さのあるのが最高級ブランドの『千葉半立(ちばはんだち)』。
千葉産落花生を試してみるならこの品種がおすすめです。
他県では珍しい茹で落花生を味わうなら『おおまさり』。
大粒で甘みが強く、柔らかな食感が魅力です。
落花生のお菓子もいろいろ作られています。
●『ぴーなっつ最中』:
落花生の形をした最中の皮に、ピーナッツ餡を詰めた和菓子。餡の中には柔らかいピーナッツの甘煮が入っています。
●『チーバくん ピーナッツクッキー』:
千葉県産のピーナッツペーストを練り込んだクッキーです。千葉県のキャラクター チーバくん のイラストが付いたパッケージに入ってます。
●『ピーナッツサブレー』:
千葉名産品の落花生をふんだんに使った焼き菓子です。サクサクとした歯触りとともにピーナッツの香ばしさが広がります。
もちろん定番のピーナッツペーストも加糖、無加糖、粒入り、粒なしといろいろ出ています。
また、お食事として楽しめる食品のおすすめが『落花生味噌』。
千葉県の郷土料理のひとつです。
落花生を炒って砂糖や味噌と混ぜ合わせたもので、保存食として生まれたと言われています。
千葉県では学校給食に出るメニューとして知られています。
お土産品として販売されていますので、ぜひ千葉の味をお試しください。
5.まとめ
ここまで全国1位として千葉県産落花生をご紹介してきましたが、国内で流通している落花生の約9割は外国産で、主に中国から輸入されています。
国産の落花生は値段が若干高くなりますが、おいしさは格別です!
今回はここまでとなります。
いかがでしたでしょうか?
『「落花生」で活き活き元気に!』はお楽しみいただけましたでしょうか?
このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸のほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。
食養生、毎日の食事こそがわたしたちの身体をつくるもととなっています。最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!
鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132
画像の出典:https://www.photo-ac.com/
参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』、『オールガイド食品成分表』ほか
参考資料:農林水産省ホームページ『うちの郷土料理』、千葉県ホームページ
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