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⑦五性とは:寒・涼・平・温・熱の性質と食材例:はじめてのおうち薬膳

1 五性:食材の持つ性質を5つの段階に分けたもの

食べ物には体を温めるとか体を冷やすといった性質があります。
その性質を五行に従って段階的に分けたものが「五性(ごせい)」です。
五性には「寒・涼・平・温・熱」の5つがあります。

単純に言えば体が冷えている人には熱性・温性の食べ物、体が熱っぽい人には涼性・寒性の食べ物が適していると考えられます。

旬の食材は、その季節にふさわしい性質を持っているものが多いのが特徴です。
例えば、暑い夏なら、トマトやナスなど体の熱を取って冷やすもの、寒い冬なら、かぶやねぎなど体を温めるものも多いのです。旬のものを摂るとよいというのも、薬膳の視点から見ても理にかなっているといえます。

2 五性①熱性:温める力が強い

「熱性」は温める作用が最も強い食材です。
身体を温め、発汗、興奮作用があります。
気血のめぐりを良くし、体の中の冷えや寒さを取り除く効果がある一方、喉の渇きやイライラの原因にもなってしまうので摂り過ぎには注意しましょう。
冷え症、貧血、冷えからくる痛みなどを緩和してくれます。

寒性や涼性の食材と組み合わせて、バランスをとると良いです。

食材例:シナモン、こしょう、とうがらし、羊肉など

3 五性②温性:体を温める

「温性」は身体を温め、冷えを取り除く作用がありますが、「熱性」より作用が穏やかです。
疲れを癒したり、冷えによる食欲不振の改善にも適しています。
気血のめぐりも良くしてくれます。

温める作用のあるものは普段から体が冷えている「陽虚」「気虚」「血虚」体質や、体内の巡りが悪い「於血」「湿痰」体質の方に適しているといわれています。

食材例:しそ、松の実、玉ねぎ、ねぎ、かぼちゃ、桃、鶏肉など

4 五性③平性:温めも冷やしもしない

冷やさず、温めず、バランスの良い穏やかな性質を持つ「平性」
季節や体質に影響しないので、日常的に使いやすい食材です。
熱性・寒性の強い性質を緩和する働きもあるので、他の性質の食材を組み合わせやすいとも言えます。

食材例:米、キャベツ、にんじん、じゃがいも、ぶどう、牛肉など

5 五性④涼性:体を冷やす

「涼性」は身体を冷やす作用を持ちますが、「寒性」より作用が穏やかです。
微熱、のぼせ、ほてりなどの改善や熱中症対策など熱い時期の体温調整にも役立ちます。

食材例:りんご、みかん、なし、豆腐、きゅうりなど

6 五性⑤寒性:冷やす力が強い

「寒性」は「涼性」よりもっと強い、身体を冷やす作用を持っています。
発熱、喉の渇き、顔が赤い、喉の痛み、便秘の改善に効果があります。
気分の高ぶりも鎮めてくれます。夏の体温調整にも良いです。

冷やす作用があるものは、身体に余分な熱がこもりやすい「陰虚」「湿熱」体質やイライラしやすい「気滞」体質のクールダウンに向いています。

寒性の食材は冷やす作用が強すぎるので、摂り過ぎには注意しましょう。
温性や熱性の食材と組み合わせると、冷やす作用を弱めることができます。

食材例:スイカ、バナナ、トマト、ゴーヤ、たけのこ、かに、昆布など

7 五性の利用

身近な食材は全て五性に分類できます。
ただ薬膳は即効性があるものではないので、続けることで体内のバランスが取れていくもの。
日々の食事に少しずつ取り入れていくことでゆくゆくは症状改善に役立ちます。
だからこそ薬膳の知識があるのとないのでは日々の食事の蓄積で差が出てくるといえるでしょう。

【簡単はじめての薬膳講座シリーズ:基礎編】
薬膳とは何ですか?基本のキ 
中医学で見る自分の体調:気・血・津液で色々分かる 
気・血・津液が乱れるとどんな症状が? 
陰陽五行説:太極図と木火土金水 
五臓とは:肝・心・脾・肺・腎の5つの働きを押さえよう
五味とは:酸・苦・甘・辛・鹹の働きと食材例
五性とは:寒・涼・平・温・熱の性質と食材例 ←この記事です
帰経・五行色体表:この表を見れば関係がわかる

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