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アヴァロンシティ図書館(+視聴覚室)

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不肖「信頼出来ない語り手」明智紫苑のおバカ書評! ついでにボヤキ! 読む読まないはあなた次第です。 当シリーズは、書評だけでなく、音楽や映画・演劇・舞台芸術などについての感想も載…
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#アーサー王伝説

我が悪夢の女王たち ―中村うさぎ『狂人失格』―

我が悪夢の女王たち ―中村うさぎ『狂人失格』―

 私にとって一番の「悪夢の女王」は多分、私自身なのだろう。

 私は競走馬擬人化作品群『ウマ娘』にハマったのをきっかけにして、競馬に興味を持つようになった。その『ウマ娘』以前の「下地」として、80年代後半(代表者、オグリキャップ)から90年代前半(代表者、ナリタブライアン)までの第二次競馬ブーム並びに旧コーエー出版部の雑誌『光栄ゲームパラダイス』に掲載されていた『ウイニングポスト』シリーズの記事が

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アヴァロンか、バビロンか? ―岡本広毅・小宮真樹子【編】『いかにしてアーサー王は日本で受容されサブカルチャー界に君臨したか』―

アヴァロンか、バビロンか? ―岡本広毅・小宮真樹子【編】『いかにしてアーサー王は日本で受容されサブカルチャー界に君臨したか』―

 数年前、私は旧ツイッターで「私は前世紀からのアーサー王伝説好きですが、今世紀に入ってからのアーサー王伝説の日本での人気の上昇は色々と疑う必要があると思います。君主制廃止論者とアーサー王伝説ファンを兼ねている私は間違いなく、腐女子とフェミニストを兼ねている女性以上に矛盾していますね。」と投稿した。それに対する当時相互フォローだったお方の返答は次の通りだった。
《思ったんですけど、君主制廃止論者兼ア

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『アヴァロンの霧』に対してさらにイチャモンつけるぜ

『アヴァロンの霧』に対してさらにイチャモンつけるぜ

 私はマリオン・ジマー・ブラッドリー氏の『アヴァロンの霧』を再読したが、この小説のグウェンフウィファル(グィネヴィア)がモーゲンと敵対する理屈(自らの狭量さをキリスト教の信仰で正当化している)はきちんと描かれているんだな。海音寺潮五郎の『孫子』の龐涓(孫臏に対する好意が嫉妬心に変わりつつある過程の描写)もそうだ。それに対して、宮城谷さんの『楽毅』の燕の恵王の人物造形は前述の二人と比べると手抜きでし

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「女教皇」の名誉回復、そして「女文士」の失墜 ―マリオン・ジマー・ブラッドリー『アヴァロンの霧』―

「女教皇」の名誉回復、そして「女文士」の失墜 ―マリオン・ジマー・ブラッドリー『アヴァロンの霧』―

 マリオン・ジマー・ブラッドリーの小説『アヴァロンの霧』(ハヤカワ文庫)は、アーサー王伝説をフェミニズムや多神教優位論の観点から語り直した内容の作品である。その点においては、バーナード・コーンウェルの『小説アーサー王物語』シリーズ(原書房)の先駆けである。主人公モーゲンはいわゆる「モーガン・ル・フェイ」であり、アーサー王の異父姉だが、彼女は古い部族の巫女の血筋を引く娘である。
 トマス・マロリーの

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アーサー王伝説の吉川三国志 ―テレンス・ハンベリー・ホワイト『永遠の王』―

アーサー王伝説の吉川三国志 ―テレンス・ハンベリー・ホワイト『永遠の王』―

 世の中には、トマス・マロリー『アーサー王の死』の二次創作が色々とある。その中でも決定版と言えるだろう小説がT.H.ホワイトの『永遠の王』(創元推理文庫)である。
 この小説はアーサーの少年時代から描かれるが、師匠のマーリンが「時間をさかのぼって生きている」という設定なので、未来の人物や出来事を知っている。しかし、アーサーはそれについては気にも止めない。将来の妻と将来の忠臣兼親友が「そういう関係」

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血まみれの王者 ―バーナード・コーンウェル『小説アーサー王物語』シリーズ―

血まみれの王者 ―バーナード・コーンウェル『小説アーサー王物語』シリーズ―

 いわゆる「三国志」を題材にしたフィクションは、大きく分けて「正史寄り」と「演義寄り」の二通りある。吉川英治や横山光輝の『三国志』は「演義寄り」の代表格であり、陳舜臣『秘本三国志』や王欣太『蒼天航路』は「正史寄り」の代表格だ。この場合、演義の女性キャラクターの代表格である貂蝉の存在は、この分類の基準にはならない。正史寄りの三国志フィクションにも貂蝉が出てくるものがあるからだ。それに、正史『三国志』

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『三国志演義』のアンチテーゼとはどんなんだべ?

『三国志演義』のアンチテーゼとはどんなんだべ?

 誰かが「『三国志演義』のアンチテーゼ的な作品が出ないのはなぜだろうか?」と疑問を抱いていた。確かに『三国志演義』は三国志フィクションにおける頂点だ。アーサー王伝説におけるマロリー『アーサー王の死』やファウスト伝説におけるゲーテ『ファウスト』に相当する「基本中の基本」である。その『演義』のアンチテーゼ的な作品を作るのは難しい。
 バーナード・コーンウェルのアーサー王三部作は、マロリー版のアンチテー

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