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『機能性』へと回帰するアパレル

 日経電子版の記事【カジメイク、防水×カジュアルに進出 レインコートで成長】は、アパレル業界の今後の動向について改めて考えさせてくれます。



 記事でリポートされるカジメイクやワークマンの躍進に見られるように、私達消費者が衣料品に求める体験価値は、『ファッション性(流行)』や『デザイン性』から『機能性』へと変化してきているように思えます。もちろん、衣料品は、私達の体という外面にまとうものですから、衣料品の体験価値の要素から『デザイン性』がなくなることはありえませんが、ここへ来て『機能性』がその重要度を増してきたのにはどのような背景があるのでしょうか?

 記事などから探ってみると――

▶アパレルにおける『機能性』への回帰

(1)『異常気象』・・・温暖化などの気候変動がもたらす異常気象が、
          直接かつ頻繁に私達の生活を脅かす
ようになって
          きており、私達の体を守る、という衣料品の本質的
          な存在価値
が問い直されている。

(2)『コト消費』・・・消費の質がモノからコトへと変化する中で、衣料品
          の体験価値そのものである『機能性』にスポット
          ライト
が当たるようになってきた。

(3)『アパレルの大量廃棄問題』・・・『持続可能性』がコト消費の体験
          価値に占める比重が増し
、『アパレルの大量廃棄
          問題』の解決が急務となる中で、ブレ・ムダの大きい
          『ファッション性』よりも『機能性』が求められる
          ようになってきた。

(4)『売上(需要)の波』・・・ロスが少なく、安定して商品が回転する
          『機能性』+『デザイン性』なカジュアル衣料で経営
          を安定させたい。

(5)『BtoC』・・・より消費者に近い立ち位置で、自社のテクノロジーを
        創造的に活用し、販路拡大⇨業績拡大
へと繋げたい
        非カジュアル系企業の取り組み。

(6)『崩れる用途の壁』・・・(3)・(4)・(5)などの潮流により、
        作業服・カジュアル・スポーツといった用途の壁が
        崩れてきている。



 アパレルにおける『機能性』回帰の動きは、時代の趨勢・要請であり、もはや不可逆な変化であるのかも知れません。



#COMEMO #NIKKEI

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