店舗の『敷居』~知らないうちに『敷居』を作っていませんか?~
様々なモノ・サービスを扱う様々な店舗を見渡したとき、高級すぎる、ラグジュアリーすぎる、華やかすぎる、あまりにも高価……といった『敷居』はあるかも知れませんが、店自体が幅広く多くのお客に来てもらいたいと思っているのに、期せずして『敷居』を作って、自ら来店を阻んでしまっている、とすれば残念な事です。日経電子版の記事【SK-II、店員からの圧力なくす AIやロボット活用で 原宿に未来型店舗】は、そんな『敷居』の代表例=『店員のプレッシャー』をAIやロボットで取り除く試みに関するリポートです。
確かに、リアル店舗における店員の存在は、ネットにはない顧客に寄り添うアドバイザーとしてのベネフィットがある反面、プレッシャーにもなり得ることは否めません。それは、実際に高圧的で「売らんかな」の押し売り根性剥き出しの店員さんがいる、とかそういう意味ではなくて、どんなにソフトな店員さんであっても、そもそも店員さんがいること自体がお客にとってのプレッシャー、ストレスになってしまう、という状況です。
▶店員というストレス
①『声掛け』・・・望んでない時に声を掛けられたくない。
②『流れ』・・・会話の流れで、ついつい不要なものを買ってしまうのでは
ないか。家に帰ってから後悔するのではないか。それ位なら
自分一人でゆっくり考えたい。
③『行かない』・・・店員さんの存在が気になるから、最初から行かない。
④『恥ずかしい』・・・店員さんとは言え、生身の人間(他人)に悩みを相談
するのは気恥ずかしい。
⑤『ラフに行けない』・・・例えば化粧品を買いに行く時など、「キレイに
していかなくては」というプレッシャー。
など
このようなストレスがある一方で、特に高額な商品、初めての商品、今までにない商品などは、ネットでいきなり買うのではなく、リアルな店舗で実際に現物を見て、触って、試してから購入したいというお客の要望があるのも事実です。この相反する要望、店舗での店員の接客は(こちらから求めない限り)望まない、でも、店舗には行きたい、という2つの要望をかなえるには、AIでのレコメンド、ロボットでの接客は、とても適切な解、きわめて有効な策であると思われます。
AIの存在と、店が決して無人ではなくしっかりとしたアドバイザーがいることで、お客は、必要な時だけ店員を呼び出せる、自分のペースで買物が出来るという体験価値を実現できるのです。
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