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インフラツーリズム~知ってるようで知らないものの『驚異』~

 日経電子版の記事【ダム放水や「軍艦島」上陸 インフラ観光】は、インフラツーリズムのポテンシャルを論じた好リポートだと思います。



 もちろんその知名度に温度差はあるかも知れませんが、記事に登場するダムや「第二海堡(かいほう)」、「首都圏外郭放水路」などに共通して言えることは、『知識として知ってはいるが(名前くらいは聞いたことがあるが)実際のところは何も知らない』という現代に特有の現象だと考えられます。……インフラとは違いますが、例えば、「何故パソコンの画面上のボタンをクリックすると、ボタンとして機能するのか?」、「クーラーの室内機と室外機の関係、その正確なメカニズムを説明せよ」と言われてスラスラその科学的・技術的詳細を述べられる人はそうはいないでしょう。

 私達現代人は、巨大なインフラから携帯用の家電に至るまで、身の回りの文明の利器を、単に存在として知っているだけで、そのメカニズムを知らないという点では、産業革命以前の人々と何ら変わりはないのです。もし原始人類がタイムマシンに乗って現代に迷い込めばその文明に驚愕するでしょうが、そのメカニズムが分からないという点では、現代人は全く同列だと言えます。文明とは、多くの専門家によって支えられているのであって、ちょっとした好奇心が刺激されれば、今まで当たり前に見えたものが『驚異』へと変貌するポテンシャルを持っている、と言えそうです。



 その意味で、インフラツーリズムには大きな可能性を感じます。身の回りにある『驚異』を紹介する窓口としては、博物館・科学館・美術館・歴史民俗館・植物園・動物園・水族館など枚挙に暇がありませんが、大きくて動かせない、また、場合によっては危険で立ち入りが制限されるような施設、インフラの『驚異』が私達に解放されるコトは、まさに現在進行形の課題である、と言えそうです。

▶インフラツーリズムのポテンシャル

(1)歴史遺構・産業遺構などのロマンス

(2)地域活性化の切り札。

(3)ライトアップなど、インフラの姿を浮き彫りにする比較的低予算の
  施策で人気化


(4)ARを活用した展示。

(5)歴史・自然などと並ぶ、日本のもう一つの魅力としてインバウンドに
  訴求



#COMEMO #NIKKEI

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