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本と服と深夜ラジオと文学が好きです

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  • コルクラボ ガーデン [CORK Lab GARDEN]

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    「コルクラボのメンバーが書いたコルクラボに関するnote」を集めたゆるーいマガジンです #コルクラボ

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これまでに書いた文章

蓼食う本の虫「太宰治と私」 ぶんしょう社かがみよかがみ 天狼院書

    • 故人との関係性・自由と逃亡

      異人たち。タワーマンションで孤独な生活を送っている脚本家のアダム。家族の物語を書いている。アダムが12歳の時に両親は亡くなったので家族の記憶は遠く薄れていた。ある日、思い立って自分が生まれ育った郊外の家に行ってみると死んだはずの両親が生活していた。アダムと両親は久しぶりの家族の時間を楽しむ。 アダムの性自認はゲイであり、同じマンションに住むハリーと恋人のような関係になる。両親との関係、ハリーとの関係がどう変わっていくのか。 みんながやっているようにあらすじを書いてみたが、意

      • 削片

        関西にいる時、自分が関西弁を喋れないことがコンプレックスだった。どうにも表現したいニュアンスがあの関西弁のイントネーションでしか言えないことがままある、と東京にいる今でも思う。 使う言葉の温度が同じくらいの人と出会いたい。 久々に体調を崩して家に閉じこもっていた。 いつものように映画を観る。一歩も外に出ないと気持ちまでうちにこもってしまって、ぼんやりとした将来への不安とか昔あった嫌だったことで部屋が埋め尽くされてしまう。天気が悪いのも良くない。 映画をたくさん観たい。観

        • 最近観た映画

          フィルマークスってあれに似てるな、あの図書館の貸出カード。観た映画をクリップしたら、またコイツいるじゃん、みたいな。フィルマークスは令和の図書カード。 中村屋酒店の兄弟は色使いが好きだった。全体的に彩度低めで、いかにも田舎にありそうな実家感。 やっぱり外で煙草を吸うシーンは画になる。 家族も大人になるとお互い気を遣ったり、優しくしたり、昔よりずっと他人みたいになるんだよな。 パストライブス。人は人生にドラマを求めているし、よくよく目を凝らせばドラマは至るところに転がってい

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        記事

          夜とウォークマン

          はじめてウォークマンを買ったのはたしか中2の時だった。いま思い返しても、あの時期がいちばん人生が辛かった。 甘い予感がしたものだ。もしかしたら私はこの小さな鉄の板によって救われるかもしれない。 夜布団の中でイヤホンを耳に刺して音楽を聴いた。 そこにはひとりの世界があった。 そうか、私はこれから先どんなことがあってもいつだってこの場所に帰ってくることができるのだと思った。この場所だけはなくならない。 たぶんあれが、初めて「夜」を手に入れた瞬間だったように思う。

          夜とウォークマン

          新しい仕事・ソラリウム

          最近、副業として新たなことを始めた。まったく土地勘のない領域の仕事である。 そして師匠は何も教えてはくれない。大量の資料を与えられ、読んで、みて勝手に学べというスタンス。 社会人歴もある程度重ねるとどんな仕事でもなんとなく進め方とか、依頼主は何を期待しているのかというのがわかってくるものだ。 しかしこんなに初めての仕事だとその解像度があまりにも低い。 たぶんまだこの領域の「言語」を知らないからだ。 会社とかで新しい仕事をする時はやる前に必ず言葉で成果物のイメージをすり合わせる

          新しい仕事・ソラリウム

          関係性を都度修復しながら維持する営み

          出来事や人間同士のやり取りといったあらゆる事象は言葉で説明するにはあまりに多面的で多くのものがこぼれ落ちてしまう。言葉を尽くすほどに実態とはかけ離れたものになってしまう。 私とあなたという最小単位ですら、その関係性や二人の間で交わされた会話についてあとから思い返してみてもつ印象は私とあなたそれぞれで異なる。 夫婦を夫婦たらしめる、家族を家族たらしめるものとは一体何なのだろうか。落下の解剖学に出てきた家族に関しては、家族のかたちが見えなかった。既にひとり欠けていたこともあり

          関係性を都度修復しながら維持する営み

          映画好きからの映画の誘いに騙されるな

          「映画館に映画を観に行く」というのは「レストランでディナーを食べる」とか「遊園地に行く」といったいわゆる定番のデートプランのように思われるが、映画好きにとっての「映画館に映画を観に行く」行為がどういった意味合いかというと「会社近くの定食屋にランチを食べに行く」に近い。日常的にあまりに自然にやっているのでなんの特別感もないのだ。 気になる異性から映画に誘われた時、そいつが映画好きかどうか、つまり無意識に週3くらい映画館に通っている奴なのかは確認する必要がある。 映画好きからの誘

          映画好きからの映画の誘いに騙されるな

          人間関係

          カウボーイビバップ、好きなんだけど24話が特に美しくて好きだ。 フェイはずっと喪失感を抱えていて、それははるかむかし故郷をなくして、なくしたという記憶すら失っていたからであった。 思い出したときには故郷はなかった。 誰しも同じような気持ちになったことがあるんじゃないかと思う。 同じ船で旅をする仲間達はフェイたちの不在を認識するが、特段悲しみはせず不在の彼女たちのために残しておいた食事を食べる。 お互いを尊重し合う人間関係だけが素晴らしいのではないと思う。 存在を認識する。必要

          人間関係

          人間の同一性

          人間は変化し続けるものだと思う。考えも反応も性的指向も姿形だって一秒ごとに変わる可能性をはらんでいる。 ではその人をその人たらしめるものとは一体何なんだろう。約束、一緒に過ごした時間の記憶、こちらを見る眼差し、面差し、触れたときの感じ。 そういったかすかでゆらぎやすいものが混ざり合って私たちはその人をその人であると認識している。それはとても不確かである。 アナは父の声をよく覚えていると言っていた。瞳を閉じて「私はアナよ」と言ったのは父の眼差しではなく、声によって再会したかった

          人間の同一性

          意思の問題

          「(恋愛的に)誰のことも好きになれない」という意見を聞くたびに、それは意思の問題なんじゃないのかと思う。 単に一緒にいれば、相手が石油王だったら、三船敏郎だったら、好きになれるかというとそうじゃないと思う。この人を好きになろう、と思うことからすべては始まる。どんなところが好きなのかの認識をつねに更新する。相手のことを思う。優しさを渡す。そうやって蓄積していくものだけが「相手を好き」という状態、のようなものなんじゃないか。 私には自分の奥底から湧き上がってくる衝動、みたいなもの

          意思の問題

          雑文

          ・自転車に乗っていたら、普通の民家の前にカゴに山盛りになったじゃがいもやオレンジと共に¥100と書かれた札が置かれていた。 幻か?と思った後にいやこれはインディーズの八百屋だということに気づき、気づいた時にはもう通り過ぎていた。帰りも見かけたら何か買おうと思っていたのに帰り道にはもうなかったのでやっぱり幻だったのかも。 ・「板チョコアイス」を2/3くらい食べた時にどうにも気持ち悪くなった。1/2の時点であったなら半分だけあとで食べるために残しておくとという選択肢も残っていた

          関係性

          すべての人間と可能な限り長くいられる関係性を築きたい。恋愛、友人、趣味友達。恋愛関係だからうまくいかなかった、ならば友人としての関係を試してみよう、みたいな。そのくらいの流動性を許容したい。別にある特定の関係に固執しているわけではないし。

          別れ

          いまだに心がざわざわしている。別れたんだよな、私。もう別れたんだ。彼氏じゃなくなった。よき友人の1人になった。これから関係性に波紋が生じることがあるかもしれないし、ただただ疎遠になってゆくかもしれない。 愛なのか恋なのか情なのかわからない。でも大事だと思っている。それは変わらない。 「恋人としては解散しよう」言ったとき、ふっと楽になった。ずっとあった緊張の糸みたいなものがゆるんだ気がした。 関係性がその人と一緒にいることを阻害していることがあるような気がする。反対にこの人と

          世界はもうデフォルトで悲しい

          枯れ葉を観ながら自分の一人暮らしの部屋のことを思い出していた。 私の部屋は3階建ての一軒家の一階で家族が多い住宅地にある。誰も居ない夜の帰路の雰囲気はどことなく主人公の家の周辺にも似ている。 私の部屋は小さくて、色彩豊かではないけど暖かい。優しい感じがする。 パーフェクトデイズもそうだったけど、ひとりで生きていった未来について想像を誘うような作品をはからずもよく観ている。 穏やかな孤独の上に根を張った生活。それを少しずつ受け入れる準備をしている気がしてならない。 枯れ葉は風に

          世界はもうデフォルトで悲しい

          創作物

          私は私の思考や私についてを、なにかの創作物を借りてしか語っていない。そんなのは情けないと思ったのが、自分もなにかをつくりたいと思った原点かもしれない。 夜と霧の「きみは人生に問われている」という言葉を思い出す。またもや誰かの言葉を借りている。 仕事の心配事や甘い幸せは一時的に人生を覆ってくれる。ほんとうは自分がどうしたいのかわからない。生きることは悲しくてこわい。渦中にいる時はそんなことを思い出さなくてすむ。 もしくは小説や映画は入れ物という意味合いもあるんだろうか。自分の感