瞳をとじて

・Morc阿佐ヶ谷に初めて行ったが映画のパンフレットがたくさんあって温かい、ずっといたくなるような映画館だった。
2度目の「瞳をとじて」を観た。ひとりの人間をその人間たらしめるものは一体なんなのだろう、と思う。記憶は大事である。あなたと私、一緒に過ごした記憶が一致していること、噛み合い、融合することで初めてあなたは私が知っているあなたになる。その記憶が失われてしまったらあなたはあなたでなくなるのだろうか。父が亡くなる少し前、抗がん剤の影響で記憶が混濁して、家族のことがわからなくなってしまった。それでも変わらず大事な人ではあった。
それは短い期間のことであったから、あれが長期間続いていたらどうなっていたのか、まるで父が知らない人間であるかのように思っていたのか?はわからない。結局人間を愛するというのは自分の中にあるその人間の虚像を愛することとなにが違うんだろうか。
・ラカンの本を読んでいる。本を読む時、理解しなくちゃこの本から何かを得なくちゃとか思ってて、まあ今もそうなんだけど、このラカンの本文章が面白いというか、ハッとさせられる鮮烈な表現がところどころに散りばめられている。それを楽しみに断片的に読む読書もいいんじゃないかと思っている。

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