記事一覧
#47 ディズニーランド編(3)
30分後、東京ディズニーランドに到着した。
夕方にも関わらず、チケット売り場は多くの人が並んでいた。
「この時間でも、こんなに人が居るんですね」
「18時から入園できる安いチケットで並んでいるんだと思うよ」
夢幻はズボンの後ろにあるポケットから財布を取り出し、ディズニーランドのチケットを取り出し、知多と剛に1枚ずつ、渡した。
「準備良いですね。最初から俺も来るって、分かってたんですか?」
「まあな
#44 ホストの価値
翌朝、彩世はベッドの中で目覚め、諭の寝顔が見えた。自分が先に寝てしまったのか、諭が先に寝たのか、全く思い出せなかった。彩世は、諭に体を寄せて、抱きしめる。肌から諭の肌の感触を感じて胸が高鳴った。彩世が抱きしめたからか、諭が目を覚ました。
「…おはよう」と諭が言いながら、彩世の体を抱きしめた。
「……おはよ…」
彩世は、自分の発した声が掠れていることに驚いた。
「ははっ…さすがに声を上げ過ぎたか」と
#43 Sweet night(後編)
彩世は、シャワールームのシャワー音を聞きつつ、ぼんやりと新宿の風景を眺めていた。風景を眺めていると、不思議と色々な感情や考えが自然と浮かんでくる。売上を上げるために枕営業をしたこともあったが、セックスをすることが目的だったため、近場のラブホテルで済ましており、こういうところに来たことがなかった。
自分が女性に対して提供していたものが吉野家の牛丼のようにすぐに提供して満足させているものだとしたら、諭
#42 Sweet night(前編)
彩世は、お店に来ていた最後の指名客を入り口で見送った後、スタッフルームに向かった。スタッフルームの真ん中にあるソファに諭が寝転んでいる。着替えたようで、いつも通り、白のTシャツにジーンズ姿だった
定期的に胸が上下に動き、寝ていることが分かった。彩世は、音を立てないように自分のロッカーを開けて、ネクタイを外し、丸めて置いた。そして、財布を取り出し、パンツの後ろポケットに入れた。その後、ソファに向か
#37 朝からの来訪者
翌朝、剛は諭の部屋のベッドで目が覚めた。ベッド脇に置いてあった携帯に手を伸ばす。着信、メッセージは入ってなかった。起き上がって、制服に着替えて、リビングに行くと、既に知多がキッチンに立っていた。
「おはよう。早いな」
「おはよう。スクランブルエッグでいい?」と知多が聞いた。
「あ、俺のことは気にしなくていいからな」
「私もご飯食べるから、ついでだよ」
「そっか。ありがとう。なんか、手伝おうか?」