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#47 ディズニーランド編(3)

30分後、東京ディズニーランドに到着した。
夕方にも関わらず、チケット売り場は多くの人が並んでいた。
「この時間でも、こんなに人が居るんですね」
「18時から入園できる安いチケットで並んでいるんだと思うよ」
夢幻はズボンの後ろにあるポケットから財布を取り出し、ディズニーランドのチケットを取り出し、知多と剛に1枚ずつ、渡した。
「準備良いですね。最初から俺も来るって、分かってたんですか?」
「まあな。ほら、早く行こう」
夢幻は、入り口を抜けて左側のコインロッカーに向かって歩き、2人も夢幻の後に続いた。夢幻は、コインロッカーの空きを確認し、一番上の扉を開いた。
「カバンを渡してくれる?チケットはカバンに入れないでな」
知多と剛は、肩にかけていたカバンを夢幻に渡した。夢幻は、2人のカバンをロッカーに押し込み、扉を閉めて鍵をかけて剛に渡した。
「じゃあ、行こうか」
夢幻に続いて、知多と剛も入り口に向かった。
パークに入ると、西洋風の建物が道の両端にたくさん並んでおり、その建物を保護するかのようにガラスのアーケードが天井にあるのが見えた。夢幻は、左手にある建物の中に入っていく。建物の中は、ディズニーのキャラクターグッズがたくさん並んでいる。夢幻は、カチューシャや帽子等がある売り場の方に進んでいく。ミニーマウスのカチューシャを手に取り、知多に渡した。
「…これをつけるんですか?」
「君に似合うと思ったんだけど、どうかな?」
「俺は、これにする」と言って、剛はドナルドダックの帽子を取って被った。
「いいんじゃないか」と夢幻が言った。
「全然、気持ちが入ってない」
「そりゃあ、お前が何を身につけても、俺は興味ないからな」
知多は、ミニーマウスのカチューシャを身につけた。
「うん。可愛いよ」と夢幻が笑顔で言った。
「…ありがとうございます」
「夢幻さんは、何にするんですか?」
夢幻は、売り場全体を眺めて、眼鏡があるところに向かい、ミッキー形をしたサングラスを取り、身につけた。
「俺は、これにする」
「似合ってますよ」と剛が言った。
「お前に褒められても嬉しくないな。まあいいや、これにしよう」と言い、夢幻は、次にチケットホルダーの売り場に向かった。主要なキャラクターのチケットホルダーが並んでおり、知多はミニーマウスのチケットホルダー、剛はプーさんのチケットホルダー、夢幻はミッキーマウスのチケットホルダーを選んだ。
3人は、レジに向かい、お会計は夢幻が全て払った。2人は、夢幻にお礼を言った。
お店を出てから、3人は、買ったものを身につけた。
「剛、ビッグサンダーマウンテンは乗るのか?」と夢幻が言った。
「乗りたいです」
「じゃあ、ファストパスを取りに行くぞ」と夢幻が言い、シンデレラ城の方に向かって歩き出した。
「ファストパスって何ですか?」
「並ばなくても指定された時間に行けば、優先的に乗れるチケットのことだよ」
「ビッグサンダーマウンテンは、人気だから1時間とか1時間半待ちなんだよ」と剛が言った。
「…そんなに待って乗るんですね」
「昔は、よく並んでたけどね。乗り物に乗っている時間より待ち時間の方が長いから辛抱強くなるよ」
「最近、導入されたんでしたっけ?」
「確か、去年だったと思うよ」
「大きいお城がありますね」と知多が言った。
「ここは、後も来るから」と言い、夢幻はお城がある庭園を右に抜けていくと、先程とは違う街並みに入る。オレンジ色の岩山が遠くの方に見える。
「知多、あれだよ。ビッグサンダーマウンテン」と剛が指を指しながら言った。
「さっきと全然、違う場所に来たみたい」
「ここは、19世紀のアメリカを舞台にしてるんだよ」
3人は、ビッグサンダーマウンテンの入り口の右にある小屋の人が並んでいるところの最後尾に並んだ。
「チケットを出して」と夢幻が二人に言った。
知多と剛は、チケットホルダーからチケットを取り出した。夢幻は2人からチケットを受け取った。剛が列を外れてチケットの発券場所に行くと、チケットを差し込むと、下から別のチケットが出てくるのが見えた。どうやら、チケット1枚に対してファストパスが1枚発行されるしくみらしい。剛は夢幻と知多のところに戻った。
「チケットを入れると、別のチケットが出るみたいですね」
「そのチケットに書かれた時間帯であれば、並ばずに乗れるようになってるんだ」
「へぇ~便利ですね」
ちょうど、前に居た人のチケット発券が終わり、夢幻たちの番になった。夢幻は、チケットの差込口にチケットを入れて、ファストパスを発券して、2人にチケットとファストパスを渡した。剛がファストパスを見ると18:30~19:30と書かれていた。
「その時間だったら、並ばずに乗れるよ。なくさないようにね」と夢幻が言った。
2人は、チケットとファストパスをチケットホルダーに入れた。


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