いわさき ともひこ

バックパッカーから広告代理店でコピーライター、出版社で編集者、コンテンツスタジオでクリ…

いわさき ともひこ

バックパッカーから広告代理店でコピーライター、出版社で編集者、コンテンツスタジオでクリエイティブディレクターを経て、独立。自然の摂理をこよなく愛し、生活思想としての仏教が根っこ。週末は海か山にいます。筑波大学創造学群表現学類非常勤講師、武蔵野美術大学造形構想研究科修了。

マガジン

  • 大人のデザインの学び | Xデザイン学校

    • 43本

    デザインを学ぶことは特別なことではなく、誰でもが社会に役立つ創造的な活動をすることです。誰でもデザインという活動に参画することができるし、デザインという活動を通して自分自身を見つめて、企業や社会にも貢献することができる。そのようなデザインを学ぶヒントになる記事を発信します。

  • Xデザイン学校

    • 21本

    Xデザイン学校の運営メンバーの記事を発信します。

  • すさびのなかの人のつぶやき

    • 6本

    すさみの美術大学のメンバーが執筆した、すさみに関する記事です。

最近の記事

その男たち、漁師とサーファーと大工につき。

町長車は、カブ。 すさみを初めて訪れた夜、僕たちは町の歓待を受けました。太平洋を見渡せる町の高台に用意されたBBQの宴席には、紀南の力強い自然が育んだ山の幸&海の幸に紀州の地酒が一升瓶で並びます。それだけで目がパチクリ、心ウキウキなわけですが、杯を交わしていくうちにおもてなしいただいた町のご歴々の人柄が深く心に刺さっていくのです。迎えてくださったのは町長はじめ執行部の皆さんで、行政の人々。自治体の仕事も今までいろいろしてきて、建前のような挨拶をどれだけ聞いたかわかりませんが

    • ガーデニング・エクスペリエンス。

      よそにいく理由のなくなった、よそ者。 僕にとってノイズなき奇跡の町、和歌山県すさみ町。昨夏の終わりに改修中の古民家へ滞在させていただいたところから、物語が始まります。歩いて1分で、緑が映える芝生が心地いい白砂の美しいビーチ。南紀は太陽が強く、クリアな光のコントラストにヤシの木が揺れるのを見て思うわけです、僕にはもうハワイにいく理由がないな、と。古民家にお風呂がまだなく毎日ビーチシャワーだったのですが、夕暮れに水浴びしているとシャワー越しにここはピピ島かと見まごうわけです。僕

      • 教えたくない、すさみとの出会い。

        半世紀めの、初恋。 もうすぐ50歳になります。この国の平均寿命が50歳を超えたのは・・・1947年。父はもう生まれています。それくらい最近まで50って辞世の句を詠んでたような歳なのに、自分では学生の頃と未だそんな変わらないように思えてなりません。ホントに大学時代のアウトドアのアウターとか今も着てるし。おかしいな、50歳になった頃にはドアの厚い静かなセダンの後部座席で才色兼備な秘書を横に日本の来し方行く末に想いを馳せてるはずだったのですが、いつのまにか新たな意味を持ったmus

        • 会社を出ないと、わからなかったこと。

          mustの示すところ。 will/can/mustのmustは、”やらなければならないこと”だと思って、長らく生きてきました。長男で体育会でそう躾けられてそう染み付いてたし、世の中楽しいことばかりなわけないわけで、何十年も人生そういうものだと思ってたわけです。そう言えば、社会に出て会社に入ったのは広告代理店だったのですが、内定者10人のうち2人地方営業に数年行ってもらいたいのだ、と総務に全員集められたんです。みんな下向いて一向に誰も手を挙げないので、東京がいいんだなと、「じ

        その男たち、漁師とサーファーと大工につき。

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        記事

          Xデザイン学校の Noteがはじまりました!

          皆さん、こんにちは!武蔵野美術大学で創造的思考力について学んでいる、造形構想研究科・社会人修士2年の岩崎です。このたび、縁あって社会をよくするデザインの学びと研究する楽しさを追求しているXデザイン学校のコンテンツ担当になりました。デザインという言葉が表す地平は本当に広く、見た目の美しさや使い勝手の良さも大好きなのですが、もっと大きく社会の健やかさや未来の楽しさを生み出すデザインの力に僕は惹かれていて、そんな学びのおもしろさについて、先生たちや社会人学生の皆さんと一緒になって情

          Xデザイン学校の Noteがはじまりました!

          Yes, We Can.

          今、何を企むべきか。 お話を聞いたのです。ビジネスデザイナーの佐々木康裕さんに。 デザインイノベーションファームTakramで、ビジネスとデザインを接続しながらあらゆる企業の事業課題に取り組まれています。デザインという言葉は多義的であるがゆえに時にその取扱いに茫洋とさえしてしまうのですが、デザイン畑でない出自でありながらデザイナーの旗印を掲げることの決意と重みを敬意を込めて感じます。それだけでなく、エンジニア起業家を支援するベンチャーキャピタル「Miraise」の投資先メンタ

          共創しよう、人間だもの。

          別解で、世界に駆動力を。お話を聞いたのです。クリエイティブディレクターの吉澤到さんに。 博報堂でコピーライターからキャリアをスタートした吉澤さんは海外留学を経て、新規事業開発を司る「ミライの事業室」の室長を務めておられます。“クリエイティビティで、この社会に別解を。”というステートメントを掲げる博報堂。加速するデジタル&ネットワーク化によって接点が多重的に生じる現代社会を“生活者インターフェイス市場”と定義し、ロジックで導かれる正解よりもクリエイティブジャンプで生まれる別解を

          共創しよう、人間だもの。

          溶け込み目線で、社会を前に。

          よりよい社会を、本気で想う。お話を聞いたのです。サーキュラーエコノミー実践家の大山貴子さんに。 循環型社会の実現に向けた変革コンサルティングを生業とする、fogというデザインファームを主宰されている大山さん。留学したダラスで人種差別を受けて衝撃を受け、東北大の社会学研究室に入り浸るところから彼女の視線は一貫しています。“幸せな社会をつくるには、どうすればいいだろう”。大学時代に共に同じ目線で暮らした、ウガンダやエルサルバドルでのフィールドリサーチ。ニューヨークでの社会人生活で

          溶け込み目線で、社会を前に。

          気付きに気付く、方法。

          さよなら、直線思考。お話を聞いたのです。グラフィックデザイナーの三木健さんに。 デザイン事務所を主宰しながら大阪芸術大学教授も務められる三木さんと言えば、APPLE。もちろんジョブスじゃありません。りんごをモチーフにデザインを学ぶ方法の可能性がこれでもかと繰り出される様は爽快で感動なのですが、しょっぱなからその話はしませんと。僕の構想の仕方について話しますと。早速引き込まれます。まず、ブランディングは絆づくりという言葉から。そして、心・顔・体の3つが大切とのたまいます。Min

          気付きに気付く、方法。

          誠実に、Carpe diem.

          真摯なる、自問自答。お話を聞いたのです。医学博士の稲葉俊郎さんに。 東大病院で心臓のカテーテル手術のエキスパートとして邁進されていた稲葉さん。天皇陛下の執刀医を取り上げたNHKのプロフェッショナルが脳裏に浮かびます。そこで描かれていたのは、徹底的に高度な技術への信憑性。とてもわかります、技術の価値。しかし、稲葉さんはその道を究めるべく最先端で切磋琢磨されていたにも関わらず、東大病院を後にします。え、なんで?そこが、今回の話の始まりです。そして稲葉さんの全てです。彼が言葉にした

          誠実に、Carpe diem.

          性善説に、幸あれ。

          見えない人とともに。お話を聞いたのです。シビックハッカーの関治之さんに。 この9月からデジタル庁でも働かれている関さんは、Code for Japanを立ち上げた立役者。現在シビックテックのトップランナーとして鋭意その推進に邁進されていますが、エンジニアとしてインターネットの進化と並走しながらソフトウェアやシステムの開発等に携わられていた関さんがそもそもなぜCode for Japanを生みだすことになったのか、その端緒は2011年の東日本大震災にさかのぼります。未曽有の激甚

          性善説に、幸あれ。

          問いと遊びで、おはよう創造性。

          ワークショップで扉を開く。お話を聞いたのです。ファシリテーターの安斎勇樹さんに。 「問いのデザイン」の著者であり、東京大学情報学環の特任助教でもある安斎さんは現在、さまざまなクライアントの事業開発や組織改善、人材育成という課題をファシリテーションやマネジメントの実践知で支援・伴走するデザインコンサルファームMIMIGURIをCO-CEOとして率いられていますが、その原点にあるのは、世の中の人やチーム、組織の中に眠っている創造性を活かしたい、という想い。そのキャリアは学生時代、

          問いと遊びで、おはよう創造性。

          心ある人に、なろう。

          レールなんか、自分が引けばいい。お話を聞いたのです。花まる学習会の高濱正伸さんに。 日本の悪弊とも言える知識や加点ノウハウを詰め込む偏差値重視の受験教育ではなく、子どもたちが自ら主体的に考える力とその意欲を伸ばす学習教室を1993年にスタートした花まる学習会。野外体験スクールや音楽・運動教室、思考力育成アプリの開発や親御さんの子育て支援にも取り組まれながら全国で教室を展開されているのですが、メッセージとして掲げているのが、「メシが食える人」、「モテる人」を育てるよ、という想い

          心ある人に、なろう。

          美しい白鳥の足は、動いている。

          アートを生み出す理系脳。お話を聞いたのです。チームラボの堺大輔さんに。 今や日本に留まらず世界の色とりどりなステージで、体感没入型のデジタルアート作品を人々に投げかけ続けるチームラボ。アートの中身については周知なところも多いので、表立った華やかなイメージとは裏腹のインサイドストーリーを伺います。現在取締役を担務される堺さんが、代表の猪子さんら4名の大学院生とチームラボを立ち上げたのが2001年。今や700名のメンバーを抱える大企業ですが、プログラマー、エンジニア、データサイ

          美しい白鳥の足は、動いている。

          やわらか装置で、明日をつくる。

          人の人による人のためのデザイン。お話を聞いたのです。インターフェイスデザイナーの八田晃さんに。 京都に拠点を構えるデザインコンサルティングファーム、ソフトデバイスを代表取締役として率いておられますが、グラフィックなら任せてとのたまう世に数多あるデザイン会社にあらず。専門とするデザイン領域は、ヒューマン・インターフェイス。世の中のさまざまなモノや情報と人との心地いい対話や快適な関係性をインタラクションの中に生み出すデザインワークに特化されています。社名を話された時に“やわらか装

          やわらか装置で、明日をつくる。

          アートという名のラブレター。

          通信社から目指したアート。お話を聞いたのです。キュレーターの鈴木潤子さんに。 時事通信社に10年勤められたところから始まるキャリアが面白いです。マスコミでの仕事を重ねていく中で、取材するよりもされる方としてコンテンツを作りたいという想いが芽生えた鈴木さん。アートが社会のインフラとなる力を持ち得ると感じ、ミュージアムで働きたいと人生の舵を切ります。日本科学未来館や森美術館に活躍の場を移し、展覧会やイベントのキュレーション、運営、広報業務に従事してキャリアを積み、2011年には独

          アートという名のラブレター。